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売り手市場で「オヤカク」企業増加
「オヤカク」という言葉は、2016年に就活ニュースペーパー(「オヤカク」流行!? 親に頼りつつ自分で決断を!)で取り上げていました。その後、コロナ禍を経てオヤオリ、オヤカクを行う企業はさらに増えているようです。
企業がオヤオリ、オヤカクをする理由は人材確保です。ソフトウェア販売などを行うIT企業アシストは2023年12月にはじめて保護者同伴の内定者向け会社説明会を行いましたが、そのきっかけは2年前に内定者の1人が親の反対で内定を辞退し、大手インフラ企業を選んだことだったそうです。いまは学生有利の売り手市場で、どの企業も学生の確保に必死です。とりわけ大企業にくらべて知名度の低い新興の企業や中小企業は、親の反対にあう可能性も高くなるわけで、そのリスクを減らしたいと考えるのは当然です。マイナビの2022年調査では、「オヤカク」を受けた保護者は49.9%で、2018年調査の17.7%から大きく増えています。自分の志望する企業がオヤオリ、オヤカクをする可能性もあるということは頭に入れておきましょう。
進路を決めるのはあくまで自分
さて、そもそも自分が行きたい企業を選ぶ際に、親や保護者の意見は聞くべきなのでしょうか。
まず前提として、親がもっている情報は基本的に古いものが多いです。親自身が就職活動をしていたのはいまから20年から30年以上前のことで、オンライン就活やインターンシップ選考といった最近の就活トレンドまでおさえている親は少ないでしょう。また、親が就活をしていた時代の人気企業が、いまも人気とは限りません。学情が毎年行っている就活人気企業ランキングで、2001年卒対象のランキングトップ10は下記のとおりです。
1 ソニー
2 サントリー
3 NEC(日本電気)
4 アサヒビール
5 NTT
6 キリンビール
7 富士通
8 NTTデータ
9 積水ハウス
10 森永乳業
このうち、最新の2025年卒対象のランキングでトップ10に入った企業はゼロで、一番ランキングが高いソニー(現在はソニーグループ)が16位、次いでサントリー(現在はサントリーグループ)が36位となっています。NECや富士通など、かつて日本の経済成長を支えた大手家電メーカーは大きく順位を落としています。
親=「社会人としての先輩」として意見を聞く
一方で、親の意見をまったく無視するのも得策ではありません。
親は、社会人としては先輩にあたります。就いている仕事にもよりますが、内定にいたるまでの企業とのやりとりや情報を見て「ここの会社はおかしい……」と社会人としての経験から感じることも、十分ありえます。自分のなかで企業に関して違和感や不安がある場合は、親に相談をしてみることも選択肢のひとつです。そういう意味で、「オヤオリ」「オヤカク」で社会人経験のある親に対してもちゃんと自社についての説明を尽くそうとする企業は、ある程度は信用できるともいえます。
親とのコミュニケーションは就活スキルを上げる
就職活動で求められるスキルはさまざまですが、ベースになるのは「社会人とちゃんと話せて、コミュニケーションがとれること」です。その第一歩として、まず親とのコミュニケーションをきちんととることは大切です。
社会で求められるコミュニケーションとは単に話を盛り上げるということではなく、「相手の主張を聞き取り、こちらの言うべきことをちゃんと相手に伝える」ことです。就職活動に関する自分の考えをきちんと親に伝え、親の意見を取り入れる機会をつくることは、就活を進めていくうえでコミュニケーションスキルをあげるトレーニングにもなると思います。
もちろん親子の関係はさまざまですから、必ずこうすることが正解ということではありません。繰り返しになりますが、就活に関しては自分の判断が最優先です。親の反対を押し切るにしても、反対を受け入れるにしても、最後は自分で納得して進路を決めてほしいと願っています。
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