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育休取得、女性82%、男性13%
しかし、育休取得率には男女で大きな開きがあるのが実態です。2020年度は女性の82%に対し、男性はわずか13%。そこで改正法では、男女にかかわらず自身や配偶者の出産や妊娠を届け出た社員に対し、企業が制度を個別に説明して取得の意向を確認することを義務化。働きかけを怠った企業は社名が公表されることもあります。従業員1000人超の企業は2023年4月から男性の育休取得率の公表も義務づけられます。今年10月からは、母体にダメージが残る出産直後の時期に父母がそろって育児と向き合えるよう「男性産休」も加わり、生後8週間以内に最大4週間まで父親が育児休業を取れます。妻の出産時と退院後に分けて休めるよう、分割して2回まで可能です。従来の育児休業も10月からは2回に分割でき、父親は男性産休と合わせれば最大4回まで分けて休めるようになります。
上司の声がけで100%に
小売り大手の丸井グループでは、子が生まれる男性社員に対する上司の声かけが徹底されています。2020年度は対象の男性45人全員が育休を取り、男性の育休取得率は3年連続で100%でした。男性も育児を担う企業文化を目指して取り組みを始めたのは2014年ごろ。当初14%だった取得率は翌年には5割超に。人事担当者は「男性も育休を取るのが当たり前という雰囲気が浸透している」と話します。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの2018年度の調査では、育休を取らなかった男性の2割強が「取得しづらい雰囲気」を理由に挙げました。今回の法改正はこの雰囲気を変える狙いがあります。
社員と上司に社長名の手紙
●積水ハウス スウェーデンに出張した仲井嘉浩社長が公園でベビーカーを押しているのがほぼ男性だった光景を見て「日本は遅れている」と感じ、2018年に独自の育休支援制度スタート。3歳未満の子どもがいる男性社員に1カ月以上の育休取得を促す制度で、2022年2月末までに対象1239人の全員が取得した。
●江崎グリコ 2020年春から国の育休制度とは別に、男女とも子どもが産まれた全社員に1カ月間の育休取得を義務づけた。2019年度に育休取得を男性に促し取得率は4%から38%に急増したが、5日程度と短い人も多く義務化に踏み込んだ。
●損害保険ジャパン 男性の育休取得率は2020年度で93.9%。対象の社員と上司に育休を取るよう促すメールを送った。ただ、平均の取得日数が3.1日間と短いのが課題。
●清水建設 子が生まれた社員とその上司へ、社長名で手紙を送るようになったのは2020年3月。さらに、今年10月に始まる「男性産休」の仕組みを1年先取りして導入。2020年度の男性育休の取得率は18%だったが、2021年度は「男性産休」も合わせると4割超の見込み。
(写真は、育休中の積水ハウス社員・常松幸司さん=2020年4月、埼玉県、本人提供)
金融は高取得率だが日数短め、製造業は率低いが長め
NTTは取得率が80%と高く、取得日数も51日でした。取った社員を対象にキャリア形成のための研修をしているほか、取得社員の体験談を社内で紹介しています。取得率の高さが際立つのは金融業で、ほとんどが90%以上でしたが、取得日数は10日に届かない企業が多くありました。日本生命保険は2020年度まで8年連続で取得率100%ですが、取得日数は8日。みずほフィナンシャルグループは取得率98%で6日、SOMPOホールディングスは94%で3日でした。日本生命の朝日智司専務は「育休を取りやすい風土をつくるために、まずは1週間からでも取得を勧めている」と話しています。一方、取得日数が長めだったのが製造業。30日以上だった30社の半分以上を製造業が占めました。ただ取得率は低めで、数%~10%台が目立ちました。
「男性育休100%宣言」
働き方改革のコンサルを手がけるワーク・ライフバランス(小室淑恵社長)の「男性育休100%宣言」のホームページには、賛同する企業や組織のロゴマークに加え、トップの顔写真がずらりと並びます。宣言をした130を超す社・団体は、IT大手から建設会社、銀行、自治体と様々。それぞれのトップが意気込みを書いています。こちらも参考にしてください。
●「男性育休100%宣言」はこちら
(写真は、「男性育休100%宣言」をした企業トップら=ワーク・ライフバランス提供)
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