ニュースのポイント
新聞には記事だけでなく、多くの広告が載ります。新聞広告には、商品やサービスをPRする通常のもののほか、企業の姿勢や取り組みなどを取り上げる「広告特集」があります。今日は、中東・カタールのタミム(タミーム)首長来日を機に同国を紹介した広告特集と、環境問題に取り組む企業を紹介した「地球教室」が載りました。広告紙面を企業研究に生かしましょう。
今日取り上げるのは、①5面の「カタール国 タミーム首長殿下の来日を心より歓迎申し上げます。」と、②19~23面の「地球教室/未来につながる環境教育を」です。
内容は――①日本とカタールは、外交関係樹立以来40年以上良好な関係を構築してきた。日本にとっては液化天然ガス(LNG)が世界2位、原油は3位の供給先であり、エネルギーの安定供給に欠かせない友好国と紹介。東日本大震災の復興を支援する「カタールフレンド基金」を紹介し、同基金親善大使で俳優の別所哲也氏のコメントも。紙面下には、日本とカタール計12社が企業名の広告を載せた。
②朝日新聞の環境教育プロジェクト「地球教室」は、学校・行政・企業が一体となって子どもたちに国内外の環境問題を学んでもらう取り組み。旭化成、ロッテ、三井物産、ナブテスコの4社が各地の小学校で行った出張授業や体験型イベントの様子を1ページずつ使って紹介した。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
広告特集の紙面には「企画・制作 朝日新聞社広告局」の文字があります。朝日新聞社の広告局が企画し、各企業に提案して一緒につくった紙面ということです。カタールの広告特集に名を連ねているのは12社。国営航空会社・カタール航空以外を並べると――岩谷産業(産業ガス)、エルエヌジージャパン(LNG事業)、双日(総合商社)、第一実業(プラント)、千代田化工建設(プラント)、丸紅(総合商社)、三井住友銀行(メガバンク)、三井物産(総合商社)、三菱商事(総合商社)、三菱電機(電機メーカー)、三菱東京UFJ銀行(メガバンク)。
銀行以外は、ふだんあまり広告では目にしない社名が多いですね。このように社名だけをずらっと載せるものを、業界では「名刺広告」と呼びます。この紙面を見ると、11社がカタールのエネルギー開発や輸入などに深く関わっているということがわかりますよね。各社のホームページで、カタールや他の産油国との関わりを調べてみてください。
「地球教室」の紙面からは、各企業の環境問題への取り組みや姿勢を知ることができます。
◆旭化成/旭化成ホームズ=すだれや断熱材などを使った体感温度の実験で熱の性質について知り、身近な省エネを学習
◆ロッテ=「コアラのマーチ」にちなみ、コアラの生態調査やユーカリ植樹などをする「オーストラリア・コアラ基金」に賛同、保護活動に協力していることや、お菓子の製造・包装などの過程での省エネ、リサイクルの取り組みを紹介
◆三井物産=全国74カ所の社有林での林業の取り組みを紹介。国産材を使った製品を選ぶことが日本や世界の森を守ることにつながるなど「木づかい」を学ぶ
◆ナブテスコ=国内の半数近いシェアをもつ自動ドアで冷暖房の無駄を省けることなど省エネについて学び、新世代の自動ドアについても紹介
広告特集の下には、各社の通常の広告も掲載。旭化成が燃費性能のよいエコタイヤを紹介するなど、各社はここでも環境問題への取り組みをPRしています。志望する企業の広告は見逃せません。広告業界志望の人も日々広告紙面で研究してくださいね。
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