就活をしていると、内定ほしさについ会社側の人に下手に出てしまい、ハラスメントをスルーしてしまうことも考えられます。本来、仕事を探す側と仕事をしてもらう人を探す側は対等の関係です。ハラスメントにあわないよう自衛する、ハラスメントにあったら大学のキャリアセンターに相談するなど、「ハラスメントは許さない」という気持ちを強くもって就活に臨んでください。(編集部・福井洋平)
(写真はすべてPIXTA)
就活セクハラについては、2019年にも就活ニュースペーパーで取り上げています(「就活セクハラ」こう防げ!通報に対応しない会社は行く価値なし【イチ押しニュース】)。コロナ禍が過ぎ、OB・OG訪問やインターンシップが対面で行われる機会が増えてきました。改めて就活生のみなさんは、就活セクハラに対してしっかり認識をして、ハラスメントは許さないという強い気持ちを持ってほしいと思います。
厚生労働省は2023年12月~2024年1月にかけ、民間企業に委託して「職場のハラスメントに関する実態調査」(リンク先はこちら)を実施。そのなかで2020~22年度に大学などを卒業し、就職活動やインターンシップ(就業体験)を経験した1千人を対象にした調査も行いました。
インターンシップでセクハラ被害に遭ったと答えたのは30%で、内容は「性的な冗談やからかい」(38%)が最多で、「食事やデートへの執拗な誘い」(35%)、「不必要な身体への接触」(27%)と続いています。インターンシップ以外の就活中の被害は32%で、場面別では「リクルーターと会った時」(33%)、「SNSや就活マッチングアプリを通じて従業員とやりとりした時」(24%)が目立っています。インターンシップ以外でセクハラをしたのは「大学の OB・OG 訪問を通して知り合った従業員」(38.3%)、「学校・研究室等へ訪問した従業員、リクルーター」(37.0%)の順に多くいました。
就活を利用し、社会人が性的問題を起こす事件もこれまで繰り返し起こっています。
・大手メガバンクの行員が、リクルーターを装って女子学生3人に性的暴行などをくわえたとして逮捕、実刑判決を受ける(2007年)
・大手通信社の人事部長が、就活中の女子学生に不適切な行為をしたとして懲戒解雇処分となる(2013年)
・大手総合商社の社員がOB訪問で会った女子学生を居酒屋で泥酔させ、宿泊先のホテルに侵入して性的暴行を加えたとして、準強制性交、窃盗などの疑いで逮捕(逮捕時には懲戒解雇されていたため「元社員」)(2019年)
・大手私鉄の採用担当者が、就活中の女子学生に不適切な行為をしたとして処分される。週刊誌報道では、「エントリーシートの添削をしてあげる」と学生を誘って面会し、ホテルで肉体関係を迫ったといい、担当者は報道内容を認めたという(2021年)
誰もが知っている大手企業でも、残念ながらこのような不祥事が起きています。私たちをはじめ、多くの社会人は未来のある就活生の助けになりたいと行動しています。そういった信頼関係を崩すようなこういった不祥事については怒りしかなく、報道を見るたびに同じ社会人として申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
2025/02/14 更新
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
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