- トップ >
- 就職最新情報を知る >
- 就活イチ押しニュース >
- 記事一覧 >
- 記事詳細
持続可能な世界への目標
SDGsは、2015年の国連サミットで全会一致で採択されました。2030年までに達成を目指す国際目標です。持続可能な世界を実現するためのゴールは以下の17分野。①貧困②飢餓③保健④教育⑤ジェンダー⑥水・衛生⑦エネルギー⑧経済成長と雇用⑨インフラ、産業化、イノベーション⑩不平等⑪持続可能な都市⑫持続可能な消費と生産⑬気候変動⑭海洋資源⑮陸上資源⑯平和⑰実施手段
「誰も置き去りにしない(leave no one behind)」が共通の理念で、「各国の所得下位40%の人々に国内平均より高い所得の伸びを実現」といった具体的な目標は169項目あります。国連は2001年に、貧困の削減などを目指す開発指針「ミレニアム開発目標」(MDGs)を策定しましたが、先進国が決めたため途上国から反発もありました。これを引き継いだSDGsには目標づくりから途上国も参画し、先進国が国内で取り組む課題も盛り込みました。日本政府は2017年、安倍晋三首相を本部長とする「SDGs推進本部」を発足させ、企業やNGO、有識者による「円卓会議」の意見を集約し2017年末に実施計画を発表しました。
10人の企業トップが語るSDGs
朝日新聞デジタルのSDGsのコーナーに、「トップが語る」というシリーズが載っています。
・中西宏明 経団連会長(日立製作所会長)
・藤原弘治 全国銀行協会長(みずほ銀行頭取)
・清水洋治史 不二製油グループ本社社長
・日高祥博 ヤマハ発動機社長
・薗田綾子 クレアン社長
・沢田道隆 花王社長
・高岡浩三 ネスレ日本社長
今後さらに以下のトップが登場する予定です。
・片野坂真哉 ANAホールディングス社長
・桜田謙悟 SOMPOホールディングス社長
・小林喜光 経済同友会代表幹事(三菱ケミカルホールディングス会長)
「事業通じて社会問題解決」
この中で、ネスレ日本の高岡社長はこう言っています。「SDGsが掲げる17分野は、いずれも社会が抱える大きな課題。企業は事業を通して、その課題に取り組むべきだという考えが急速に広がっています。なぜ企業がビジネスを通して取り組む必要があるのか。社会的課題は長期的に取り組まないと解決できないし、収益性のある事業でなければ長続きしない。慈善事業であれば、業績が悪くなれば続かなくなり、恩恵を受ける人も限られてしまう」
SDGsの前に欧米企業に広まったCreating Shared Value(CSV=共通価値の創造)を提唱したのはネスレのピーター・ブラベック名誉会長でした。「事業を通じて社会課題を解決するという考えで、私たちはこれを企業の使命、責任と考えている。同時にビジネスチャンスでもあります。社会の課題に応えれば、画期的な商品、サービスに結びつくからです。SDGsを自らの経営に取り込もうとする考えに近い」「CSR(企業の社会的責任)と混同されますが、全く異なる考え方です」とも語っています。
CSRとSDGsの違いは?
多くの大企業にはCSRの担当部署がありますが、ビジネスとは別で「社会貢献の一環」という位置づけです。この「社会貢献」、就活生には人気があり、志望動機にもよく登場します。ヤマハ発動機の日高社長は「最近感じているのは、若い社員の社会貢献意識が高まっていること」としつつ、やはり「社会貢献といっても慈善事業では長続きしません。社会問題を解決しつつ、ビジネスとしても成り立つ。この二つがマッチした形になることが、取り組みを継続させられる条件です」と言います。
もちろん社会貢献はすばらしいことですが、企業はボランティア組織ではないので本筋ではありません。志望動機などであまりに強調されると白けてしまうんですね。これに対し、SDGsは「事業を通じて社会課題を解決する」のがポイントで、ビジネスと両立します。CSRとSDGsの違いをしっかり理解しておきましょう。
企業の取り組み事例をチェックしよう
SDGsへの具体的な取り組みは企業それぞれです。ネスレは全世界で注力するテーマとして「栄養」「水資源の保護」「農村の生活改善」を掲げています。日本では「高齢者の健康」がテーマで「介護予防カフェ」を76カ所立ち上げ、コーヒーマシン「ネスカフェ バリスタ」を無償提供。高齢者が定期的に集まりコーヒーを楽しんでいます。歩いたり、話したりすることは介護予防や医療費の削減につながります。通信機能を搭載したバリスタもあって、コーヒーを飲むと友人や離れて暮らす子どもに情報が送られ安否確認ができます。発売2カ月で約10万台売れたそうです。
日本企業のSDGsへの取り組み事例を外務省がまとめています。志望企業の取り組みをチェックしてください。企業の取り組み事例はこちら。
志望企業の得意分野を把握したうえで、「御社のこの事業をSDGsでビジネス展開したい」なんて語れたら、企業に響くこと間違いなしですよ。
◆人気企業に勤める女性社員のインタビューなど、「なりたい自分」になるための情報満載。私らしさを探す女子就活サイト「Will活」はこちらから。
※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから。
2024/11/23 更新
- 米アマゾン、AI新興企業アンソロピックに6200億円を追加出資(10:30)
- 産業政策と経済安保、「一緒くた」の危うさ 起源はナポレオン時代(10:00)
- 輸入車、でも日本メーカー製 ホンダのヒット車はインド製そのわけは(08:00)
- 未来の有権者への約束 「政策本位」を取り戻し熟議の政治を(07:00)
- 東海地方の地方銀行が好調 堅調な地域経済、「利上げ」も追い風に(06:00)
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
就職最新情報を知る
企業と業界を知る
ニュースで就活力を高める
-
1
就活イチ押しニュース兵庫県で前知事当選、SNSが選挙に与える影響大きく【週間ニュースまとめ11...
-
2
就活イチ押しニューストランプ氏が米大統領に返り咲き 世界への影響に注目【週間ニュースまとめ11...
-
3
就活イチ押しニュース顔採用は存在する? 履歴書の顔写真「露骨に影響」ニュースをチェック【就活イ...
-
4
就活イチ押しニュース完全オンライン学習の大学開校へ 大学の生き残り競争本格化【週間ニュースまと...
-
5
就活イチ押しニュース内定出ても「就活続けてOK」な中小企業が増えている【学生の就活ルポ17】
-
6
就活イチ押しニュース男性の育休増加、でも立ちはだかる壁 現状を知って会社選びに生かそう【就活イ...
-
7
就活イチ押しニュース総選挙の投票率は53%程度 これからも選挙権の活用を【週間ニュースまとめ1...
-
8
就活イチ押しニュース対面のインターンに参加、オンラインだけでは対策しきれない【26卒学生の就活...
-
9
就活イチ押しニュース志望企業、業界にあったガクチカ作りを【26卒学生の就活ルポ15】
-
10
就活イチ押しニュース衆院選がまもなく投開票 「若手」候補者どれくらいいる?【イチ押しニュース】