2015年02月18日

信託には社会保障の知識が必須!どんな仕事も日々「勉強」

テーマ:経済

ニュースのポイント

 「人事のホンネ」の取材で昨日、三菱UFJ信託銀行の採用担当者にインタビューをしてきました。信託の仕事はとても専門的なため、入社後2~3年の間に14もの資格を取る必要があるそうです。大学を卒業したら勉強しなくていい、と思っている人はいませんか。実は、どんな仕事にも「勉強」はついてまわります。

 今日取り上げるのは、総合面(7面)の「教えて⁉税と予算/高齢者の暮らしは?/年金・医療費、厳しく/子へ資産譲りやすく」です。
 記事の内容は――2015年度の政府予算案と税制改正法案が国会に提出された。税制がどう変わり、生活や企業の活動にどう影響するか検証する。年金では、「マクロ経済スライド」が初めて適用され、物価や賃金の伸びほどには年金が増えないため、生活実感では「減額」となる。2014年度以降、新たに70代になった人の医療費の窓口負担が1割から2割に上がり、介護保険制度も変わる。2015年度予算案の社会保障費は31.5兆円、10年間で1.5倍になった。この間、65歳以上の高齢者は2576万人から3324万人になり、今後も社会保障費は増える。国の予算の4割は借金頼み。将来世代につけを回し続ける今の税と予算の仕組みは限界だ。政府は社会保障サービスをさらに見直す方針で、お年寄りには厳しい負担増やサービス縮小が続きそうだ。税制改正法案では、生前贈与で住宅・教育資金を信託銀行の口座などを通じて子や孫に非課税で渡せる制度が延長・拡充される。信託各行は結婚や出産、子育て資金を贈与する口座開設の準備を本格化させる。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 昨日お話を聞いたのは三菱UFJ信託銀行人事部採用グループの主任調査役・岸本博一さん。「人事のホンネ」掲載はまだ先ですが、金融機関や信託銀行に興味のある人にはとてもためになる話をたくさんうかがいました。楽しみにしていてください。

 印象的だったのは、「この会社に入るとずっと勉強」というお話です。他の銀行や証券会社でも入社後に7~8個の資格は必要だそうですが、信託銀行は、資産運用、不動産運用、証券代行など極めて専門的な仕事が多いため、その後も業務内容に応じてさまざまな資格を取る必要があるそうです。今日の記事に登場する税制改正も複雑です。こうした相続、贈与や資産管理に関わる仕事は信託銀行のど真ん中の業務です。社員のみなさんは新しい制度を一生懸命勉強しているはずです。

 資格が必要とは限りませんが、どんな仕事にも「勉強」はついて回ります。新聞記者の場合、資格はいりませんが、取材する分野についての知識は不可欠です。新人記者はみんな警察を担当し、事件事故の取材をします。いつ、どこで、何があったのか、という事実関係を正確につかみ、記事にするという記者としてのイロハを学ぶのに最適だからです。私が先輩に言われて入社直前にしたのは、刑法と刑事訴訟法の勉強です。法学部出身ではないので、やさしそうな専門の本を買いました。基本的なことを知らなければ警察官や検事とまともな話もできないからです。高校野球を担当したときには、野球のルールブックで細かいことまで学び、スコアブックの付け方も教わりました。政治部では、基本的な政治の仕組みを復習し、社会保障の政策取材のために、年金や医療、介護についても勉強しました。取材しながら知ったり、取材相手に教わったりしてOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で学ぶことも多いのですが、記者の仕事もずっと勉強です。

 メーカーなら製品に関する基礎知識、最新の技術を学ばなければ仕事にならないでしょうし、商社なら貿易実務は必須でしょう。勉強が好きな人も、そうでない人もいると思いますが、おそらくまったく「勉強」しなくて済む仕事はないでしょう。岸本さんは「求める人材」の一つに「勉強を続けられる人」を挙げました。今からその覚悟だけはしておいてください。

 みなさんが今取り組んでいる業界・企業研究も「勉強」の一つです。しっかり「勉強」して、自分に向いている企業を見つけてくださいね。

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