2024年02月19日

デフレ脱却につながる賃上げ実現するか 春闘に注目を【週間ニュースまとめ2月13日~18日】

テーマ:週間ニュースまとめ

  日本経済はいま、長く続いてきたデフレから脱却できるかどうかの正念場を迎えています。デフレは物価が上がらない状況のことですが、最近の物価はコロナ禍から抜け出たことや円安により上がってきています。ただ、賃金が上がっていないため、物価に比べた賃金(実質賃金)は落ちている状態です。実質賃金が上がらなければ、経済の縮小傾向は変わらず、デフレから抜け出したとは言えません。だから肝心なのは、今春闘での賃上げです。

 多くの会社では、2月から3月にかけて会社と労働組合が交渉して、4月からの賃金水準を決めます。今春闘では、多くの労働組合が物価上昇率を上回る賃上げを求めています。それが実現すれば、経済活動が盛んになる好循環が生まれ、デフレからの脱却となるはずです。会社側が思い切った賃上げの決断をすることができるかどうか。今回はとても重要な春闘なので、注目してください。 (ジャーナリスト・一色清)

(写真・「物価上昇を上回る賃上げを」と訴えた連合三重の会長(マイクを持っている男性)=2024年1月29日/朝日新聞社)

【労働】春闘本格化、自動車大手の労組が要求書提出 高水準の賃上げ相次ぐ(2/14.Wed)

 今年の春闘は14日、自動車大手の労働組合による一斉要求日を迎えた。高い物価上昇を背景に、基本給を底上げするベースアップ(ベア)は歴史的な要求水準となっており、労使交渉が本格化していく。ホンダの労組は、ベア相当額で月1万3500円を要求した。平均賃金の3%超にあたり、1993年以来31年ぶりの高水準だ。トヨタ自動車の労組は、昨年に続きベアを求めた。金額は示さないものの、比較可能な99年以降で最高と説明。職種や階級別に17種類の要求額を示し、ベアと定昇をあわせた最大で月2万8440円の賃上げを求めた。日産自動車の労組は、現在の賃金体系になった2005年以降で最高となる月1万8千円の賃上げを要求した。

【経済】楽天グループ、最終赤字3394億円 携帯事業の不振が足引っ張る(2/14.Wed)

 楽天グループが14日発表した2023年12月期決算(国際会計基準)は、純損失が3394億円で、5年連続の赤字となった。2022年12月期の3772億円より赤字幅は縮小したが、不振の携帯電話事業がグループ全体の足を引っ張る状況が続いている。売上高は前年比7.8%増の2兆713億円だった。祖業の「楽天市場」などのインターネット事業や楽天銀行などの金融事業は好調を維持した。一方、携帯事業の営業損益は3375億円の赤字だった。契約件数の増加などで前年の4792億円の赤字からは縮小したものの、1兆円超を投じた基地局などへの先行投資が重荷になる構図は変わっていない。

【政治】名目GDPは591兆円で世界4位に 実質は2期連続のマイナス成長(2/15.Thu)

 2023年の国内総生産(GDP)は、物価の影響をふくめた名目GDPが前年より5.7%増え、591.4兆円だった。米ドルに換算すると1.1%減の4.2兆ドルで、ドイツ(4.4兆ドル)に抜かれて世界4位に転落した。1968年に西ドイツ(当時)を追い越して以来、55年ぶりに日独が逆転した。内閣府が15日発表した。コロナ禍からの回復で消費や輸出が伸び、物価高もあって日本の名目GDPは過去最高になった。名目GDPでドイツに抜かれたのは、円安の効果が大きい。

【国際】ナワリヌイ氏が獄中で死亡、ロシア反政権派リーダー 「死因調査中」(2/16.Fri)

 ロシア当局は16日、ロシアの反政権派指導者で刑務所に収監されていたアレクセイ・ナワリヌイ氏(47)が同日に死亡したと発表した。ナワリヌイ氏はプーチン政権批判で頭角を現したが、2020年に毒殺未遂事件で一時意識不明に。その後、ドイツで治療を受け帰国した際に拘束され、刑務所に収監されていた。当局は発表で、「散歩後に気分が悪くなり、意識を失った。必要な措置は施したが、救急医が死亡を確認した。死因は調査中だ」としている。ロシア国営テレビは情報元を示さず「血栓が原因だ」と伝えた。

【科学】責任者の評価は「100点満点」 H3ロケット2号機、打ち上げ成功(2/17.Sat)

 新型ロケット「H3」2号機が17日午前9時22分55秒ごろ、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられた。記者会見した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史プロジェクトマネージャは「ようやくH3がおぎゃーと産声をあげることができた」と笑顔を見せた。今回の打ち上げについて、「100点満点」で「成功です」。昨年の失敗のリベンジを果たし、胸をなで下ろした。H3は基幹ロケット「H2A」の後継。JAXAと三菱重工業が共同で開発してきた。世界で拡大する衛星打ち上げ需要をねらい、高性能かつ低コスト化をめざして開発してきた。打ち上げ費用をH2Aの半額の50億円に抑える目標を掲げる。

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