2019年10月07日

消費税10%にアップ どうして?まだ上がる?【週間ニュースまとめ9月30日~10月6日】

テーマ:経済

 10月になって消費税が10%に上がりました。消費税が上がることを歓迎している人はほとんどいないと思います。また、今回は軽減税率やポイント還元を導入したため、ややこしくもなっています。景気の先行きにも不安が出ています。「どうして上げないといけないの」と素朴に思う人もいるでしょう。ただ、まもなく社会に出ようとしている人は、「どうして」のところは一応理解しておきましょう。日本の財政は借金に頼っている赤字財政です。どんどん赤字が膨らむと、借金が難しくなって国の予算が作れなくなる心配が出てきます。借金を増やさないためには税収を増やさないといけません。税収の3本柱は、所得税法人税、消費税です。所得税や法人税の税率を上げるのも「あり」ですが、経済の活力をそぐという反対論があります。お金持ちや大企業が日本から出て行くという脅しめいた声も聞こえてきます。一方、消費税はヨーロッパの国々などに比べるとまだ日本の税率は低いので、引き上げるのに説明がつきやすい面があります。いったん上げると税収が安定して上がりますので、国としては安心なところもあります。こうして日本の税収増は消費税引き上げでしのいでいるわけです。ただ、きりのいい10%まできたことですから、このあたりで打ち止めにしてほしいと思いますが、長い目で見るとまだ上がるとみておいた方が良さそうです。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

今さら聞けない!10%に上がる「消費税」基本のき【イチ押しニュース】も読んでください。

(写真は、店内での飲食と持ち帰りで税率が異なることを知らせるパン屋の貼り紙=2019年10月1日、東京都千代田区)

【経済】消費増税、つきまとう景気不安 増収分超える対策費計上(10/1.Tue)

 消費税の税率が1日、8%から10%に引き上げられた。政府は増税にあわせ、飲食品と新聞の税率を8%に据え置く軽減税率を初めて導入。現金を使わないキャッシュレス決済へのポイント還元なども実施し、景気への影響を最小限に抑えたい考えだ。ただ仕組みは複雑で、当初は消費者がとまどう可能性がある。景気の先行きへの不安も残る。モノやサービスを買うときにかかる消費税の増税は2014年4月以来、5年半ぶりだ。1989年4月に税率3%で導入されてから30年たち、3度目の引き上げで税率は2桁になる。

【社会】元助役から原子力部門中心に金品 関電、情報提供で便宜(10/2.Wed)

 関西電力は2日、役員ら20人が高浜原発のある福井県高浜町の元助役の森山栄治氏(故人)から計約3億2000万円分の金品を受け取った問題で、昨秋まとめた社内調査報告書を公表した。原子力部門を中心に2006~17年に現金や金貨がばらまかれ、うち2人には1億円超が渡っていた。八木誠会長と岩根茂樹社長は会見で謝罪したが、辞任は否定した。報告書によると、鈴木聡常務執行役員が約1億2000万円、豊松秀己元副社長が約1億1000万円を受け取っていた。共に福井県にある原子力事業本部で要職を務め、高浜原発・大飯原発の再稼働にも力を注いできた。本部長の経験がある八木会長にも金貨や金杯など800万円を超す金品が渡り、岩根社長も150万円分の金貨を受け取っていた。約3億2000万円の大半は返還したが、仕立ててしまったスーツや、返還の機会を逃した現金など計約3500万円分は返せていないという。その後の調査で、20人以外にも送配電部門の3人が計250万円分の商品券やスーツの仕立券を受け取っていたことが分かった。

【国際】潜水艦発射なら奇襲性高く関係国に脅威 北朝鮮ミサイル(10/2.Wed)

 韓国軍の合同参謀本部は2日、北朝鮮が午前7時11分ごろ、東部の江原道(カンウォンド)元山(ウォンサン)付近から日本海に向けて弾道ミサイルを発射したと発表した。韓国大統領府の国家安全保障会議(NSC)は「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射だった可能性が高い」とし、米韓当局で詳しい分析をしていると明らかにした。SLBMの発射だとすれば、2016年8月24日、東海岸の咸鏡南道新浦(ハムギョンナムドシンポ)沖の日本海からの発射以来。潜水艦からの弾道ミサイル発射は攻撃の兆候を把握しにくく、奇襲性が高いため、関係国にとっては安全保障上の脅威となる。

【国際】香港政府「覆面禁止法」を制定 議会経ず緊急条例発動(10/4.Fri)

 香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は4日、香港が緊急事態などに陥った際、行政長官に大きな権限を集中させる「緊急状況規則条例(緊急法)」を約50年ぶりに発動し、政府への抗議デモで参加者がマスクなどで顔を覆う行為を禁じる「覆面禁止法」を制定した。覆面禁止法は立法会(議会)の審議を経ず、5日に施行された。英植民地時代以来、香港が守ってきた法治主義を大きく損ねる事態といえ、香港の混迷は新たな局面に入った。緊急法の発動は英国の植民地だった1967年の大規模暴動以来で、1997年の中国返還後は初めて。香港政府は4日、林鄭氏ら政府高官と親中派の有力者らでつくる行政会議(日本の閣議に相当)を緊急開催し、緊急法の発動と覆面禁止法の制定を決定した。政府保安局はデモ参加者が顔を隠していることが警察の捜査を難しくし、暴力をエスカレートさせる要因になっていると説明。覆面禁止法で、無許可の集会やデモ活動に参加する際、マスクやゴーグルなどで顔を覆い個人の識別ができないようにすることを禁じた。同法は5日午前0時に発効。違反した場合、2万5000香港ドル(約34万円)以下の罰金や1年以下の禁錮刑に処せられる。

【スポーツ】金田正一さん死去 プロ野球元投手、通算400勝(10/6.Sun)

 プロ野球の投手として唯一の400勝を達成した元ロッテ監督の金田正一(かねだ・まさいち)さんが6日、急性胆管炎による敗血症のため東京都内の病院で死去した。86歳だった。通夜・告別式は近親者のみで営み、後日「お別れの会」を予定している。喪主は長男賢一さん。愛知県出身。1950年に享栄商高(現享栄高)を中退して国鉄(現ヤクルト)に入団。左腕からの快速球と大きく割れるカーブを武器に2年目から14年連続で20勝以上を記録し、年間最多勝を3回獲得した。65年に巨人に移籍し、69年に引退。20年間で944試合に登板、400勝298敗、防御率2.34。通算完投365回、奪三振4490個など数々の日本記録を持つ。完全試合無安打無得点試合も各1度記録した。

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