2016年03月16日

「就活に新聞」学生の44%…すぐ役立つ!新聞活用法教えます

テーマ:就活

ニュースのポイント

 「最近気になるニュースは?」は、どんな業界でも面接の定番質問です。「就活では新聞を読もう」と聞くと思いますが、就活の重要な情報源として「紙の新聞」をあげた学生は44.1%、「新聞社のニュースサイト(電子版含む)」(13.6%)と合わせて約58%にのぼりました。これまで新聞を活用してこなかった人も、まだ間に合います。すぐ役に立って企業に刺さる新聞活用法を伝授します。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、社会面(37面)の「新聞読む人の割合77.7%」です。
 記事の内容は――日本新聞協会は「2015年全国メディア接触・評価調査」の結果を発表した。新聞を読んでいる人の割合は77.7%でテレビの97.3%に次ぐ接触率だった。昨年11~12月、全国7000人を対象に実施し3845人から回答を得た。選挙で投票の参考にする情報源では、新聞記事が51.4%で政見放送43.8%や選挙公報30.8%を上回った。大学生、大学院生に限ると、就職活動の重要な情報源として「紙の新聞」と答えた人は44.1%で、テレビやSNSなどを上回った。新聞の無料の電子版を登録・購読している人は8.5%、有料の電子版は1.4%だった。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 2年に1回の調査ですが、「就職活動をするために重要な情報源」(複数回答)は今回初めて設問に加わりました。「紙の新聞」との回答は全体では17.8%でしたが、大学生・大学院生に限ると44.1%にアップしますから「就活には新聞」は学生にはそれなりに浸透しているようです。以下、「テレビ(NHK)」が23.7%、「テレビ(民放)」18.6%、「新聞社のニュースサイト(電子版含む)」13.6%、「ブログやコミュニティサイト、SNS」13.6%の順でした。昨年11~12月の調査なので、いま聞けば「新聞」の回答はもっと多いかもしれません。新聞に関する意見や態度(複数回答)では、「興味や関心のある記事はじっくりと読む」(78.0%)、「新聞から学ぶことは多い」(72.9%)、「新聞は、世論の形成に影響力があると思う」(72.9%)、「社会人になったら、新聞は欠かせない」(67.8%)などが多くありました。

 まだ新聞を読んでいない人も、今からでいいので新聞に毎日目を通すようにしましょう。パラパラめくって、目立つ扱いの記事にざっと目を通すだけでも、世の中の大きな動きがつかめます。
 「人事のホンネ」で企業の採用担当者はこう言っています。
アステラス製薬の船井俊秀さん「面接で最近気になったニュースは聞きますね。学生の興味のありどころがわかるし、そこから話を広げることもできるので。MR(営業職)は情報提供が大事ですが情報収集も大事ですから、その素養もこの質問である程度わかります」

りそな銀行の俵聡一郎さん「今日の新聞のトップ記事はとか、軽減税率をどう思うかといった時事的な質問をします」「ニュースの動きには敏感になってほしいし、できている学生は評価します。ひたすらアルバイトをしていたので世の中の動きをまったく知らないという人もいます。よほど一貫性があって何かを生み出したのなら別ですが、基本的には厳しい」

カゴメの堀江建一さん「食品メーカーは消費者に身近な商品を扱うので、例えば消費税が上がったらどういう影響があるかとか、そういった関心事を仕事につなげていくことが大事です。視野をどんどん広げてほしいと考えています」

 昨日、「朝日学生キャリア塾」(4月講座募集中)の面接特訓講座を開いたのですが、まだ企業研究が浅い学生が多くいました。まず企業の採用HPを熟読するのは当然ですが、これは誰もがやります。そこで、新聞で企業研究をするよう改めてアドバイスしました。とっても簡単で、やっておくと大きくリードできるのが、「新聞記事データベースでの社名検索」です。朝日新聞のデータベース「聞蔵(きくぞう)」(多くの大学の図書館で使えます)に、志望する会社名を入れて、1年分の記事を検索してください。大企業だと数百件ヒットすると思いますが、並んだ見出しで大事そうな記事を選んでプリントアウトし、読み込んでおきましょう。有名大企業なら、エントリーシートや面接、グループディスカッションで使えるネタがきっとたくさんあります。朝日新聞デジタルの有料会員(就活割で月2000円)でも、1年分の記事を検索できます。

全日本空輸(ANA)の松村宏二郎さん「(面接で航空業界のニュースが話題に出ることは?)もちろんあると思います。学生には最低限の情報はインプットしてきてほしいとは思いますが、その際にも知識を持っているか否かが重要なのではなく、その質問を通じて熱意をはかっていたりすることが多いと思います。熱意がある人は自然と最新の情報にも敏感になりますよね」

 業界・企業の最新動向が簡単に入手できるうえ、知っているだけで熱意を伝えられます。やらないと絶対に損ですよ。
 記事データベースでの検索方法については、私が書いた「最強の業界・企業研究ナビ2017」(朝日新聞出版、税込み1080円)で詳しく説明しています。新聞活用については、「JAL・大手IT内定者が語る とっておき『新聞活用法』」(2月2日の今日の朝刊)、「志望企業、どうやって選べばいいの?そんな時には社名でニュースを検索!」(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その21)も読んでみてくださいね。

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