2022年03月28日

東芝2分割案否決で考える…会社は誰のもの?資本主義って?【週間ニュースまとめ3月22日~27日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 東芝の混迷が深まっています。東芝をデバイス事業とインフラ事業などに2分割する計画を経営陣が立てましたが、臨時株主総会で否決されました。大株主の一部の投資ファンドは東芝の非上場化を求めていて、2分割計画に反対でした。日本を代表する企業だった東芝は2015年に発覚した不正会計問題以来、債務超過に陥って事業を売却したり、株主総会の運営が不公正だとされたり、経営陣が交代を繰り返したり、ゴタゴタが続いています。今回の否決で、東芝再建の先行きはさらに不透明になっています。この混迷を通じて、考えさせられるのは、会社はだれのものか、ということです。「むきだしの資本主義」では、「会社は株主のもの」というのが答えになります。東芝の場合だと、投資ファンドなどの株主のものです。だから過半数の株主の意見に経営陣は従わないといけません。ただ、投資ファンドなどの意見が会社をよくすることにつながるかどうかはわかりません。投資ファンドが求めるのは短期的な株価の上昇で、長期的にみて会社がよくなることや従業員が幸せになることなどは二の次だと思われます。岸田文雄政権はこうした「むきだしの資本主義」を「行き過ぎた株主至上主義」だとして、「新しい資本主義」を考えようとしています。株主だけでなく、従業員、顧客、社会などへの還元も必要だという考え方です。日本の企業のほとんどは株式会社なので、企業に就職するということは資本主義社会の一員になるということです。就活生のみなさんは、資本主義について考えてみたことはありますか。(ジャーナリスト・一色清)

【国際】侵略者に強いメッセージを ゼレンスキー氏、国会演説(3/23.Wed)

 ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が23日、リモートで国会演説し、「日本がすぐに援助の手を差しのべてくれた。心から感謝している」と述べた。「侵略者に対する強いメッセージが必要だ」と強調し、日本政府に国連改革やロシアとの貿易禁止を求めた。ゼレンスキー氏の演説は、オンライン会議システムで国会内の会議室とウクライナをつないで実施され、在日ウクライナ大使館の職員が同時通訳した。岸田文雄首相や衆参両院議長ら515人が出席した。演説は約12分間で、冒頭に日本政府の対応に謝意を示した。チェルノブイリ原子力発電所などへのロシア軍の攻撃に言及し、「核物質の処理場をロシアが戦場に変えた」と強く批判した。また、国連安全保障理事会で常任理事国であるロシアが拒否権を行使している状況も踏まえ、国際機関や国連安保理が「機能しなかった」とし、国連改革の必要性を訴えた。「ロシアに対する圧力をかけることによって平和を戻すことができる」とも話し、日本政府のロシアに対する経済制裁を継続するよう要請するとともに、ロシア市場からの日本企業撤退やロシアとの貿易取引の禁止を要望した。ウクライナ復興への協力も求めた。

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【経済】続く円安、6年3カ月ぶり122円台 米国利上げで金利差拡大の見方(3/24.Thu)

 24日のニューヨーク外国為替市場円安が進み、円相場が一時、2015年12月以来、約6年3カ月ぶりに1ドル=122円台をつけた。米国の長期金利が上昇しており、日米の金利差が拡大するとの見方から金利の高いドルを買い、円を売る動きが広がった。激しい物価上昇を抑えるため、米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月に利上げを始めた。利上げは今後も続く見込みで、米国の金利は上昇傾向にある。一方で、日本銀行は大規模な金融緩和を続け、日本の金利は低く抑えられている。金融政策の違いから、ドルを買い、円を売る動きが続いている。対ドル円相場は3月に入り7円以上、円安に傾いている。

【国際】北朝鮮のミサイル、新型「火星17」の可能性も 米国全土が射程圏内(3/24.Thu)

 北朝鮮が24日午後2時34分ごろ、平壌郊外の順安付近から日本海に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を発射したと、韓国軍合同参謀本部が発表した。最高高度は6200キロ以上、飛距離は約1080キロとされ、2017年のICBM発射時より高度、飛距離ともに上回っている。日本の防衛省は「新型のICBM級弾道ミサイルと考えられる」と発表。発射から約71分後に、北海道渡島(おしま)半島から西約150キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定されるという。飛行時間は過去最長だという。北朝鮮のミサイルがEEZ内に落下するのは2021年9月15日以来。航空機や船舶などの被害は確認されていない。主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)出席のためブリュッセルを訪問中の岸田文雄首相は、記者団に「許せない暴挙で断固として非難する」と述べた。

【経済】東芝の会社2分割案、臨時株主総会で否決 計画は大幅見直しか(3/24.Thu)

 東芝が24日に東京都内で開いた臨時株主総会で、経営側が提案した、会社を2分割する計画が否決された。「物言う株主」とされる投資ファンドなど、過半数の株主が計画に反対した。この決議に法的拘束力はないが、分割に反対する株主側の勢いが強まることは必至。計画は大幅に見直される可能性が出てきた。今回の臨時総会をめぐっては、2分割計画を進めたい経営側と、東芝をいったん非上場化して経営再建するよう求める大株主が対立していた。筆頭株主の投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」など複数の大株主が会社分割への反対を表明していた。

【社会】北海道警のヤジ排除「表現の自由侵害」 道に賠償命令 札幌地裁(3/25.Fri)

 2019年の参院選で、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に違法に排除され、憲法が保障する表現の自由を侵害されたとして、道に慰謝料など計660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、札幌地裁であった。広瀬孝裁判長は「2人の表現の自由などが違法に侵害された」と述べ、道に計88万円の支払いを命じた。判決によると、2019年7月15日、原告男性(34)はJR札幌駅前などで応援演説をしていた安倍氏に「安倍やめろ」とヤジを飛ばし、警察官らに排除された。「増税反対」と叫んだ女性(26)も移動させられた上、警察官らに長時間つきまとわれた。判決は現実的な危険があったかどうかを検討した。市民が撮影した動画などをもとに、怒号が上がるなど騒然とした状態にはなっておらず、警察官職務執行法の適用要件を満たしていないと判断。警察官らの行為を「違法なもの」とした。その上で、判決は表現の自由について「民主主義社会を基礎づける重要な権利であり、公共的・政治的表現の自由は、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだ」と指摘。原告らのヤジは公共的・政治的表現行為だと認めた。

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