2016年08月02日

「山の日」はなぜできた?次できる祝日の有力候補は?

テーマ:経済

ニュースのポイント

 今年から8月11日が「山の日」という新たな祝日になりました。児童、生徒、学生にとっては夏休み期間ということで、あまり意味を感じない祝日かもしれませんが、サラリーマンになると祝日は本当に貴重です。アウトドア業界や小売業界はビジネスチャンスと捉え、「山の日」フェアなどを展開し、需要の掘り起こしを図っています。(副編集長・奥村 晶)

 今日取り上げるのは、経済面(8面)の「そこに『山の日』があるから/初の祝日 山グッズ商戦熱く/収穫体験・トイレ対策・フェアで集客」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。

「海」があるなら「山」も!

 「山の日」が祝日になった経緯を知っていますか? 1996年に「海の日」(7月第3月曜)が祝日になり、「海」の祝日があるなら、「山」の祝日もつくるべきだという声が上がり、2年前の祝日法改正で制定が決まりました。記事によると、8月11日になった大きな決め手は、学校の授業日数に影響が出ないこと、漢字の「八」が山の形に、数字の「11」が木が並んだ様子に見えるから、という説もあるんだそうです。

祝日、記念日をビジネス目線で

 今回は初めての「山の日」ということで、アウトドア用品メーカーや小売店がイベントやフェアを開き、集客や売り上げ増につなげようという動きを記事では紹介しています。「山の日」に限らず、祝日や知名度の高い記念日、年中行事はそれにかかわる業界にとっては書き入れ時です。テレビや雑誌、新聞などで働いていると、何月何日にはこの記念日があるからそれに合わせてネタを仕込む(取材する)というのが習い性になりますが、マスコミでなくても、そういう目線はとても大事です。当日になってから「ああ、この日は○○記念日なのね」では、ビジネスにはつながりません。今回のフェアなども、おそらく「山の日」が祝日になると決まった直後から着々と準備されていたに違いありません。

365日、いつでも記念日

 実は1年365日、どの日も何かの記念日になっています。バレンタインデーやホワイトデー、いい夫婦の日(11月22日)など業界主導で生まれ、定着してきたものもあります。祝日にはなっていませんが、8月には「広島原爆忌」(6日)や「長崎原爆忌」(9日)、「終戦記念日」(15日)など、国民が大切にしなければならない記念日もあります。新聞週間(10月15日からの1週間)や「読書週間」(10月27日からの2週間)などの「記念週間」もあります。

8月2日は「パンツの日」?

 ちなみに今日、8月2日は何の記念日かわかりますか。「パンツの日」「ハーブの日」「博多人形の日」など数えるときりがありません。どの日が何の記念日かは語呂合わせが王道のようですね。祝日はカレンダーに記載されていますし、記念日は、一般社団法人「日本記念日協会」などのサイトで確認することができます。自分の興味のある業界にかかわる祝日や記念日がないか、一度調べてみてはどうでしょうか。

自分で記念日を作ってみる

 ただ、すでにある記念日を知るだけでなく、時節柄や最近の流行、歴史的なニュースをもとに自分ならこの日を「○○記念日」にする、という発想も大事です。そしてそれに合わせてどんな売り上げ増策があるか、などもその業界に入ったつもりで考えてみましょう。
 また、次に制定される祝日はいつか、と考えてみるのも頭の体操にはうってつけです。「海」「山」と来たからには次は「川の日」(7月7日)が祝日になるんじゃない? いやいや、天皇の譲位が話題だし、いまの皇太子の誕生日、2月23日が祝日になるほうが先でしょ? いろんな考えがあると思います。そうやって祝日や記念日をふだんから意識する習慣をつけておくと、新たなビジネスの発想にもつながりますよ。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別