なおこの就活道場 略歴

2015年12月07日

あの有名企業も調べられる! 非上場企業の決算紹介サイトで手間暇かけた就活を(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その17)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです。毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 就活をすすめていくとぶつかりがちな悩みが「手駒不足」です。エントリーする会社を有名会社だけ、もしくは志望業種だけに絞ってしまった結果、就活途中で選考に残っている会社がなくなってしまうこと。焦ってよく知らない会社や業種に飛び込んでしまい、あとあと後悔することにもなりかねません。エントリーする会社は知名度にとらわれず広めにさがすのがセオリーです。

 といっても、なじみのない会社について情報をあつめるのはなかなか大変。会社のホームページには基本的にいい面しか書いていませんし、上場している会社ならば財務状況(どれくらい利益をあげているか、どれくらい資産があるかといった情報)をウェブで公開していますが非上場企業はそういった情報を調べるのも一苦労です。

 そんな非上場企業の財務情報を「官報」などから集め、「1分から読める注目の非上場企業決算情報」として1社ずつわかりやすく解説しているブログが「NOKIZAL決算速報」です。(リンクは下欄)「NOKIZAL」は、会社名を検索するだけで会社が公開している所在地情報や連絡先、ニュースリリース、財務状況に加えて非上場企業の財務情報といった情報にも簡単にアクセスできるアプリ。そこからスピンアウトしたこちらのブログは現在平日毎日更新中、12月までに約40社が紹介されています。たとえば12月2日の記事の見出しは、
「かつてのPC販売の雄だが今はあのポーズしか浮かんでこないソフマップの純損失4億円」
 昔はパソコン小売り店といえばここ、というくらい一世を風靡したソフマップ社の決算について、会社の盛衰やいまのビジネスモデルについても触れながら紹介しています。(あのポーズについては各人ご調査ください)志望業界や会社選びに苦労している学生にとってもかなり参考になるブログだと思います。
 ブログを書いているのは、「NOKIZAL」を立ち上げたプレインワークス社長の平野健児さんです。Web広告営業やWebサイト、アプリ開発などIT畑でキャリアを積んできましたが、大学時代は歴史を専攻。会社紹介に司馬遼太郎のような歴史小説の要素もくわえたいと、単なる財務分析にとどまらない社の歴史やエピソードを盛り込んだ記事を書くようになったとか。

 「企業紹介にエンタメ性を加えたい、と考えています」

 こういった情報をどう使えば、いい就活ができるか。平野さんはそんな問いに「大切なのは自分にとって譲れないポイントを考えること」と言います。

 「会社選びは部屋選びと同じです。部屋選びは間取り、家賃、日当たり、交通、いろいろな条件の中から譲れる条件と譲れない条件を考えて選んでいく。会社選びでも、例えば少々無理をしていても急成長している会社がいいか、根強いブランドを持ち安定した経営をしている会社がいいか、自分の譲れないポイントを見極めることが大切です」

 そもそも、会社の情報をいろいろあつめて自分にあった会社を探すのはなかなか骨が折れるものです。ただ、平野さんは断言します。

 「このタイミングで効率ばかり考え、情報をあつめず自分をごまかしても一生苦労するだけ。コストパフォーマンスばかり考えても成功はありません

 就活とは学生と社会がガチでふれあう最初の機会、と平野さんは言います。そこで手を抜くようでは社会に出ても大変な目にあうだけ。自分にあった会社を探すための情報集めは、社会で活躍するための予行演習でもあるわけです。

 名の通った会社に入らなければ、とプレッシャーを感じる学生に対しては「そもそも新卒採用をしている時点で日本トップ級の会社なんです」とも発破をかけます。現在はビジネスマンの利用がほとんどというNOKIZALですが、ぜひ皆さんも社会人の予行演習と思って活用してみてください。

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