2014年08月18日

ニュース★あらもーど(8月9日~17日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 先日、「石川文洋を旅する」という映画を見てきました。石川文洋(ぶんよう)さんは沖縄生まれの報道カメラマン。76歳です。いまから50年前、1965年から4年余り、戦場カメラマンとして、南ベトナム政府軍・米軍に従軍していました。負傷する兵士、無残に命を奪われる農民や子どもたち。写真は、世界中に配信されました。

 「米軍という“侵す側”から撮った写真だとしても、後世の人の役に立つはず」。石川さんは、自分にそう言い聞かせ、葛藤を乗り越えたそうです。だからネガは、個人のものではなく、「世界の財産」なのだと。

 8月15日は69回目の終戦記念日でした。15日前後のテレビでは、戦争の悲惨さを伝える映画、ドラマ、過去のニュース映像などが、繰り返し流れます。

 いま、私たちが目にする原爆投下後の焼け野原も、沖縄戦の悲惨な光景も、そのほとんどは、住民から見れば“侵す側”である米軍が撮影したものです。でも、もし、その記録がなかったら、戦争の恐ろしさを知る手立てはもっともっと限られていたかもしれません。

 今日から「今日の朝刊」を再開します。月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(副編集長・奥村 晶)

ニュースダイジェスト

★【エボラ熱】エボラ出血熱による死者、1000人超える 西アフリカなど(8/11.Mon)

 西アフリカのシエラレオネなどで、大流行しているエボラ出血熱の感染による死者が、計1013人になった。世界保健機関(WHO)の集計。感染者を治療する医療関係者の感染も深刻で、100人以上が感染しているとみられる。シエラレオネ政府は緊急事態を宣言し、軍部隊1500人を感染集中地域に配備し、人の往来を規制するなどの封じ込め策をとっている。

 エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症で、感染して2~21日間で発熱や頭痛、のどの痛みが現れる。肝臓、腎臓機能に異常が生じ、末期には吐血、下血をして死に至る。実用化された治療薬はまだなく、発症後、1週間から10日程度で多くの人が亡くなっている。

★【政府専用機】後継機の整備、JALからANAへ 政権交代も背景に(8/12.Tue)

 政府は、今の政府専用機の後継機に米ボーイングの大型機777-300ER、整備委託先にANAホールディングス(HD、全日本空輸の親会社)を選んだと発表した。現行機を担当する日本航空は経営破綻(はたん)を経験、全日空が2014年4月、国際線の事業規模で日航を抜き、初めて首位に立った。「日本の翼」の交代と合わせるように、政府専用機の整備役も交代する。
 背景には、日航への公的資金の注入を、積極的に進めた当時の民主党政権への反発もあると見られる。

 政府専用機は、天皇陛下や首相らの外国訪問に使われる。現行機は1993年に導入、機体の整備や燃料給油などを日航が一貫して担当してきた。

★【LINE】LINE利用者、5億人突破へ スペイン語圏から攻勢(8/12.Tue)

 無料対話アプリ「LINE(ライン)」の利用者(登録者)が近く、5億人に達する。感情を絵柄で表現する「スタンプ」が日本の若者に受けて、人気に火がついた。LINEは韓国のIT企業ネイバーの完全子会社で、東京・渋谷に本社がある。
 
 利用者の85%は日本以外で、台湾やインドネシア、タイなどアジアが中心。アジアを除くとスペインでの人気が高く、利用者はスペインの人口の4割近い1800万人に達した。ただし、海外展開では、ゲームやスタンプによる収入が限られ、必ずしも収益には直結していないという。

★【基地移設】辺野古移設、急ぐ政権 ブイ設置を開始 (8/14.Thu)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向け、安倍政権が動き出した。防衛省は辺野古沖の埋め立て地域周辺で、立ち入り禁止区域を示すためのブイの設置を始めた。10年ぶりの海底ボーリング調査の開始は18日の予定。

 10年前の2004年にも政府は海底ボーリング調査を試みたが、反対派がボートで海上やぐらに乗り込むなど、激しく抵抗、調査が中止になった経緯もあり、今回は、業者の船約30隻や、海上保安庁の船などで作業現場を取り囲むなど、厳重な対策でのぞんだ。

 沖縄は11月に県知事選を控えており、辺野古移設の賛否を選挙の争点にしたくない政府としては、工事を少しでも前に進め、反対派の勢いを封じ込めたいとの考えだ。

★【オンラインゲーム】カプコン、中国市場進出へ 主力ゲーム「モンハン」投入 (8/14.Thu)

 大手ゲームソフト会社カプコン(大阪市)が、中国のゲーム市場に本格参入することを決めた。中国ネット大手テンセントと組み、日本でヒットした主力作品をパソコン用オンラインゲームとして配信する。スマートフォン向けも準備中だ。中国政府が2014年、家庭用ゲーム機の販売を解禁したことから、中国のゲーム市場は一気に活気づいている。

 カプコンでは、すでに7月下旬からアクションゲーム「魔界村」の配信を始めており、今後は、「モンスターハンター(モンハン)」や「ストリートファイター」など、日本で実績のある作品のオンライン版も配信する。

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