ニュースのポイント
会社説明会に出たりエントリーシートを書き始めたり、忙しい毎日だと思いますが、今日はみなさんが就活でつまずいたときのための話を書きます。この先、内定がとれず行き詰まったときに思い出してください。
今日取り上げるのは、オピニオン面(20面)の「社説余滴/就活に失敗学を」です。
記事の内容は――就活に関する情報は豊富なのに、多くの就活生が志望と現実のミスマッチに悩み、何十社と落とされて命を絶つ人までいる。就活生の意識調査をしたNPOライフリンクによると、ほとんどの学生は就活の相談相手に友人か家族を挙げ、大学の窓口を挙げた人は少なく、「就活ガイダンスなどのほとんどが成功モデルしか見せていないのが影響しているのでは」と分析する。成功者の話は、うまくいかずに悩んでいるときには支えにならず重圧にさえなる。調査スタッフの立教大生は「失敗例を知らないから、失敗に臆病になりすぎるのだと思う」と話す。この学生は、大学の就活ガイダンスで4年の夏以降まで就活が長引いた先輩2人から聞いた「キャリアセンターの助けで最後は内定をもらえた」という体験談が心の支えになり、センターの個人面談をたびたび利用したという。大学は「こうすればうまくいく」だけでなく「うまくいかなくても何とかなる」という情報も学生に届けてほしい。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
フジテレビ系列で昨夜始まった三浦春馬さん主演のドラマ「僕のいた時間」には、4年生の秋や冬になっても内定が出ない就活生たちが登場します。先に内定が出た友人との関係が微妙になったり、病院を経営する親から「誰も知らないような会社に入るくらいならうちで事務をやった方がまだ格好がつく」と言われたりする場面がありました。ふだん心の支えになるのは友人や親でしょうが、就活のときにはプレッシャーになったり、過剰な気遣いに疲れたりすることもあると思います。
就活がうまくいかないときには、相談相手を選びましょう。ますは、記事に登場する学生のように大学のキャリアセンター(就職課)を徹底的に利用しましょう。大学によって対応は違うでしょうが、多くは親身になって相談に乗り、ESや面接対策の面倒も見てくれると思います。景気が良くなっていますから、キャリアセンターに来る求人も増えているはずです。
昨年12月2日付の朝日新聞の社説では、なかなか内定がとれない学生に、国が設けている「ジョブサポーター」を利用することを勧めました。全国約60カ所の「新卒応援ハローワーク」を中心に、企業の人事部門経験者ら2300人が配置され、応募先選びから、履歴書の添削、面接対策まで無料でマンツーマン指導をしてくれます。地元の中堅・中小企業とのマッチングもしてくれます。昨年度は、大学生の新卒と既卒をあわせ約8万9000人が支援を受け、就職を決めました。社説では「たまっていたものをサポーターに全部はき出した。それをきかっけに、また前向きになれた」という体験談を紹介し、親でも教師でもない「ナナメの関係」にある大人と関わる大切さを説いています。
就活の「失敗」は終わりではありません。失敗しても次のチャンスがあります。そもそも就活には正解がないので、成功か失敗かは何年も経ってからでないとわからないのです。あなたを必要としている企業は必ずあります。諦めずに大人に相談すれば、きっと道は開けます。
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