ニュースのポイント
サントリーホールディングス(HD)の年間の売上高がキリンホールディングスを抜いて、国内飲料メーカーの首位に立ちました。海外の
蒸留酒大手の大型買収(M&A)が大きく、新浪剛史社長はさらに「2020年に蒸留酒で世界一をめざす」と攻めの姿勢です。キリンはどう巻き返すのか、アサヒグループホールディングスは? お酒を軸にした飲料メーカーの競争に注目です。
今日取り上げるのは、経済面(8面)の「サントリー、首位/飲料売上高 キリン抜く/14年12月期」です。
記事の内容は――サントリーHDの2014年12月期の売上高は前年同期比20.3%増の2兆4552億円で、2.6%減の2兆1957億円だったキリンHDを上回り、国内飲料メーカーの首位に立った。サントリーHDは「特茶」など清涼飲料が好調だったうえ、米蒸留酒大手ビーム社を昨年5月に買収したことが大きい。アサヒグループHDの売上高は4.2%増の1兆7854億円、純利益は11.9%増の691億円でともに過去最高。傘下のニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏をモデルにしたドラマが追い風になった。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
サントリーは昨年1月に米ビーム社買収を発表(買収は5月)、10月にはローソン会長だった新浪氏が社長に就任するなど、大きな話題を提供してきました。秋にはNHKの朝ドラ「マッサン」が始まり、創業者の鳥井信治郎氏をモデルにした鴨居社長を堤真一さんが演じて人気を博しました。今回の決算は、サントリー食品インターナショナル、ビームサントリー、サントリースピリッツ、サントリービール、サントリーワインインターナショナルなど、グループ企業を合わせた連結決算です。ビールの「プレミアムモルツ」、ウイスキーの「角瓶」、お茶の「特茶」、缶コーヒーの「BOSS」など、サントリーのCMを見ない日はありません。食品、清涼飲料、ウイスキー、ビール、ワインなどを含めた総合力で頂点に立ちました。
グラフを見てください。国内の人口が減る中でもサントリーは売上高を右肩上がりで伸ばしてきました。カギは海外展開。米ビーム社の買収で蒸留酒の売上高は世界3位になりましたが、これに満足せず、120カ国に広がった販売網を生かしてさらに上をめざすというのです。
飲料、食品は私たちの暮らしにもっとも身近な商品の一つですし、サントリーをはじめとする大手の飲料・食品メーカーは就活でも常に大人気。その業界の首位交代です。対するキリンHDは今春、傘下のキリンビールの磯崎功典社長(61)が新社長に就く予定です。ビールでは首位のアサヒやサッポロも含め、今後の業界地図から目が離せませんね。各社がどんな戦略を立てているのか企業研究してみましょう。
一見華やかな業界ですが、こうした業績も地道な営業あってのこと。採用や仕事については「人事のホンネ2015シーズン第10回 サントリー 仕事は泥臭くハードだが『やってみなはれ』 価値観を聞きたい」もぜひ読んでみてください。他のサントリー関連のコラムのリンクも下記に貼りました。
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