2013年06月10日

【号外】AKB・麻里子さまの人生論をESの参考に

テーマ:就活

ニュースのポイント

 今日は新聞休刊日翌日で朝刊はないので、「号外」をお届けします。この週末、国際的には米中首脳会談が大きなニュースでしたが、国内ではAKB48の総選挙が話題になりました。そこで卒業宣言をした篠田麻里子さんの7日夕刊のコラム「人がやっていないことへの挑戦」は、みなさんの就活にも参考になります。

 今日取り上げるのは、7日夕刊5面のコラム「AKB的人生論 篠田麻里子 人がやっていないことへの挑戦」です。
 コラムの概要は――「人がやっていないことを探す」。そう考えて挑戦を続けてきた。AKB48の1期生オーディションで不合格。AKBに入れなかったこと以上に「落ちた」ことが悔しくて、ますますAKBを目指す気持ちが強くなった。デビュー後も、活動の幅を広げようとモデルを目指した。まだ無名な時代。何社か不合格になった中で、集英社のファッション誌のオーディションに合格した。二足のわらじを続けるうちにファッションブランドデザインの仕事の依頼を受けた。楽しいこともあれば、つらいこともあるが、何でも思い通りに行くような人生はおもしろくない。スムーズに行くより、壁にぶち当たったほうがやりがいがある。

(東京本社発行の朝日新聞夕刊最終版から)

就活アドバイス

 このコラムには、みなさんがこれから書くエントリーシート(ES)のヒントが詰まっています。短い文章ですが、篠田さんの魅力が伝わってきますよね。華やかな篠田さんですが、成功談だけでなく、挫折や苦労、そのときの思い、それを乗り越えての再チャレンジまで、とても具体的に書かれ、オリジナリティーにあふれています。

 僕は朝日新聞社の採用担当部長を経験して多くのESを見てきました。ほとんどのESに体験は書かれています。でも、読んでいて胸に響くものは多くありません。よくあるのはこんな内容です。「私は粘り強い性格です。一度始めたことは最後までやり遂げます。実際、飲食店のアルバイトをずっと続けてきました。最初は苦労しましたが、私なりに工夫を重ね、お店の売り上げ増にも貢献することができました」。アルバイトが「サークル活動」になったり、粘り強いが「責任感」や「行動力」になったりしますが、多くが似たり寄ったりの内容です。これでは、いくら粘り強さを強調しても説得力がありません。この内容は、誰にでも書けるからです。

 目指してほしいのは「自分にしか書けないES」です。海外留学やボランティア、全国大会1位といった特別な体験を書くということではありません。サークルやアルバイト、学業など、誰もが経験していることでいいのです。上の例でいえば、どんな苦労か、なぜ工夫をしようと思ったのか……に、あなたの個性があらわれるのです。つい成功したことばかり書きたがりますが、自分の体験、経験を、読み手に場面が浮かぶように、できるだけ具体的に書くことです。苦労、悩み、人との関わり、そしてそれをどう乗り越えたか。それこそがオリジナリティーであり、唯一無二のあなたにしか書けないESになるのです。

 朝日新聞には、2面の「ひと」欄など人を紹介する記事が多くあります。成功談など、いいことばかりは書いてありません。その人がどんな逆境を乗り越えたのか、そこに人生が浮き彫りになり、読み手は共感するのです。人の記事を読んで、あなたの魅力を伝えるヒントにしてください。

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