ニュースのポイント
4年後の東京五輪・パラリンピックをめざして電機メーカーが最新技術を競っています。スポーツの判定から観客誘導、外国人とのコミュニケーションを円滑にする自動翻訳機……。五輪は世界に技術力を示す絶好の場であるうえ、新技術の需要も高まります。「デジタルインフラ」の整備が一気に進むかもしれません。(編集長・木之本敬介)
今日取り上げるのは、経済面(11面)の「最新技術 五輪で花開け/電機メーカー 観客誘導や競技採点」です。
記事の内容は――東京五輪にむけて電機メーカーの技術開発が熱を帯びてきた。スポーツ判定から観客誘導にいたるまで、各社とも五輪に役立つ得意分野を実用化しようと必死だ。日本メーカーの力を再び世界に示そうと意気込んでいる。電機メーカーの業界団体、電子情報技術産業協会の東原敏昭会長(日立製作所社長)は「2020年を見据え、オールジャパンで我が国の技術サービスを世界に向けて大きくアピールしたい」と話す。かつて1964年の東京五輪で道路や鉄道の整備が進んだように、4年後の大イベントを、デジタルインフラ整備の契機にとの思いがのぞく。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
五輪を機に技術開発が一気に進むことがあります。今日の記事には日本を代表するメーカーが登場します。それぞれの取り組みを整理します。
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NEC 数万人規模のスタジアムで入場者をスムーズに誘導する「顔認証」技術の進化に本腰を入れる。顔認証は、あらかじめ登録した写真と同一人物かを映像解析技術で瞬時に確認する。米ニューヨークのケネディ空港の入国時など高いセキュリティーが求められる場や、アイドルグループのコンサートなど転売目的でのチケット購入を防ぐ目的で活用されている。今の技術ではカメラの前で一度立ち止まる必要があり、時間がかかるのが難点だ。成田空港の従業員通路で実施した実験では、歩いている状態でも顔を正しく識別し、登録された人物かを確認できることを実証した。
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富士通 体操競技の採点を3Dレーザーセンサーをつかって補助する技術を開発。1秒間に230万回のレーザーを出し、反射して戻ってくるまでの往復時間から対象の動きを3次元でとらえる。あらかじめ覚え込ませた技のデータと比較、技の種類などを瞬時に導き出す。
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パナソニック 2018年度の実用化を目指して開発中の翻訳機「メガホンヤク」(写真)。日本語で話した言葉を英語や中国語、韓国語に翻訳してアナウンスしてくれる。今年実用化した「光ID」は、LEDの光にスマホのカメラをかざすだけで、光がQRコードと同じような役割を果たして、スマホの対応言語で表示される情報を受け取ることができる。
まもなくリオ五輪が始まります。テレビでは連日、競技中継はもちろん、ニュースやワイドショーなどの情報番組でも五輪やリオの街の様子などがたくさん流れます。競技の判定、移動手段、テレビ中継の技術、通信手段、市民の交流、警備などの映像の裏に、実は最新技術が使われているかもしれません。気になる「企業名」と「オリンピック」「五輪」「技術」などのワードでサイトを検索してみると、いろいろ出てくるはずです。自社のホームページに技術開発の取り組みを紹介している企業もあります。五輪から企業研究を深めてください。
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