ニュースのポイント
米ラスベガスで始まる世界最大の家電見本市で存在感を増しているのは、IT化が進む自動車です。また日本の家電メーカーは「4Kテレビ」を前面に押し出しています。家電、IT、自動車業界の競争と融合が進んでいます。
今日取り上げるのは、2面の「IT自動車 究極の家電/米で見本市開催/グーグル提携・車両が基地局」です。
記事の内容は――世界最大の家電見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」では世界の家電メーカーが新技術を競う。今年は自動車メーカーが目立ち、独アウディは米グーグルとの提携効果を強調したほか、「究極のIT車」である自動運転車も登場させ、米ゼネラル・モーターズ(GM)もIT武装した車を披露した。一方、韓国・サムスン電子、ソニー、東芝などの家電メーカーの目玉は4Kテレビ。ほかにもソニーがスマートフォンと連動して歩行距離を記録できる新しいブレスレットを発表するなど多彩な「次世代の家電」が並ぶ。しかし、かつてCESに登場したビデオレコーダー、CDプレーヤーのように生活を大きく変えるインパクトのある新製品はあまりないようだ。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
グーグルとの提携には、アウディのほか、ホンダ、GM、韓国・現代自動車が参加します。この企業連合は、基本ソフト「アンドロイド」を生かし、車中で地図やメールなど情報のやりとりができるシステムを開発します。自動車のIT化を象徴する動きとして注目されています。CESでGMが披露した車は、高速通信の4GやLTEを搭載。車自体を「Wi-Fiスポット」(無線通信の基地局)にして、車載アプリを通じて交通情報や天気を知ったり、同乗者がゲームを楽しんだりできます。すでに米国では全世帯の約17%がネットに接続できる車を持っているそうですが、これからさらに増えるでしょうし、日本でもIT自動車が普及していくのは間違いありません。自動車業界は、大手メーカーだけでなく多くの部品メーカーが関わる裾野の広い産業です。自動車のIT化は、部品メーカー、IT関連企業も巻き込んで大きなうねりになっていくかもしれません。
一方、7日の夕刊1面には「4Kテレビ決戦元年」という記事が載りました。4Kテレビは、画素数がフルハイビジョンの4倍で、4倍きめ細かい映像が映せます。今年から日本で試験放送が始まるのを受け、ソニー、東芝、パナソニック、シャープが「4K元年」と位置づけ、売り込みに本腰を入れ始めたことを伝えています。今年のサッカー・ワールドカップ(W杯)などを機に普及を目指していますが、テレビ番組などのソフトが少なく、数年前に売り出したものの広まっていない「3Dテレビ」の例もあり、先行きは未知数です。
自動車、家電、IT関連の業界、各企業はこれから融合、協力、競争が進みそうです。各業界をめざす人は、今日の記事などを参考に業界を横断するような将来像を描いてみてはどうでしょう。エントリーシートや面接に生かせますよ。
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