2024年09月19日

内定得ても年内は就活続ける 自分の好き、嫌いを具体的に考えることが大切【26卒学生の就活ルポ10】

テーマ:学生の就活ルポ

 2026年卒学生の就職活動を適宜、「就活ニュースペーパー」で紹介するこのコーナー。今回は、地方国立大工学部のシンヤさんと地方女子大のアスカさんが登場します。8月に志望度の高い企業も含めて内定を複数社からもらったものの、年内は引き続き就活を続けるというシンヤさん。就職活動で大切なことは、自分にとって大切な「コア」を見つけること。そのためには自分が一番好きなこと、一番嫌いなことを具体的に考えていくことが大切だと気づいたそうです。(編集部・福井洋平)
(写真はすべてiStock)

【地方国立大 工学部 3年男性 シンヤさん】

 8月に入り、志望していたベンチャー系企業2社から内々定のお誘いをいただきました。1社はすでにインターンシップを受けていて、8月に最終面談をしていただき、メールで内定の連絡をいただきました。インターンは事業立案をするというプログラムだったのですが、そのときに先方の社員としたやりとりが評価されたのかな、と思っています。もう1社からも会社幹部の方から入社後にまかせたい仕事がある、というお話をいただき、条件提示を受けました。仕事の裁量も大きく、ポータブルスキルを伸ばせそうな環境で、魅力を感じています。

 どちらの会社も志望度は高いのですが、就活生のうちはほかのいろいろな会社に出入りして偉い人に話を聞くこともできるので、私はもう少し就活を続けたいという話を両社にしています。年内には行く会社を絞ろうと考えています。

 もう1社、コンサル系企業からも内定をいただきました。ESを出してSPI、グループディスカッション、面接という一般的な流れでした。ただ、自分の就活軸と照らし合わせるとスタートアップの環境で仕事をしたい、と伝えてここは辞退しました。コンサルの仕事も面白そうなのですが、新卒で入るのではなく、自分が事業者として成功したうえでやるのが面白いと感じています。

■大切なのは「コア」を見つけること
 就職活動を続けてきて、大切なことは自分が何をやりたいのか、何に心を動かされるのかという自分にとっての「コア」を見つけることだと感じています。企業説明会やインターンシップでは、会社がアピールしたい部分しかなかなか見えてきません。自分のコアが明確だったら、企業選びにも迷いがなくなります。

 コアを見極めるためには、自分が一番好きなことは何か、一番嫌いなことは何かについてすごく具体的に考え、自分はどういう感情になったときに一番喜びを覚えるのかを自覚することが大事だと思います。自分もこれまでやってきた部活やアルバイト、学業、趣味などを振り返り、大学院に進んだりして専門性を高めていくよりも、幅広くいろいろなことを俯瞰して指示できるポジションにつきたいという志向を固めていきました。だから、大手企業ではなくまだ仕組みの整っていない、自分に与えられる裁量が大きいベンチャー企業で働きたいといまは考えています。

 今後は内定をいただいた企業や、ほかに志望しているベンチャー企業のインターンシップに参加し、入社先を最終的に判断していきたいと思っています。

【地方女子大 デザイン系学部 アスカさん】

■合同説明会、企業の真剣アピール見られて楽しい
 デザインを仕事にしたくて、家庭用品の大手企業に進みたいと考えていました。ただ、大学で所属しているゼミの教授に相談したところ、もっと企業や職種の幅を広げて選ぶようにと指導されました。たとえば、BtoBの機械メーカーだと機械をデザインする仕事があるので狙い目というアドバイスをいただき、いまいくつかメーカーのインターンにエントリーしています。ポートフォリオをまとめられるサービスもあり、自分はまだそこに出せる作品は作れていないですが登録はしました。

 就活ナビが開催している合同企業説明会にも参加してみました。大手玩具メーカーの説明会に参加したのですが、つくっているものが面白そうだし、子どもだけでなく幅広い層に顧客を広げようとしている戦略も今後の成長が見込めそうで興味深い会社でした。今後人口が減っていく日本では、いいものをなるべく安く売るというスタンスの企業は早晩頭打ちになると思っていて、自分はもっと高くてもものを大切に作って売る企業に進みたい、そういう観点でも、今回見たメーカーは面白い存在だと感じます。

 ほかにも電子機器を作っているメーカーなど、これまで考えたこともないような企業のお話も聞けて、楽しいイベントでした。金融系の企業も行きましたが、ちょっと自分には合わないとも感じました。私はまだ就活に切羽つまっているわけではないので、いろいろな企業が真剣に自分の会社をアピールする場を見られるのはとても面白い。合同企業説明会はすごく刺激になる、いいイベントだと思います。「大人って、楽しいよ」と言い切れる人がいる組織、企業は直感的にいい企業だと感じますね

■業界や業種は絞らず幅広く受けたい
 自分はアイデアを出す側の仕事につきたいんです。ラフスケッチを出す段階までが自分のやりたい仕事で、具体的に細かい設計を進めてものをつくりだすというのは自分には向いていないと考えています。そのポジションにつくことができるのであれば、つくりだすものは機械でも、サービスでも構わないと思っています。一方で自分は仕事で人とかかわれないとおもしろがれないので、人とかかわれる仕事を選びたいとも思っています。デザイン的発想はどの業界でも求められていると思うので、たとえばマーケティングなど、職種も業界も絞らず幅広く志望先を探したいと考えています。

 先日は学外のイベントで大手メーカーの研究者の方にお話を伺う機会がありました。その方は大学時代はいまの仕事と関係ない専攻だったそうで、大学時代の専攻にこだわらずやる気さえあれば企業に入って研究を続けることができる、と知ることができました。

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