社員同士の不公平感をいかに払拭するか。その難題に取り組んでいるのが、前回、名前を挙げたレーザー専門商社の日本レーザー(JLC)です(前回も読んでね)。
社員数は約60人。21年前、経営危機に陥っていた同社に、親会社である電子顕微鏡のトップメーカー日本電子から社長が派遣されてきました。それが現社長の近藤宣之さん(71)です。当時、近藤さんは親会社の最年少役員。立て直しのための、いわばエースの投入でした。
もうかっていない会社が真っ先に手を着けるのが人件費の削減です。しかし、近藤社長は就任早々、「リストラはしない」「雇用を守る」と宣言します。そして、一人も解雇せずに、就任1年目から日本レーザーは黒字に転換、2年目には復配(株主への配当金支払いの復活)も達成しました。