2024年07月25日

気をつけよう、就活セクハラ インターンシップ中「3割セクハラ被害」【就活イチ押しニュース】

テーマ:就活

 夏本番。就活に向けてインターンシップの予定を入れている方や、OB・OG訪問を考えている方も多いと思います。そういったなかで気をつけたいのが「就活セクハラ」です。厚生労働省の調査では、インターンシップ中に30%、インターンシップ以外のときに32%の学生がセクハラ被害にあっていました。女性だけでなく、男性も被害にあっています。

 就活をしていると、内定ほしさについ会社側の人に下手に出てしまい、ハラスメントをスルーしてしまうことも考えられます。本来、仕事を探す側と仕事をしてもらう人を探す側は対等の関係です。ハラスメントにあわないよう自衛する、ハラスメントにあったら大学のキャリアセンターに相談するなど、「ハラスメントは許さない」という気持ちを強くもって就活に臨んでください。(編集部・福井洋平)
(写真はすべてPIXTA)

就活セクハラ被害30%、性的な冗談やからかいが最多

 就活セクハラについては、2019年にも就活ニュースペーパーで取り上げています(「就活セクハラ」こう防げ!通報に対応しない会社は行く価値なし【イチ押しニュース】)。コロナ禍が過ぎ、OB・OG訪問やインターンシップが対面で行われる機会が増えてきました。改めて就活生のみなさんは、就活セクハラに対してしっかり認識をして、ハラスメントは許さないという強い気持ちを持ってほしいと思います。

 厚生労働省は2023年12月~2024年1月にかけ、民間企業に委託して「職場のハラスメントに関する実態調査」(リンク先はこちら)を実施。そのなかで2020~22年度に大学などを卒業し、就職活動やインターンシップ(就業体験)を経験した1千人を対象にした調査も行いました。

 インターンシップでセクハラ被害に遭ったと答えたのは30%で、内容は「性的な冗談やからかい」(38%)が最多で、「食事やデートへの執拗な誘い」(35%)、「不必要な身体への接触」(27%)と続いています。インターンシップ以外の就活中の被害は32%で、場面別では「リクルーターと会った時」(33%)、「SNSや就活マッチングアプリを通じて従業員とやりとりした時」(24%)が目立っています。インターンシップ以外でセクハラをしたのは「大学の OB・OG 訪問を通して知り合った従業員」(38.3%)、「学校・研究室等へ訪問した従業員、リクルーター」(37.0%)の順に多くいました。

オンライン面接中に「全身を見せて」も

 セクハラをしてきた企業・団体の規模をみると、インターンシップ中、インターンシップ以外の就活中ともに、「99 人以下」(それぞれ、37.7%、35.3%)の企業の割合が最も高かったです。一方、セクハラを「何度も繰り返し受けた」という回答割合は、インターンシップ中、インターンシップ以外ともに、1000人以上の企業が最も高いという結果が出ました(それぞれ、26.9%、28.6%)。就活セクハラの危険性は、企業規模を問わずあると考えてよさそうです。

 厚生労働省では就活セクハラの例として、下記をあげています。

・恋人がいるのか、と聞かれた
・オンライン面接時に「全身を見せて」と言われた
・インターンシップやOB訪問などで食事やデートにしつこく誘われた
・採用の見返りに不適切な関係を迫られ、断ると不採用になった

誰もが知る大企業でも不祥事が起きている

 就活を利用し、社会人が性的問題を起こす事件もこれまで繰り返し起こっています。

・大手メガバンクの行員が、リクルーターを装って女子学生3人に性的暴行などをくわえたとして逮捕、実刑判決を受ける(2007年)
・大手通信社の人事部長が、就活中の女子学生に不適切な行為をしたとして懲戒解雇処分となる(2013年)
・大手総合商社の社員がOB訪問で会った女子学生を居酒屋で泥酔させ、宿泊先のホテルに侵入して性的暴行を加えたとして、準強制性交、窃盗などの疑いで逮捕(逮捕時には懲戒解雇されていたため「元社員」)(2019年)
・大手私鉄の採用担当者が、就活中の女子学生に不適切な行為をしたとして処分される。週刊誌報道では、「エントリーシートの添削をしてあげる」と学生を誘って面会し、ホテルで肉体関係を迫ったといい、担当者は報道内容を認めたという(2021年)

 誰もが知っている大手企業でも、残念ながらこのような不祥事が起きています。私たちをはじめ、多くの社会人は未来のある就活生の助けになりたいと行動しています。そういった信頼関係を崩すようなこういった不祥事については怒りしかなく、報道を見るたびに同じ社会人として申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

セクハラ疑い事案あったらキャリアセンターなどに通報を

 2021年の朝日新聞記事では、大学生がハラスメント専門家の方の協力のもと、就活セクハラ防止を呼びかける動画を作成したことが紹介されています。この動画ではOB・OGやリクルーター、採用担当者が食事や飲酒を求めてくるケースについても採り上げています。こうした食事が就活セクハラなのかどうかを見極めるポイントとして

・他の学生も交えた複数人で行われるのか
・複数人でも女性だけ集められているのか
・人事担当者は複数人で来るのか
・公式な選考フローに則った食事会なのか

 をあげています。

 就活生の立場では、強く誘われると断りにくいということもあるでしょう。動画ではたとえばメールでの誘いには「気になることは面接で質問します」と回答したり、しつこく誘われたときには「学校の規定で禁止されています」と答えたり、といった例を示しています。会うときは昼間、お茶だけにし、時間は2時間以内にして後ろの予定をウソでもいいので相手に伝え、次の予定を入れられないようにする、といった対応策も提示されています。お酒が入らないと進められないような選考は、そもそも存在しません。

 面接の場やOB・OG訪問でセクハラと思われる行為や発言を受けた場合は、ぜひ一人で抱え込まず、大学のキャリアセンターや、厚生労働省が開設している「ハラスメント悩み相談室」(メール、SNSで相談可)に連絡をしましょう。あこがれの企業だからことを荒立てたくない……ということもあるかもしれませんが、もしその企業が就活ハラスメントに対応できないような企業であれば、入社しない方がよいでしょう。

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