なおこの就活道場 略歴

2015年04月24日

志望動機は(まずは)考えるな! (番頭フッキーの就活イヤァオ! その1)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです(「ノブ&フッキー」の堀内孝雄のモノマネをする方ではないですよ)。

 3月から、朝日新聞土曜日夕刊の「週刊シューカツ」というコーナーで就活まっさかり大学4年生の活動をリアルタイムレポート中。朝日新聞デジタルで「週刊シューカツ」と検索するとバックナンバーも出てきますので、ぜひ読んでみてください。道場主のなおこ先生不在時は、わたくし番頭がこの取材中に感じた就活生のみなさんの悩みや不安を吹っ飛ばす、「イヤァオ!」なキーワードをお届けしたいと思います。

 さて、不安という話が出てきましたが、みなさん就活は不安ですか? 

 こう学生さんに聞くと、ほぼ間違いなく「不安です!」という答えが返ってきます。自分の一生を決める大イベントには間違いないのですから不安に思うのも当然なのですが、どうも必要以上に不安をつのらせている学生さんが多い。理由は、こんなところではないでしょうか。

 「何をどこまでやればいいのかわからない」
 「自分が全体の中でどの位置にいるのかわからない」

 見えないものにこそ、人は不安を覚えます。周りの人間は何をしているかさっぱり見えてこない。模擬試験があるわけでもなく偏差値が出てくるわけでもない。何をしたら内定に近づくかわからなくて書店に走ると、自己PRの書き方、自己分析の仕方、面接こうクリアしようといった本がずらずらり……「これに全部目を通さなければいけないのか」とまた不安がつのるというスパイラル。でも番頭の私から言わせれば、就活はやることもやらなければいけないこともひっじょーに単純です。

①自分を知ること
②その自分を会社に売り込むこと

 これだけです。センター試験は最大5教科8科目受けなければいけないというのに、就活はたった2つだけ。新たに何かを勉強する必要もありません(SPI対策などの筆記試験対策や、就職に際し資格が必要な場合は別ですよ)。就活界の古典書ともされている「面接の○人」の冒頭にもこう書いてあります。
<君は、たった2つのことを覚えるだけでいい。しかも君が覚えたたった2つのうち1つが本番で言えれば君はトップで通る。(中略)「自己紹介」と「志望動機」である>

 自己紹介は①、志望動機は②につながります。じゃあなんで「面接の達○」はこんなに分厚いんだ! と言いたくなるでしょうが、いろいろ役立つことも書いてあるので買って読んでみましょう(大人のフォロー)。

 ここからが、番頭からの「イヤァオ!」です。

「この際、志望動機も考えなくていいんじゃね?」

 そうなれば、考えるべきは「自己紹介」のみ。猛烈に単純でしょう? やるべきこともはっきりしているでしょう。悩み解消、明日から就活がんばりましょう!

 え? 志望動機の作り方ってだけで本もたくさん出てるのに、考えなくていいとはどういうことって? ではここで、先日お会いした人材系企業の元新卒採用担当者の言葉をご紹介します。

 「私は面接で志望動機は聞きませんでした。学生さんから『志望動機は聞かないんですか?』って聞かれたら、『私を納得させる志望動機を言えるのかしら』と返していましたね」

 人材系の会社となると、みなさんだいたい「人が好きだから人とかかわれる仕事につきたいと思い御社を志望した云々」というようなことを言いがちだそうです。ですが、およそ会社であれば人と接しない、人とかかわらない仕事はほとんどありません。何人もそんな答えを聞かされたら採用側の人間も飽きます。(人間ですからね!)

 もう少しその会社のことを調べて「御社で展開している○○の事業分野にひかれた」「御社の××という分野で私の強みが活かせると思った」云々という志望動機もありますが、採用側の人間からすれば「毎日俺らが血の汗流して働いている職場で、おめーみたいな新人がいきなり居場所もらえるとおもってんのか!」というのがぶっちゃけた本音です。それよりも面接官が知りたいのは「あなたはいったいどういう人物ですか?」ということ。それがわかり、「こういう人物ならこういう仕事をまかせてよさそうだ」と面接官が判断すれば、内定獲得です。

 だからあなたがまずやるべきは、①「自分を知ること」なのです。自分を知るのは意外に手間暇かかる作業ですが、それさえしっかり把握できれば、あとは会社にあわせて「自分はこんな自分なので、おたくの会社ではこんな風に自分を使えるんじゃね?」と上から目線でアピールすればいいわけです。(本当に上から目線で語っちゃだめですよ!)

 ちなみにさきほどの元採用担当者は「志望動機は最終面接までに言えるようになっていてくれればいい」と話しています。実は会社側も、みなさんから選んでもらわなければいけない立場。そんなときに、「うちの会社のことをよく調べてくれているわ!」と思える学生と「うちの会社じゃなくても、ほかでもなんだかよさそう……」と思える学生となら、前者と仲良くするのは当然でしょう。志望動機とは「あなたの会社をこれだけ調べてますよ!」という会社側への売り込みアピールと考えて下さい。これはこれで必要なスキルなのですが、その大前提条件として売り込む商品である「自分」を知り尽くさなければなんの意味もありません。ですのでまずは「志望動機」という言葉、リヴァプールの海に捨ててきてください!

 次回は、自分を知るための「イヤァオ!」なキーワードをお伝えします。