2014年08月19日

崩壊する?しない? 中国バブル

テーマ:経済

◆ニュースのポイント

 先週、マカオ(中国の特別行政区)に行ってきました。真夜中でもネオンはギラギラ、古い言葉ですが、まさに「不夜城」です。カジノでは、1枚1000香港ドル(1香港ドル=約13円)のチップ(コイン)が、十円玉程度の気軽さで積み重ねられ、テーブルを飛び交っていました。マカオのカジノでの収益は、本家ともいうべき米・ラスベガスの約7倍といいます。その大半を支えているのは、“大陸”、つまり中国本土の「富裕層」です。1980年代後半、日本がバブル景気に浮かれていたころ、新地や銀座で豪遊していた不動産業のオジサマたちをふと思い出しました。「驕(おご)れる者は久しからず」と言います。栄華を極めているように見える中国セレブの足元にも少しずつ陰りが見えてきました。(副編集長・奥村 晶)

 今日取り上げるのは、経済面(6面)の「中国主要64都市/不動産値下がり」です。
記事の内容は――中国の不動産市場の変調が深刻だ。国家統計局が18日発表した7月の住宅価格調査では、主要70都市の9割を超える64都市で前月より値下がりした。住宅価格の値下がりは4月までは数都市に限られていたが、5月から急に全国へ広がった。7月は首都北京も下落に転じ、値下がりした都市の数は2カ月連続で、2011年の統計開始以降の最大を記録した。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

◆就活アドバイス

 2010年、GDP(国内総生産)が日本を抜き、世界2位となった中国。みなさんが志望する企業の多くも、輸出や輸入、生産拠点など、何らかの形で中国とのかかわりを持っています。中国との政治的な関係、外交情勢はもちろんですが、ぜひ中国の経済ニュースもチェックしてください。

 このニュースの見出しはそう大きくはありません。主要都市70都市のうち9割もの都市で値崩れしている割には「冷静」だと思いませんか? 日本の不動産バブルを振り返ってみます。不動産価格が上昇することを前提に、所有する不動産を担保に銀行からお金を借り、またそのお金で新たに不動産を買い足し、値上がりした不動産を売却して、その利ざやを稼ぐ――これがバブルの「錬金術」でした。
 だからこそ、不動産を所有している人や業者は、値崩れし始めたら、ババ抜きの「ババ」を引かないように我先に、「売り抜け」ようと殺到し、一気にバブル崩壊になだれこんだわけです。アメリカのリーマンショックも、きっかけは違いますが、似たような「ババ抜き」ゲームのなれの果てです。

 この記事でも、日本のバブル崩壊前と同じように「中国経済は不動産の値上がりに頼る構造があり、長引けば景気に大きな打撃となる」と書いています。
 長引くもなにも、9割の主要都市が値崩れしているなら、すでにバブルは崩壊しているような気がしますが、中国は、幸か不幸か、日本やアメリカのように自由な経済活動が保障されていません。なので、もし、不動産の値崩れが起きても、不動産業者や投資家が一気に売却に走ることを“政策”によって防げる可能性が残っているのです。

 中国経済の現状については朝日新聞デジタルの欄で紹介している「中国バブルの虚実」にも詳しく書かれています。
 中国語ではバブルのことを「泡沫(パオモー)」と言います。中国政府が、どのような政策で「泡沫」を暴発させずに収束させるか、ぜひ注目していてください。

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