◆ニュースのポイント
みなさんはLINE、使っていますか? サークルやバイトで出会って意気投合した人とふるふる(スマホを振り合うことでLINEのIDが交換できるサービス)で便利さを実感したり、「既読無視」されて「もしかして気を悪くした?」と不安になったり――。
LINEに限らず、こういったSNSとうまくつきあうコツを考えてみましょう。(副編集長・奥村 晶)
今日取り上げるのは、社会面(38面)の「LINEいじめ 見張っているぞ/危険 親に通知/ITベンチャー開発」です。
記事の内容は――子どもが無料通信アプリ「LINE」で友達から受け取ったメッセージを、親に代わって監視するサービスが登場した。いじめや性犯罪など、LINEを使ったトラブルに子どもが巻き込まれているのを早期に発見するのがねらいだ。
ITベンチャー「エースチャイルド」(東京都品川区)はこれまでも、Twitterやfacebookといった交流サイトを監視するサービス「Filii(フィリー)」を提供してきたが、それをLINEにも拡大。「隠す」(持ち物を隠す)や「応援」(援助交際など)といった、いじめや犯罪に関係しそうな2万語を選び、子どもが受け取るメッセージの中で連続して使われると、親が閲覧する専用ページに警告を表示する。親もサービス提供会社もメッセージ本文は見ることができない。同社によるとLINEを監視するサービスは初めてという。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
◆就活アドバイス
新しいツールやサービスというのは、便利だからこそ普及するのですが、過渡期ならではのデメリットもあるものです。「必要は発明の母」と言いますが、そのデメリットを改善したり、減らしたりしていくところに、ビジネスの種が転がっているのではないでしょうか。
総務省などが2013年11月~12月にかけて実施した調査によると、LINEを使っているのは、10代で71%、20代で80%、30代で65%、全体でも44%と、前年の20%から倍増しています。facebookの利用者は全体の26% 、Twitterが同じく18%ですから、その普及ペースの早さは別格といえます。利用者にとって、LINEが魅力的なものであることは間違いないでしょう。
一方で、総務省情報通信政策研究所の主任研究官は「LINEは便利だが、相手の反応を無視できずに長時間使うことで依存を強めたり、人間関係がこじれたりする恐れもある」と指摘しています。2013年7月には広島県呉市で、16歳~21歳の男女7人がLINEで悪口を書かれたことをきっかけに当時16歳の女子生徒に暴行を加え、絞殺した事件もありました。
そもそも、子どもの交友関係に親がどこまで介入すべきか、という点で、今回の監視サービスについては賛否両論あるだろうと思います。とはいえ、「子どもが犯罪に巻き込まれないだろうか」「いじめられていないだろうか」と心配している親のニーズがあって、このサービスが生まれたのです。
普段の生活でも、「不便さ」や「不都合」に気づいたとき、どうやったら、これを改善できるのか、意識してみましょう。ネットなどで調べたら、すでにその改善法が見つかっているかもしれませんし、もし、なかったら、自分がその分野でのパイオニアになれるかもしれません。「課題解決」する力が大切なのは、起業する人に限ったことではありません。
「人事のホンネ」第11回に登場するジェイティービー本社人事部の木村希さんも、求める社員像として「モノを売るより、コトを売る。“課題解決型営業”のできる人」と言っています。
あなた自身は、いまLINEを使っていて、どんなところに不便さを感じますか? それが具体的なことなら、それを改善するにはどんな方法が考えられますか? もしかしたら、それが、大きなビジネスチャンスにつながるかもしれませんよ。
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