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2022年03月02日

国際

ウクライナ侵攻反対!あなたにできること 「自分事」にする方法は?【時事まとめ】

世界中から非難の嵐

 ロシアによるウクライナ侵攻に世界中の目が注がれています。軍事大国ロシアが、自分の意に沿わないからと隣国に武力で攻め込み、今の政権を打倒して意のままになる傀儡(かいらい)政権をつくろうという意図がはっきりしました。子どもを含む民間人にも多くの犠牲が出ています。ヨーロッパではナチスドイツによるポーランド侵攻で始まった第2次世界大戦以来の大規模な侵略戦争であり、戦後築かれてきた国際秩序を揺るがす明確な国際法違反の蛮行です。世界中から非難が浴びせられ、強力な対ロ経済制裁が始まりましたが、ロシアのプーチン大統領は侵攻を正当化し、核兵器の存在までちらつかせながら強硬な姿勢を崩していません。「第3次世界大戦」という恐ろしい言葉までささやかれる事態です。日本にとってもひとごとではありません。みなさんも、この惨劇をぜひ「自分事(じぶんごと)」として捉えてみてください。戦争をやめさせるために、ウクライナの人々の力になるために何かできることはないのか。就活でも、様々な出来事を「自分事」にできるかが問われます。遠い国の出来事をどうしたら自分事として考えられるのか、いったい何ができるのか、一緒に考えてみましょう。そのヒントをいくつかお届けします。(編集長・木之本敬介)

(写真は、ウクライナ国旗の色である青と黄色でライトアップされた東京都庁。都もウクライナの人々に思いを寄せ、連帯を示したいとの趣旨で始めた=2022年2月28日、本社ヘリから)

日本人70人が外国人部隊に志願

 岸田文雄首相は2月28日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話協議で「我が国は主権と領土、そして祖国と家族を守ろうと懸命に行動するウクライナの国民と共に在ります」と伝えました。多くの日本国民の思いだと思います。

 自分も戦争に参加したいと手を挙げた日本人もいます。ゼレンスキー大統領が外国からの志願者で外国人部隊を編成すると発表したことを受けて、在日ウクライナ大使館がツイッターで志願兵を募りました。自衛隊などでの活動など専門的な訓練経験が条件です。駐日大使は3月1日、約70人から志願がきていることを明らかにしました。このうち約50人が元自衛隊員といいます。林芳正外相は「ウクライナ全土に退避勧告を発しており、目的を問わず同国への渡航をやめて頂きたい」と述べました。国内法上許されるのかも含め賛否がある話ではありますが、戦争をグッと身近に感じさせる動きです。

(写真は、ウクライナのゼレンスキー大統領が28日、岸田首相との電話会談後に投稿し日本への謝意を記したツイッター画面=ツイッターから)

デモに参加? 寄付も広がる

 日本でも多くの人が全国各地での戦争反対のデモや集会に参加しています。いても立ってもいられず参加する人が多いのだと思いますが、報道やSNSを通じてロシアの指導者や国民に思いが届く可能性があり、戦争をやめさせることにつながるかもしれません。

 ウクライナ支援の寄付の輪も広がっています。在日ウクライナ大使館によると、ロシアの侵攻が本格化すると寄付をしたいという問い合わせが相次ぎ、「ご応援、どうもありがとうございます」の言葉を添えて銀行口座をツイートすると、3月1日までに約32万件の「いいね」がつき、リツイートも14万を超えました。寄付は6万人以上から計20億円近く寄せられました。楽天グループ三木谷浩史・会長兼社長が寄付を表明した10億円もこれに含まれています。楽天は、楽天ポイントなどで寄付できる窓口も開設しています。ウクライナからはすでに数十万人がポーランドなど隣国に避難しており、戦禍がやまなければ、数百万人に増える恐れがあります。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、避難民を助ける緊急人道支援を始めています。

●在日ウクライナ大使館の寄付口座のツイートはこちら
●国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の人道支援サイトはこちら

(写真は、渋谷駅前でロシアのウクライナ侵攻に抗議する人たち=2022年2月26日、東京・渋谷)

日米同盟、北方領土、尖閣、台湾、北朝鮮…

 日本が同じような侵攻を受けたらどうなるの?と考えた人も多いと思います。日本は日米安全保障条約で米国の「核の傘」の下にあります。米軍に基地を提供する代わりに、日本の領土が攻められたら米軍も一緒に守ることを決めた条約なので、軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に加わっていないウクライナとは状況が違います。でも、SNSには「いざというとき米軍は本当に守ってくれるのか」という不安の声も上がりました。日米安保や自衛隊のあり方について考える機会でもあります。

 日本を取り巻く情勢にも影響します。日本はロシアとの間に北方領土問題を抱えています。2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を併合した際には、日本は当時の安倍晋三首相が力を入れていた北方領土交渉に配慮して対ロ制裁が欧米に比べて腰の引けた内容になったといわれていますが、今回は欧米に足並みをそろえた厳しい措置に踏み込みました。北方領土交渉は仕切り直しになります。中国とは尖閣諸島問題を抱えています。領有権を主張する中国は沖縄・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返しており日中間の大きな火種です。米国などがウクライナに軍を派遣していないことが、中国の台湾侵攻の野心を勢いづかせるのでないかと心配する声もあります。今年に入って弾道ミサイル発射を繰り返している北朝鮮が、米国はロシアを攻撃できないのは核保有国だからでウクライナが侵攻されたのは核を放棄したからだと考え核・ミサイル開発を加速させる――との見方が出ています。

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暮らしを直撃、就活にも影響?

 ウクライナ侵攻と対ロ制裁は、すでに私たちの暮らしを直撃し始めています。ロシアは世界3位の産油国で、天然ガスを日本や欧州に輸出しています。小麦の輸出量(2020年)は世界最大。ウクライナも小麦、大豆やトウモロコシなど穀物輸出大国です。もともと値上がりが続いていたガソリンは13年ぶりの高値になっていますし、食品の値上げも相次いでいます。電気代・ガス代がさらに上がる可能性もあります。ガソリン代は物流のコストを上げるため、あらゆるモノに波及します。さらに、ロシアはアルミニウムや、ニッケルパラジウムなどの希少金属(レアメタル)の生産大国でもあります。いずれも自動車生産に不可欠で、日本のメーカーは対応に追われています。ロシアへの経済制裁は日米欧など制裁をかける側への「返り血」も必至です。世界経済は冷え込み、企業の収益悪化が避けられず、日本の国内総生産(GDP)が1%減るとの見方もあります。みなさんの就活にも影響する可能性があるのです。

(写真は、ガソリン価格の表示板=2022年2月24日、東京都中央区)

民主主義への攻撃と核の脅し

 ウクライナ侵攻はロシアによる民主主義への攻撃でもあります。ロシアはNATOの拡大阻止を掲げていますが、プーチン大統領が本当に恐れているのは民主主義が自国に及ぶことだとの指摘もあります。プーチン氏は国内の有力野党指導者や反政府デモ参加者を容赦なく逮捕し、報道機関に圧力をかけて政府に都合の悪い情報を抑え込むことで権力を維持してきました。中国が香港でやっていることと同じですね。ウクライナはソ連崩壊後、民主化を進めて政権交代や言論の自由も実現しました。この流れが自国に及ばないように、攻め込んで傀儡政権による強権体制に戻そうという狙いです。だとすると、民主主義体制の下で自由な社会を享受している私たちに突きつけられた問題でもあるわけです。

 プーチン大統領はロシア軍に対し「抑止力の特別態勢」を取るように指示し、核を載せたミサイルや爆撃機がいつでも動き出せるようにしました。「我々は最強の核大国の一つ」「他国が介入すれば経験したことのない結果を招く」とも発言。核兵器の使用をちらつかせる脅しです。唯一の核兵器による被爆国に住む私たちは、こうした言動を絶対に許してはいけないと思います。

(写真は、モスクワ中心部の広場で開かれた抗議集会で「戦争反対」と書かれた紙を掲げる女性。この数十秒後、治安部隊に拘束された=2022年2月24日、モスクワ)

憲法前文を読み直そう

 最後に日本の過去の歴史について。かつて日本も中国などアジア諸国を侵略し、その結果、自国民にも多大な惨禍をもたらしました。言論を弾圧して都合の悪い情報を国民に知らせないやり方も戦時中の日本にそっくりです。戦後の日本はその痛烈な反省に立って、平和主義を掲げる日本国憲法のもと復興・発展をとげてきました。過去の過ちについて、みなさんに直接の責任はありませんが、被害を受けた国の人たちは決して忘れません。みなさんも過去の歴史を知っておかないといけないのです。以下、少し長いのですが、憲法前文の後段を引用します。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


 授業で学んだ人も多いと思いますが、改めて読み直すと、今回の悲劇を傍観するだけではいけないことが分かると思います。

 まずはウクライナとロシアはどんな国で、なぜ、どんな理不尽なことが起きているのか、人々がどれほどの苦境に置かれているのか、知ることです。そして、家族や友人と話す、知人のSNSに「いいね」を押す、SNSで発信する……。できることからやってみてください。

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(写真は、原爆ドーム=2021年12月、広島市中区)

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