あきのエンジェルルーム 略歴

2015年12月17日

メリークリスマス! ホワイトでも、ブラックでもなく、欲しいのはプラチナ♪ ♡Vol.60

 いつも心にエンジェルを。

 もうすぐクリスマスですね。サンタさんは私のところにも来てくれるでしょうか。私は金属アレルギーで、ネックレスやイヤリングをつけるとてきめんに肌がかゆくなってしまうのですが、金、銀はダメでも、なぜかプラチナだけは大丈夫。というわけで、アクセサリーはもちろん、プラチナカード、プラチナ会員、プラチナシート……、プラチナという単語を見ると、思わずフラフラと引き寄せられてしまいます。

 それはさておき、「今日の朝刊」(12月9日)でも木之本編集長が紹介していますが、今月、朝日新聞社がイクボス企業同盟に加盟しました。マスコミ業界では初めての加盟です。突発的な事件事故への対応が欠かせない業態、長時間労働が慣習となっている現状、課題は山積みですが、働きやすい職場への一歩を踏み出したことは間違いありません。前向きにとらえて、組織改革に積極的に取り組んでいきたいと思っています。
 そんな弊社がいま「ぜひ取りたい」と思っている国の“お墨付き”が、厚生労働省が認定する「プラチナくるみん」です。プラチナ? くるみん? みなさんにとっては「何それ?」という話かと思います。
 花びらから赤ちゃんが顔をのぞかせているようなロゴ、これが「くるみん」マークです(画像:厚生労働省HPより)。子育て支援に熱心な企業」をアピールできるよう、2007年に、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき、厚生労働省が認定をスタートしました。朝日新聞社も2013年に認定を受けています。しかし、この「くるみん」、「男性の育児休業取得1人以上」(え、たった1人でいいの?)、「残業削減の取り組み」(実績じゃなくて?)、など意外にハードルが低いものでした。
 それもあって、2015年3月末時点で、大小合わせて2138社が認定を受けています。あまりに多いとせっかく「くるみん」を取得しても、ありがたみがないですよね(そういいつつ、名刺に印刷している私……)。
 実際、両立支援の制度が整っている企業は毎年のように認定を受けている一方で、資料提出など申請作業の手間が煩雑なわりにスペシャル感がなく、取得してもメリットが少ない、という意見もありました。
 そこで今年、新たに誕生したのが「プラチナくるみん」です(画像:厚生労働省HPより)。

 ご覧の通り、花びらの間からのぞかせている頭の上にキラキラ輝く王冠が乗っています。王子様感のあるマントもはためかせていますね。マントの色はカンパニーカラーに合わせて選べます。導入は2015年4月、対象はすでにくるみん認定を受けている企業のうち、さらに高い水準をクリアした企業です。つまり「プラチナくるみん」は「最高級」の子育て支援企業だけが得られる“お墨付き”。現時点では希少価値も高いので、マスコミなどで報道されることも多いですし、企業の「取得意欲」も高いのです。
 プラチナ、というだけあって、ただのくるみんとは格が違います。

 認定基準はいろいろありますが、主なものでは男性の育休取得率が「13%以上」などがあります。ちなみに「13%」は、国が2020年までの目標として掲げている数値です。全国平均が「2.3%」ですから、ハードルの高さがよくわかりますね。「女性の育休取得率75%以上」「両立支援の実績公表」など、くるみんの認定基準はもちろん、長時間労働の解消にも取り組まねばなりません。
 くるみんでは「計画策定」や「実施」だけでよかった残業削減や有給休暇取得促進も、プラチナでは、「(数値)目標を定めて実施し、達成する」という「実績」が不可欠になりました。それに加え、「平均週労働時間が60時間以上の労働者の割合が5%以下」「平均月時間外労働(残業)時間が80時間以上の労働者が1人もいないこと」のいずれかを満たしていないといけません。「俺、先月残業時間100時間超えちゃったゼ!」的な言動が行き交うような弊社の場合、確かに簡単には取れなさそう~。

 もちろん、プラチナくるみん企業に認定されると企業にもメリットがあります。耳慣れない言葉ですが「割増償却」という税制優遇措置が受けられます。くるみん認定でももちろん同種の優遇措置は受けられますが、プラチナになるとその率がさらに増え、適用される年度の法人税を抑えることができます。従業員300人以下の企業は、認定基準がやや緩和されていますので、取得しやすくなっています。
 導入されて半年、どんな企業が輝く「プラチナ」の称号を得たのか、気になりますよね?

 プラチナくるみんは、くるみん同様、本社所在地の都道府県単位で労働局が認定していて、11月末時点で、すでに20社以上が認定を受けています。主な企業は以下の通りです(順不同)。

・リコー(東京)
・ユニチャーム(同)
・NHK(同)
・イトーヨーカ堂(同)
・住友商事(同)
・T&Dフィナンシャル生命保険(同)
・日産自動車(神奈川)
・高島屋(大阪)
・武田薬品工業(同)
・ホシザキ東北(宮城)
・山形銀行(山形)
・ネスレ日本(兵庫) ほか
 
 「社名」と「プラチナくるみん」で検索すれば、発表時のプレスリリースなどを見ることができます。どういう取り組みをして、何が評価されたのか、おおよその内容がわかります。ここに掲載されてなくても、志望企業がはっきり決まっている人は、「社名」×「くるみん」だけでも検索してみてください。くるみん認定だけでは、安心はできませんが、その情報の周辺に、福利厚生や両立支援についての詳しい制度などが紹介されている可能性が高いですから、ぜひチェックしてみてください。
 このコラムでは女性がライフイベントなどに左右されず働き続けやすい企業、エンジェル企業の見分け方をたびたび紹介していますが、女性管理職の比率、男女の平均勤続年数の差など、一つの指標でなく、複数の指標を組み合わせて判断することが必要です。
 「プラチナくるみん」もその指標の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

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