2014年02月18日

「物流はライフライン」大雪被害で考える企業の役割

テーマ:社会

ニュースのポイント

 東日本を襲った大雪による混乱が続いています。雪で動けなくなった車中に多くの人が缶詰めになり、山あいの集落は孤立、スーパーやコンビニの棚は空になり、工場の操業も止まるなど、大きな影響が出ました。物流業や小売業は「生活や命を守るライフライン」なんだと改めて実感した人も多いのではないでしょうか。

 今日取り上げるのは、1面トップの「雪の混乱 列島停滞/続く孤立・製菓品薄・工場停止」、経済面(9面)の「流通・製造 雪で乱れ/甲信越など/従業員出勤できず」です。大雪関連の記事は、オピニオン面(14面)「社説/大雪の教訓/想定外に備える」、社会面(39面)「雪と格闘 延々」も載っています。
 記事から物流に関する部分をピックアップすると――物流の乱れで、暮らしへの影響が広範囲に及んでいる。17日、東京・中央卸売市場大田市場に集まった青果は予定の6~7割。青森県産リンゴや長野県産キノコは入荷がゼロになり野菜は値上がりした。ヤマト運輸の宅配便や日本郵便の郵便物の集配も遅れている。部品が届かずに生産が止まった工場も相次ぐ。トヨタ自動車は愛知県内の4工場を止め、スズキは静岡県内の主力3工場の生産の一部を停止。従業員が出勤できないケースも多く、セイコーエプソンは17日、長野県内の全11事業所を休業。シチズンホールディングスは長野など3県の計12工場で操業を見合わせ、山梨県にある日立製作所の半導体工場も生産を止めた。小売店への影響も続き、山崎製パンは配送拠点にパンを店に届けられず、セブン―イレブンやローソンはヘリでパンや即席麺を運ぶ。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 東日本は2週続けて歴史的な大雪に見舞われました。交通機関が大混乱したので、会社説明会や面接にたどり着けない、あるいは帰れないなど影響を受けた人も多いと思います。新聞社も物流産業の一つですから、ひとごとではありません。今日の朝刊1面にも「新聞配達の遅れ、おわびします」との記事が載っています。神奈川県の我が家でもこの週末は、朝刊が夕方に届いたり、夕刊が届かなかったりしました。

 こうした混乱ぶりに、困ったり、いらだったりした人もいると思います。一方で、ふだんは当たり前に思っている交通や人・物の流れが不測の事態で途絶えると、そのありがたみがわかるものです。東日本大震災を思い出した人も多いと思います。影響は甚大で長期間にわたって麻痺しましたね。運輸・物流や小売り・流通は、まさに産業や社会のインフラなのです。

 関連する企業は実にたくさんあります。鉄道、陸運、空運、海運、倉庫といった運輸業界、商社、スーパーや百貨店、コンビニといった小売業……。こうした業界を志す人は、大震災や今回の大雪で企業がどのように動いたかや、受けた影響、企業の使命・役割を新聞記事などで調べて整理してみることをお勧めします。不測の事態に業界としてどう備えるべきかも考えてみましょう。きっとESや面接の志望動機などに使える素材になります。ただし、「物流はライフライン」といった漠然とした言葉だけではダメですよ。自分の身近な体験や感じたこと、なぜそう思ったのかなどを必ず盛り込むこと。そうすることで、説得力をもって企業に伝わります。

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