2014年01月07日

株高・円安どうなる?就活生は見逃すな

テーマ:経済

ニュースのポイント

 「円安・株高」に沸いた昨年末とは一転し、今年の東京金融市場は「円高・株安」に振れてスタートしました。円相場と東京証券取引所(東証)の株価は日本の景気の善し悪しを表す指標であり、個々の企業の動向を知るための大切な材料でもあります。これまで自分には関係ないと思っていたあなた! これからは円相場や株価の動向にも注目してみましょう。

 今日取り上げるのは、1面の「東証、年初382円安」と経済面(9面)の「市場一店、荒れ模様/増税・米緩和縮小/株価を左右」です。
 記事の内容は――6日の東京金融市場は、記録的な円安・株高で取引を終えた昨年末の反動に加え、新興国の景気減速への懸念などから、円高・株安で幕を開けた。今後のカギを握るとみられているのが、4月の消費増税や米国の金融緩和縮小の行方。この二つのハードルを乗り越え、景気回復が本格化すると見れば、株高基調となりそうだ。証券業界には「年末には株価が2万円に達するかも」との強気の声もあるが、先行きは予断を許さない。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 そもそも株価とは何かについては、2013年6月13日の「株価の乱高下、どうして?」でも書いたので、記事一覧から見てみてください。代表的な株価指数が日経平均株価です。売り上げ増などである企業の業績が良くなると、企業の評価が高まり株価が上がります。多くの企業の株価が上がるということは、日本の経済が活発化して景気が上向いていることを示します。昨年はアベノミクス効果で年末の日経平均株価の終値が前年末より57%も上がり、1万6291円という6年ぶりの高値を記録しました。ちなみに日経平均株価がこれまででもっとも高かったのは、バブル経済最盛期の1989年末の3万8915円。その後の最安値はリーマン・ショック後の2009年3月に記録した7054円です。今は最安値の2倍を超えましたが、最高値と比べると半分にも満たない水準です。

 円相場は、外国為替市場での円と他国通貨との交換比率のことです。円の価値が高くなれば円高、低くなれば円安になり、米ドルとの比率で表すのが代表的です。世界の政治経済情勢など多様な要因で左右されますが、数年前までは円高基調で2011年10月に1ドル=75円台の戦後最高値を記録しました。円高になると日本国内でつくった製品は割高になるので輸出が減り、自動車などの製品輸出が柱である日本経済にとってはマイナス要因です。その後は米国の景気回復などでドル高・円安基調になり、さらにアベノミクスによる金融緩和で大量の円が市場に出ることで円の価値が下がり、年末には1ドル=105円という約5年3カ月ぶりの円安ドル高水準となりました。たとえば、日本で300万円する乗用車を1ドル=75円のときに輸出すると米国では4万ドルで売らないと元がとれませんが、円安で1ドル=105円になると約2万9000ドルで売ることができ、売れ行きが伸びるわけです。円安になると輸出企業の利益が増えて株高になる仕組みです。

 今後、基本的には昨年来の「円安・株高」が「円高・株安」に転ずるのかが注目ですが、9面に載っている専門家は「円安・株高」基調が続くという見方をしています。日々の株価や円相場について細かい数字まで知っている必要はありませんが、「いま日経平均株価は1万6000円前後で株高(あるいは株安)の傾向にある」「円相場は1ドル105円前後で、円安(あるいは円高)傾向だ」程度は押さえておく必要があります。大きく変動した日は大きな記事が載るので見出しをチェックし、それ以外の日も朝日新聞経済面に毎日載る「東京マーケット」欄に目を止めるようにしましょう。東証1部・2部、ジャスダックなどに上場している企業の株価は、朝日新聞の金融情報面に毎日載ります。株価は市場がその企業をどう見ているかの一つの指標ですから、志望企業の株価は毎日チェックしましょう。面接で、「今日のうちの会社の株価は?」と問う企業もあります。

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円安になると自動車の輸出が増える??

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