2014年11月25日

「海外で働く」行動力に学ぶ!短期就業体験も

テーマ:就活

ニュースのポイント

 どうしても海外で働きたい人、ちょっとでも海外での仕事に興味がある人、海外でのインターンシップを体験してみたい人へのヒントがたくさん詰まった連載記事「働く アジアという生き方」を紹介します。エントリーシート(ES)のために海外短期就業体験に参加した女子学生もいます。登場人物の行動力に学びましょう。

 今日取り上げるのは、国際面(9面)の「働く アジアという生き方/起業@シンガポール㊤『脱出ゲーム』の伝道師」です。
 記事の内容は――日本生まれの「リアル脱出ゲーム」がシンガポールで人気だ。2年間に7回、延べ6600人が参加した。主催しているのは、斎藤真帆さん(35)が5年前に立ち上げたイベント企画会社ヴィヴィッド・クリエーションズ。企業の商品展示会やコンサート、落語など興業の企画や会場設営などを手がける。東南アジア進出を加速させる日系企業が顧客の7割を占める。日本で出版社に勤めていた斎藤さんは、先輩女性の待遇を見てキャリアを積む自分が想像できず、海外就職を目指してまず国内の人材派遣会社に登録。日本企業のプロジェクトで1カ月ほど台湾で働いて「海外で働くハードルは高くない」と自信がつき、シンガポールの日系物流会社に現地採用された。日本の音楽家が現地で開いたライブを手伝ったのを機に「日本のコンテンツを海外につなげる仕事って面白い」と自分が橋渡し役になろうと決心し、起業した。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 連載第1回の10月15日にも、今日の朝刊「アジア現地採用で『やりがい』を見つけた日本人!」で記事を紹介しました。日本の大企業の海外駐在員から現地の会社に転職したり、日本での会社員生活に飽き足らず海外で起業したりした人の紹介記事が中心ですが、学生を含む日本人の海外就職支援事業をしている人も登場しました。

 「起業@クアラルンプール」の回に登場したのは、マレーシアで起業・就職したい女性を支援する会社「JMKコンサルティング」を立ち上げた今西佳子さん(24)。クアラルンプール郊外の3人1部屋のシェアハウスに海外生活が不安な女性を受け入れ、起業や就職への助走期間として英語の習得やインターン先探しも手伝っています。今西さんがブログ「マレーシア・ライフスタイル」に、「日本の多くの若者に足りないのは責任感だと思う。周囲に流されず、自分の決断に、行動に、人生に責任を持っていこう」とのメッセージをつづったところ、夢と現実のギャップに悩む大学生からの問い合わせが一気に増えたそうです。

 短期間の海外就職体験事業を展開しているのは、「起業@プノンペン」に登場した森山たつをさん(38)。カンボジアのプノンペンに2014年1月、「サムライカレー」というカレー屋を開店。海外での就職を目指す人を日本から連れてきて、有料で実地研修をしてもらうビジネスです。毎月2~6人の研修生が約17万円の研修費用を払い、スタッフとして1週間から1カ月間、地元企業への営業や現地従業員採用面接などの実務をします。弁護士志望の中央大学法学部2年の男子学生(20)は、サムライカレーを法人化するための手続きを任され「生きた勉強になった」と話しました。法政大学3年の女子学生(21)は就活でESに書くことがないと気づき、父親に「人生経験を」と勧められて参加したそうです。

 連載に登場する人たちが海外で働き始めたきっかけや働き方はさまざまですが、海外には興味がない人も、登場人物の「行動力」は見習ってほしいと思います。一般的に「就活目当て」の行動は、中身が伴わないと面接で突っ込まれてボロが出るものです。それでも、何もしないよりは行動した方がいい。最後に紹介した法政の学生の就業体験は「ESに書くため」がきっかけでも、中身次第でかけがえのない貴重な経験になったはずです。海外体験に限りません。みなさんも、行動、チャレンジが大切ですよ。

※朝日新聞デジタルの無料会員は1日3本の記事全文を、有料会員になればすべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。ぜひ登録してください。

アーカイブ

テーマ別

月別