
(写真は、新たに進出が決まった2万人規模の音楽専用アリーナのイメージ=ケン・コーポレーション提供)



音楽・エンタメ市場は、この10年間で激変しました。国内のCDの生産実績は、2007年には約3272億円でしたが、アップルやLINEの音楽配信サービスが急速に普及し、2016年は約1749億円と半分近くに減りました(日本レコード協会調べ)。一方で、音楽ライブの市場規模は、2007年の1450億円から2015年には3405億円と2倍以上に急増(ぴあなどの「ライブ・エンタテインメント白書」)。ところが、2016年は3372億円と前年より減ってしまいました。
実は、恒常的なライブ会場不足に加え、2016年は横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナなどの大規模会場の改修が重なったのが原因とみられています。白書は「公演回数は増加しているものの、アリーナクラス会場での公演が減少した影響を受けて、1公演あたり動員数が低下」したと分析。会場さえあれば、ライブ市場はまだまだ伸びると読みです。
2020年には東京五輪・パラリンピックの影響で、首都圏の会場不足はさらに深刻化するといわれています。2万人アリーナは間に合いませんが、MM地区の会場新設ラッシュはこれを見込んだ動きでもあるわけです。
・過去10年のCD生産実績(日本レコード協会)
・2017ライブ・エンタテインメント白書サマリー版
今回の新設ラッシュについて、ぴあの担当者は「物を買って所有する『モノ消費』から、体験や思い出を買う『コト消費』に消費者の好みが移っていることが、音楽市場に現れている」と話しています。
「コト消費」は、音楽・エンタメに限らず、訪日客向けの観光や旅行関係、百貨店などの小売業をはじめ、消費者相手の幅広い業界に広がっているニーズです。エンタメ志望ではない人も、自分の志望業界の「コト消費」の可能性についても考えてみてください。
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2025/11/03 更新
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