ニュースのポイント
トヨタ自動車の歴史を伝える博物館が人気です。日本には、各企業や業界の博物館が200ほどあるといいます。こうした博物館には、企業の歴史や誇りが詰まっています。歴史を知るのも大切な企業研究です(写真は、ドラマ「リーダーズ」で使用されたG1型トヨダ・トラックの展示)。
今日取り上げるのは、経済面(8面)の「地域発企業発/トヨタの聖地 千客万来/産業技術記念館 過去最高の人出/来場の3割外国人/TVドラマロケ地に」です。
記事の内容は――トヨタ自動車グループのものづくりの歴史を伝える博物館「トヨタ産業技術記念館」(名古屋市)が過去最高の人出でにぎわっている。来場者数は1994年の開館後10年間は年10万人程度だったが、今年は10月末で31万1000人と2年連続で過去最高を更新。好調の原動力は外国人観光客で来場者の3割を占める。職員が機械を動かして糸を紡いだり布を織ったりする実演展示が、世界的な旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で話題になり、今年の「外国人に人気の日本の観光スポット」で28位に選ばれた。創業者の豊田喜一郎氏をモデルにした今年3月のTBS系のテレビドラマ「リーダーズ」で注目が集まったことも大きい。東海地方は産業の技術や歴史を伝える施設を巡る「産業観光」の施設が多い。2005年の愛知万博をピークに盛り上がりは尻すぼみの状況だったが、円安の進展による訪日外国人の増加という追い風が吹き始めた。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
企業の博物館や資料館、記念館では、産業史や文化、時代背景を知ることができます。JR東日本の「鉄道博物館」や、最近できた日清食品ホールディングスの「カップヌードルミュージアム」(横浜市)などレジャー施設として有名なものもありますが、あまり知られていないものも多くあります。
2012年に朝日新聞の土曜別刷りbeに載った「beランキング 大人が楽しめる企業博物館」から、専門家が選んだ20位までの施設を以下に紹介します。トヨタの産業技術記念館も3位に入っています。所在地と主な運営主体、特徴が書かれています。
【1位】印刷博物館(東京都文京区)凸版印刷:古いポスター、チラシ、書籍から最近の印刷物まで幅広く収蔵
【2位】資生堂企業資料館(静岡県掛川市)資生堂:商品パッケージ、ポスター、広告関連資料のほか、日本の化粧文化との関わりなども紹介
【3位】産業技術記念館(トヨタテクノミュージアム)(名古屋市西区)トヨタグループ:13社の共同事業で設立。繊維機械館、自動車館など様々な展示会場がある
【4位】東芝科学館(川崎市)東芝:「人と科学のふれあい」がテーマ。事前に見学ツアーを予約しておくとさらに楽しめる
【5位】内藤記念くすり博物館(岐阜県各務原市)エーザイ:薬に関する膨大な収蔵資料・図書のうち約2000点を展示し、医学・薬学の歴史などを紹介
【6位】トヨタ博物館(愛知県長久手市)トヨタ自動車:自動車の歴史が学べる
【7位】日本郵船歴史博物館(横浜市中区)日本郵船:近代日本の海運史を多角的に見ることができる
【8位】食とくらしの小さな博物館(東京都港区)味の素:時代ごとの世相や人々の生活の雰囲気を楽しみながら学べる
【9位】鉄道博物館(さいたま市大宮区)JR東日本:鉄道システムの変遷を車両などの実物展示で紹介
【10位】UCCコーヒー博物館(神戸市中央区)UCC上島珈琲:コーヒーの歴史と文化が分かる
【11位】松下幸之助歴史館(パナソニックミュージアム)(大阪) 【12位】たばこと塩の博物館(東京) 【13位】花王ミュージアム(同) 【14位】竹中大工道具館(兵庫) 【15位】インスタントラーメン発明記念館(大阪) 【16位】御木本幸吉記念館と真珠博物館(三重) 【17位】日本はきもの博物館(広島) 【18位】三菱重工長崎造船所史料館(長崎) 【19位】中冨記念くすり博物館(佐賀) 【20位】サッポロビール博物館(北海道)
「へえー、知らなかった」というものもありますよね。見て楽しめる施設のランキングですし、入場料は無料や数百円程度です。志望業界・企業はもちろんですが、そうでなくても気軽に訪ねてみてください。きっと就活のヒントになる新たな発見がありますよ。
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