(写真は、「ガンバロー」と気勢を上げるトヨタ自動車労働組合の組合員=3月5日、愛知県豊田市のトヨタ本社)
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(写真は、「ガンバロー」と気勢を上げるトヨタ自動車労働組合の組合員=3月5日、愛知県豊田市のトヨタ本社)
そもそも「春闘」って?
業績が伸びた企業であれば、労組は働きに報いるよう賃金アップを求め、経営者側はアップ率を低くしてコストを抑えようとするのが基本的な構図です。社員が頑張っても賃金が上がらないのではモチベーションは下がりますが、無理な賃上げをして会社の経営が厳しくなっては元も子もありません。かつては、経営側の譲歩を引き出すためにストライキをする労組もあり、春闘の時期になると鉄道会社や航空会社のストで電車や航空便が運休して通勤・通学が大混乱することがよくありました。しかし近年は、労使協調路線が主流で、お互いの主張のバランスをとって妥結するケースが多くなっています。
(写真は、春闘の各社の妥結額などが書き込まれた集計ボード=3月13日、東京都中央区・金属労協金労協)
定昇とベアの違いは?
【定期昇給(定昇=ていしょう)】1年たつと基本給(毎月の基本的な給料)が自動的に増える仕組み。日本のほとんどの会社は賃金に年功序列
の要素を取り入れており、1年たつと階段をひとつ上り、1年先輩が1年前にもらっていた金額をもらうことになる。定昇は社員個人にとっては「給料が増えた」ことになるが、毎年定年退職者がいるため会社全体の支払額は前年と変わらない。
【ベースアップ(ベア)】全社員の基本給を一斉に引き上げること。物価水準を賃金に反映させたり、会社の業績が上がったときにもうけを従業員に分けたりするときに行う。一度ベアを実施すると、その後も長期にわたって人件費が増えるため、景気があまり良くなかった2013年までの約20年間は多くの会社がベアをしなかった。大企業の業績が良くなった2014年から実施する企業が増えた。
【賞与(ボーナス)アップ】夏や年末に、毎月の給料とは別に社員に支払われる一時金。金額を毎年増減できるため、業績が良かったものの先行きがわからない企業は、ベアではなく賞与のアップで対応することが多い。
運輸・外食で大幅アップも
●中国経済減速が日本企業直撃!どんな製品を輸出してるの?(2月8日のイチ押しニュース)参照
一方で、人手不足が深刻な運輸業界や外食産業では大幅な賃上げもありました。福山通運は、トラック運転手1万3500人を対象に前年の3倍にあたる月7500円のベアを回答しました。牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスは、管理職を除く正社員に7年連続のベアを実施するのに加え、今年4月入社の大卒初任給を5000円引き上げて21万5000円にすることに決めました。王将フードサービスは、労組の要求を上回る月1万2677円のアップで妥結しました。
4月から順次施行される働き方改革関連法に対応する動きもありました。
【安川電機】残業時間の上限を全事業所で「月80時間以下」に
【すかいらーくホールディングス】営業時間の短縮に向けて労使で情報共有
【富士通、IHI】勤務を終えてから翌日の出社までに10時間の休息を確保する「勤務間インターバル制度」を導入
1000社以上の「働き方改革」のコンサルティングを手がけたワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんは、朝日新聞のインタビューにこう語っています。
「最近の春闘は給料だけでなく、残業時間の削減といった『働き方改革』もテーマにする労組が増えてきました。世間の注目が集まるので、企業が力を入れる点を広くPRできる最大のタイミングでもあります。優れた事例は春闘のない企業にとってもヒントになるので、影響はあると思います」
「給料の交渉も重要ですが、色々な人の給料を一律に上げるベアや年功序列の定期昇給に違和感をもつ人も多いのではないでしょうか。短時間で効率がいい仕事ぶりを評価してほしい人はピンとこないかもしれません。そもそも柔軟に休めず、仕事が続けられなくなって退職となれば、収入が減ってしまいます。働き方のほうが、ベア以上に社員の生活に大きく影響することがあります」
志望する業界の動きについては、新聞記事データベースなどで検索して調べてみましょう。
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2025/04/02 更新
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