2016年08月30日

体に良いチョコ続々…「健康」はお菓子メーカーのキーワード

テーマ:医療・健康

ニュースのポイント

 「チョコは好きだけど太るから……」と遠慮気味に食べてきた人も多いと思いますが、これからは「健康のためにチョコを食べよう」という時代になるかもしれません。お菓子メーカー各社が脂肪吸収を抑えたり、腸の調子を整えたりする成分を使った「健康に良いチョコ」の開発を競い、売り上げを伸ばしています。食品やお菓子のメーカーにとって、「健康」はますます大事なキーワードになりつつあります。こうしたニュースから最新の動向を押さえれば、業界・企業研究でリードできますよ。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、経済面(6面)の「健康もチョコっと意識して/脂肪吸収抑制や整腸成分で『太るかも…』を和らげる」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。(写真は江崎グリコの「リベラ」。いずれも各社提供)

大手各社が競う

 記事に登場する各社の商品を紹介します。

江崎グリコ 機能性表示食品のチョコ「リベラ」(税込み162円)を年内にも増産。トウモロコシ由来の食物繊維「難消化性デキストリン」を配合し、パッケージに「脂肪と糖の吸収を抑える」と説明する。3月の発売後、計画の数倍売れ、品薄状態という。

ロッテ 昨年10月、乳酸菌入りのチョコ「乳酸菌ショコラ」(同330円前後=写真)を発売。腸の調子を整えるとされる乳酸菌への消費者の関心が高いことから開発した。年度内に生産能力を6割上げる方針。

明治 「チョコレート効果(BOX)」(同237円)はカカオ分が72%、86%、95%と一般的な製品より高め。シリーズの売上高は、2014年度の50億円から今年度は100億円を見込む。生産体制も9月から2倍にする予定。

森永製菓 8月30日、カカオ分88%の「カレ・ド・ショコラ カカオ88」(同356円)を売り出す。

機能性表示食品とは?

チョコレート効果

 チョコの原料のカカオには、抗酸化作用があるポリフェノールが多く含まれています。カカオ分の多いチョコが売れているという話題は数年前からありましたが、脂肪や糖の吸収抑制、整腸機能、ストレス低減効果をうたうなど、チョコはどんどん進化しているのですね。

 「機能性表示食品」は、一定の科学的根拠をもとに企業が国に届け出れば、食品に含まれる成分の機能を表示できる制度で、昨年から新たに始まりました。「今日の朝刊」では、「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」との違いを含め、昨年3月の「食品志望者は注目!健康食品表示に新制度」昨年6月の「キユーピー、キリンが新商品、『機能性表示食品』って?」で説明しています。
(写真は明治の「チョコレート効果 カカオ72%」)

消費者目線からビジネス目線へ

 「チョコが好きだからお菓子メーカーに入りたい」という人もいると思いますが、「好き」だけでは通用しません。それならお客さんでいればいいわけですから。就活では、「消費者目線」を脱して、こうしたチョコを作って売る「ビジネス目線」を養う必要があります。
 メーカーのホームページなどで、商品を知り、開発の狙いなども調べてみましょう。メーカーごとの違いも見えてくると思います。チョコやお菓子に限らず、食品や薬品メーカー志望の人も同じです。

 カゴメのエントリーシートには「好きな食べ物、嫌いな食べ物」という欄があります。採用担当者は「人事のホンネ」でこう語っています。
 「生トマトが嫌い」と書いてきた学生がいます。味は嫌いでも栄養価などの価値をちゃんと把握してお客様に提案できれば営業はできるのでマイナス評価にはなりません。好き嫌いではなく、自分が仕事とするものに価値を見いだし、付加価値をつけられれば大丈夫です。面接で「生トマトは苦手だが加工すると食べられます。トマトケチャップは特に好きです」と言った学生もいました。
 
 「好き嫌い」だけでなく、商品の価値、メーカーの考え方、世の中への貢献、企画開発や販売への自分の関わり方など、一つの商品から思いを巡らせてください。
(写真は森永製菓の「カレ・ド・ショコラ カカオ88」)

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