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新型コロナウイルスの影響で前代未聞の事態に陥っている2021年卒採用ですが、政府の緊急事態宣言を受けて、半数近い企業が選考を中断していることが学情の緊急アンケートでわかりました(グラフ参照)。1月の調査では「4月」だった面接の開始時期は、「5月」「6月」が6割以上を占め、内々定出しの時期も6月以降にずれ込みそうです。今は、思うように就活が進んでいない人が多いと思います。就活最新事情を知って、慌てずに今やるべきことに取り組みましょう。ただし、企業の最新情報はしっかりアンテナを張ってキャッチしてくださいね。(編集長・木之本敬介)
説明会も半数が中止
学情の緊急アンケートは、7都府県に緊急事態宣言が出た翌日の4月8日から15日まで、全国の企業を対象にWEBで行われ、555社(上場企業103社、非上場企業452社)が回答しました。会社説明会については4月上旬現在、半分の企業が実施を中止していると回答。「WEBセミナーのみ実施している」企業が25.9%、「セミナー会場で通常通り実施」が17.8%、「両方で実施している」は6.7%でした(グラフ)。今後の開催時期については、「5月」が33.9%、「4月」が26.8%、「6月」22.2%で、7月以降の企業も17.1%ありました。緊急事態宣言が解除されるのか、継続されるのかにもよりますが、まだまだこれから参加できる説明会がたくさんあるということです。
面接ピークは5~6月に
選考については、「実施を中止している」が47.0%、「来社させて通常通り実施している」が23.4%、「WEB面接のみ実施」18.2%、「両方で実施している」11.4%でした(一番上の円グラフ)。現時点で想定している面接の実施時期のピークは、「5月」36.9%、「6月」27.0%、「4月」15.3%で、7月以降も20.7%ありました(右のグラフ)。今年1月の調査(有効回答2270社)では、面接などの選考開始時期について4月以降と答えた企業のうち、「4月」が59.4%と6割を占め、「5月」16.7%、「6月」16.1%でしたから、新型コロナの影響で選考スケジュールが大きくずれ込んでいることがはっきりしました。内々定もずれ込み
内々定を出すピークについては、「6月」が33.9%で最多。次いで「5月」25.9%、「4月」10.8%で、7月以降が29.4%でした(円グラフ)。1月調査で4月以降と答えた企業の内訳は、「4月」が44.7%、「5月」26.0%、「6月」21.3%で、7月以降は7.9%しかありませんでしたから、内々定を出す時期も遅くなる企業が続出しそうです。緊急アンケートで、採用活動を終える時期の見通しを聞いたところ、「9月以降」との回答が58.9%にのぼりました。多くの企業が今年の採用はかなりの長期戦になると考えているということです。2021卒の採用計画数については66.1%が「計画通り」と答えましたが、「大恐慌以来の不況」といわれるまでの事態になってきたので、今後、採用数を減らす企業が出てくる可能性もあります。
「第二の就職氷河期を作らない」
こうした事態を受けて、経団連の中西宏明会長と萩生田光一文部科学相が23日、テレビ会議で話し合い、企業が採用選考の日程などで柔軟に対応することを確認しました。中西会長は多くの大学が休校していることから、2021年3月の卒業時期が遅れた場合、入社時期を遅らせるなどの対応をとるべきだとの考えも表明しました。経団連は4月6日、「第二の就職氷河期を作らないとの強い決意をもって臨むことが重要」として、会員企業に対し、弾力的な採用選考活動の実施について呼びかけました。
具体的には、
・WEB説明会など多様な通信手段を活用した企業説明の機会の創出、エントリーシートの提出期限の延長、オンライン面接の推進、年間を通じた複数回の選考機会の確保などに向けて最大限努力する
・感染収束以降の採用関連イベントの追加開催等、学業を尊重しつつ各社の状況に応じて最大限柔軟な対応を行う
という内容です。
就活生がこの状況下でやるべきことについては、以下を読んでください。
●コロナ禍の「WEB就活」乗り切る方法…エントリー増やせ!【3月27日のイチ押しニュース】
(写真は、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」のテレビ会議に参加した経団連の中西宏明会長〈右端〉と就職問題懇談会座長の山口宏樹・埼玉大学学長=2020年3月31日、東京・大手町の経団連会館、代表撮影)
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