ニュースのポイント
東京証券取引所の1部上場企業の2013年4~12月期決算発表がピークを迎えています。円安・株高を追い風に好業績の企業が多く、全体で営業利益は前年の同じ時期より4割増えました。決算記事からは、いま各企業が置かれている状況や、何に力を入れているのかなど、企業の最新事情が読み取れます。
今日取り上げるのは、総合面(3面)の「円安効果 上向く企業/13年4~12月期決算/東証1部517社 営業利益4割増/電機・自動車 強気見通し」です。
記事の内容は――2013年4~12月期の金融をのぞいた企業の営業利益の合計は、前年同期より4割、純利益は約7割増えた。SMBC日興証券が1月31日までに発表を終えた東証1部の517社(集計対象の38.0%)のデータをまとめた。14年3月期の通期見通しも好調を維持しそうだ。純利益は75.1%増の見込みで、過去最高だったリーマン・ショック前の08年3月期を上回りそうだ。好業績が賃上げに結びつけば国内需要のさらなる回復が期待できるが、新興国の経済不安で世界的な株安が続いており、不安の声も出ている。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
記事にある一覧表を見ると、鉄鋼、自動車、不動産、電機の各業界は売上高が前年同期比2桁の伸び。営業利益で見ると、建設も加えた五つの業界が40%以上伸びています。好調ぶりが一目でわかりますね。
記事に出てくる企業の動向を以下にまとめます。
◆住宅設備大手「LIXIL(リクシル)グループ」→消費増税前の駆け込み需要が伸びた
◆「三菱電機」→スマホや半導体向けの生産設備などが好調。4~12月期では3年ぶりの増収増益
◆「東芝」→スマホに使われる記憶装置向け半導体「フラッシュメモリー」が売れ、営業利益は過去最高の1533億円
◆「ホンダ」→昨年10~12月の3カ月で過去最高の108万台を世界で売った。通期の営業利益見通しも前期比43.2%増の7800億円と強気
◆「三越伊勢丹ホールディングス」→輸入腕時計や高級ブランド品がよく売れ、営業利益が08年の経営統合後最高の297億円に
【円安が逆風になった企業】
◆AV機器大手の「JVCケンウッド」→売上高の4割が国内なのにビデオカメラなど製品の9割が海外生産という「輸入会社」のため、円安でコストが膨らみ純損益は56億円の赤字
◆牛丼店「すき家」の「ゼンショーホールディングス」→牛肉など原材料費がかさんで営業利益が半減
経済面(5面)には「3メガバンク 純利益大幅増/4~12月期決算」も載っています。詳しい決算情報は各企業のHPで見ることができます。志望企業の決算情報をぜひ見てみましょう。
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