2014年08月08日

少子高齢社会 ビジネスチャンスは?

テーマ:社会

ニュースのポイント

 日本は本格的な「人口減時代」に入っていきます。安倍政権は「人口1億人維持」の目標を定め、少子高齢化に歯止めをかけようと、あの手この手を考えていますが、なかなか容易ではありません。あらゆる業界の企業にとっても、人口減少と少子高齢化への対応は最大の課題であり懸案です。

 今日取り上げるのは、10面の「人口減にっぽん 近未来からの警告/後手の少子化対策」です。1面には「東京 そこにある老い」、2面には「少子高齢 ひずむ国」が載っています。
 記事の内容は――終戦直後7000万人余りだった日本の人口は、2008年の1億2808万人をピークに減り始め、これから数十年、近代ではどの国も経験したことのないスピードで減り続ける。出生率(しゅっしょうりつ、しゅっせいりつ)が今のままなら2048年に1億人を割り、100年後には4300万人と今の3分の1に。同時に「超高齢化」が進み、地方は「自治体消滅の危機」に直面する。これまで政府は様々な少子化対策を打ち出してきたが、子育てを親の責任にとどめず、社会全体で支援する枠組みをつくらない限り人口減少は止まらない。出生率が回復し、海外からの移民を毎年20万人受け入れれば1億1000万人を維持できるが、移民受け入れには抵抗感を持つ人も多い。世界全体では人口は増え続ける一方、欧米など先進国では高齢化が進む。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 人口が減ると、そのぶん需要や消費は減りますから、日本全体の経済規模が小さくなるのは避けられないでしょう。ただ、減るにしても増えるにしても、変化が起こるところには新たな需要も生まれます。ビジネスチャンスがないか、今日の紙面に出ているデータからいくつか考えてみましょう。

◆進む「超高齢化」◆65歳以上は2948万人で全体の23%(2010年)→3867万人、36.1%に(2040年)
 今後30年近く増え続け、人口の「4人に1人」が「3人に1人以上」になる。介護、医療産業はますます重要に。元気な高齢者も増えるため、スポーツや旅行、レジャーなどでも高齢者向けの商品、サービスの需要が増えそう。

◆単独世帯増◆32.4%(2010年)→37.2%(2035年推計)
 一人暮らし用の住宅、家電、食品など「おひとり様」向けグッズやサービスが求められる。

◆進む非婚化◆50歳までに一度も結婚したことがない「生涯未婚率」は男性20.1%、女性10.6%で上昇傾向
 中高年向けの「婚活」産業拡大か。

◆世界の総人口増◆72億人(2013年)→96億人(2050年)→109億人(2100年)
 世界の需要は確実に増える。アフリカは2100年に今の4倍の11億人に。そのころ、アジアとアフリカで人口の8割を占める。食糧、水、エネルギー不足が懸念されている分、関連業界には大きなビジネスチャンスもありそう。さまざまな業界が、競ってアフリカに進出するだろう。

◆世界の高齢化◆先進国の60歳以上の割合23%(現在)→32%(2050年)、アジアは11%→24%
 「高齢化先進国」日本の様々な高齢者向けビジネスに海外展開のチャンス。

 日本の人口が1億人を割り込むという「34年後」のことを言われても、ピンと来ないと思います。細かな数字を覚える必要はありませんが、ポイントとなる数字と大きな傾向は押さえるようにしてください。少子高齢化が、目指す業界にどんな影響を与え、そこにどんなビジネスチャンスが生まれるのかを考えましょう。どの業界にとっても重要なテーマです。

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