2014年02月24日

就活は恋人選び♡ 外見だけでなく「気の合う会社」を見つけよう

テーマ:就活

ニュースのポイント

 恋人を選ぶとき、何を重視しますか? 長く付き合うなら、気が合う人がいいですよね。就活も同じです。芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』など働く人を主人公にした著作が多い津村記久子(つむら・きくこ)さん(36)が合同企業説明会の会場を訪れました。自らの就活失敗体験も交えて就活生に「私にとっての優良企業探し」をアドバイスします。

 今日取り上げるのは、31面の「ニュースの扉/津村記久子さんと探る就活/世界への入り口 知名度より社風」です。
 記事の内容は――津村さんは2月8日に大阪市で開かれた合同企業説明会「就職博」(学情主催)を訪れた。就活の現場は15年ぶり。学生に囲まれる企業ブースもあれば、ほとんど集まらないブースも。鍵は知名度や業種のようだ。津村さんが最初に就職したのは、目指していた出版業界に近い印刷会社。だが、上司のパワハラが原因で10カ月で退社。社是(しゃぜ)は「会社の幸せは、社員の幸せ」だったが、社内は余裕がなく、かばう雰囲気はなかったという。次に勤めたのは全く縁のなかった建設関係だったが、適度に距離のある人間関係が居心地よく、小説家として脚光を浴びた後まで10年半働いた。
 津村さんは就職博の会場を縦横無尽に回り、会社の様子を知るための質問を繰り返した。「どんな学生がほしいか」「社是は」。一方で知名度の高い大企業や「豪華なプレゼン」を展開する企業、「可能性を広げる」「感動を与える」といったあいまいなキャッチフレーズを掲げた企業には「実力が見えにくくなる」と足を止めなかった。注目したのは派手な看板のないガス関連機器を売る会社。お昼どきに「今食事中」と書かれた紙が一枚置かれていた。戻ってきたベテラン社員は「良くも悪くも『ゆるい』会社」、入社2年目の社員も「学生時代の友人の入った会社と比べても一、二の居心地の良さだと思います」と言う。「私が就活生なら、この企業を受けてみる」「給料は高くないかもしれない。みんなにとって優良企業でなくても、私には合う」と津村さん。「就活は絶対やったほうがいい」「これほどいろんな世界への入り口を見られる機会はない。壁にぶつかったら『やりがい』ではなく『ここだったら働けるかも』という形で考えてみてもいいかも」

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 津村さん自身が寄稿した「津村の目」にも貴重な言葉がたくさん詰まっています。「どの人も、社会には働き手として必要な人材であり、彼らをすり減らさずに長く働ける環境を提供できる会社が必要」「最初の就職を業種で選んで失敗した身としては、今なら社風を重視したい。会社が人ならば、待遇や業種は地位や外見であり、社風は性格」「(会社と社員が)お互いに状況が悪い時にでもなんとか頑張ってもらえることの鍵は、最終的には技能や体力以上に、会社と社員の性格が合うことなのではないだろうか。学生にとって相性のいい企業、企業にとって気の合う学生は、外面にとらわれず根気よく探せばどこかにある・いるはずだ」。体験を踏まえた話だけに、説得力がありますね。

 今の時期、大企業中心の合同企業説明会はほとんど終わりましたが、「就職博」のような中堅・中小企業中心の説明会は、まだまだたくさん開かれます。津村さんを見習ってブースを回ってみてはどうでしょう。ぜひまねしてほしいのは、会場内を隅々まで回って「会社の様子を知るための質問」を繰り返すことです。

 「人事のホンネ」で金融、商社、広告会社などを読み比べてみると、求める人材が業界によって違うことがわかると思います。同じ業種でも、社風は一社一社異なります。会社のホームページをいくら見てもわかりません。会社説明会に足を運び、できればOB・OG訪問もして、人事・採用担当以外の現場で働く社員に直接会って、いろんな質問をしてみること。あなたに合う会社がきっと見つかります。

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