2024年09月24日

深刻化する中東情勢 日本、世界への影響注視【週間ニュースまとめ9月17日~23日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 中東情勢が一段と深刻になってきました。イスラエルの隣国レバノンで17日にポケットベル型の通信機器が、18日にはトランシーバー型の通信機器が一斉に爆発しました。イスラム教シーア派組織のヒズボラのメンバーらが持っていた通信機器で、レバノンでは周辺にいた人も含め数千人の死傷者が出ているようです。ヒズボラが機器を購入して受け取る前に、イスラエル側が何らかの方法で機器に爆薬を入れ、それを遠隔操作で爆破したとみられています。スパイ映画でもみたことがないような驚くべき攻撃方法です。

 イスラエルはさらに、レバノンへの空爆も強化しています。イスラエルがガザ地区を攻撃しつくし、今度は北方の宿敵であるヒズボラを標的にしはじめたと受け止められています。ヒズボラの背後には、同じくシーア派を国教とするイランがいるとみられています。日本は中東の石油や液化天然ガスを大量に輸入しており、中東情勢の行方次第では、日本経済に大きな影響が出る可能性があります。もちろん世界経済への影響もあります。国際社会は力を合わせて、中東に平和を取り戻す懸命の努力をしなければなりません。(ジャーナリスト・一色清)
(図表は朝日新聞社)

【国際】ポケベル爆発、翌日もレバノン各地で機器爆発 12人死亡、多数負傷(9/17.Tue)

 中東レバノンで17日、イスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーらが携帯するポケットベル型の通信機器が相次いで爆発した。レバノン保健省によると、12人が死亡し、約2800人が負傷した。ヒズボラは「(隣国の)イスラエルに全責任がある」と断定し、報復を宣言。18日にもレバノン各地で同様の爆発が起きており、中東の緊張がさらに激化する可能性がある。イスラエルは爆発への関与について沈黙しているが、米CNNはイスラエルの対外諜報(ちょうほう)機関モサドとイスラエル軍による共同作戦だったとしている。

【経済】米FRB、0.5%の大幅利下げ インフレ退治から雇用重視に(9/18.Wed)

 米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は18日(日本時間19日未明)、政策金利を0.50%幅引き下げ、年4.75~5.00%にすると決めた。通常の2倍にあたる大幅な利下げに踏み切り、インフレ抑制から雇用の下支えへと政策の重心を移す。利下げはコロナ禍初期の2020年3月以来、4年半ぶりで、今回のインフレ(物価高)局面で初めて。17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決めた。パウエル議長は大幅な利下げで「経済と労働市場の強さを維持できる」と述べた。

【国際】深圳日本人学校の10歳男児刺され死亡 中国当局、44歳の男を拘束(9/19.Thu)

 中国南部・広東省深圳市の深圳日本人学校に通う10歳の男児が襲われた事件で、在広州日本総領事館は19日朝、男児が死亡したと明らかにした。男児は18日朝、親と一緒に徒歩で登校中、学校付近で刃物を持った男に刺され、搬送先の病院で治療を受けていた。中国では6月にも江蘇省蘇州市で日本人学校の送迎バスが刃物を持った男に襲われた事件が起きている。日本側が安全対策を求める中で再び深刻な事件が起きたことから、日中関係への負の影響が懸念されている。

【社会】能登被災地で大雨、1人死亡3人不明 復旧作業員ら7人安否不明(9/21.Sat)

 能登半島地震で大きな被害を受けた石川県能登北部に21日、記録的な大雨が降り、河川の氾濫(はんらん)や土砂崩れが相次いだ。県などによると、死者は珠洲市で1人、行方不明者は輪島市、珠洲市、能登町で計3人、重傷者は能登町で2人にのぼっている。行方不明者3人はいずれも川に流されたという。また、輪島消防署によると、輪島市久手川(ふてがわ)町で住宅4棟が川に流され、住民4人の安否が分からない状態という。

【政治】立憲新代表に野田元首相、決選投票で枝野氏を上回る 政権交代を強調(9/23.Mon)

 立憲民主党は23日午後、東京都内のホテルで臨時党大会を開き、野田佳彦元首相(67)を新代表に選んだ。次期衆院選での政権交代を前面に掲げ、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)との代表選を制した。任期は3年。野田氏は、新代表への選出を前に行った決意表明の演説で、「格差が広がり、中間層からこぼれる人が出ていた。格差を是正し、分厚い中間層を復活するため、政権交代を実現しよう」と強調。「金権政治を終わらせ、世襲を制限する政権交代こそが最大の政治改革だ」とも呼びかけた。

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