2014年08月07日

甲子園9日開幕!「好き」を仕事にするには

テーマ:就活

ニュースのポイント

 夏の甲子園の季節がやってきました。全国高校野球選手権大会が9日に開幕します。今年も2週間にわたって熱戦が繰り広げられるでしょう。高校野球が大好きで、できれば大会や甲子園に関わる仕事に就きたいと考えている人がいるかもしれません。甲子園を一例にして、7月25日に続き「好きを仕事にする」ことについて考えます。

 今日取り上げるのは、スポーツ面(18面)の「甲子園球場90年 私と甲子園/実況席で大きさを実感/赤江珠緒さん 元朝日放送アナウンサー」です。
 記事の内容は――小中学生のころ甲子園のある西宮市に住んでいたため、甲子園での運動会があったり、高校野球や阪神戦を見たり、身近だった。存在の大きさを体感したのはアナウンサーになってから。入社3年目に高校野球のテレビ実況を任された。ドキドキして逃げ出したかったが、今でも怖い仕事があった時、「あの実況を乗り越えられた」と思うと楽になれる。あの経験が支えになっている。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 私が甲子園球場を初めて訪れたのは27年前。青森支局の野球担当記者として、県代表の八戸工大一高の甲子園練習に同行しました。グラウンドに出て黒土の上に立ってみて「じゅうたんみたいにふかふかだ」とびっくりしたのを覚えています。夢中で取材に走り回るうちに終わってしまいました。「高校野球の聖地」のオーラを感じたのはその20年後。朝日新聞社の採用担当部長として、春の内々定者の「甲子園研修」に同行したときです。観客席の階段を上がりグラウンドが見える瞬間、体が熱くなって震えるような感覚に襲われました。グラウンドの鮮やかな緑と白いスタンド、真夏の熱気と大歓声……。その後も甲子園に行くたびに同じ感覚を覚えます。出場を目指す高校球児だけでなく、多くのファンをとりこにする場所です。

 高校野球や甲子園に関わる仕事ができる会社を考えてみましょう。甲子園球場を経営する阪神電鉄、阪神タイガース球団、高校野球選手権大会を主催する朝日新聞社、試合を中継するNHK、朝日放送。さらに、球場に出入りする飲食や施設関係、大会のPR関係、売店に並ぶ甲子園記念グッズメーカーなど、たくさんの会社があるはずです。大会の主催者である朝日新聞社の場合、記者になったら入社1年目から県大会の取材をし、2~3年目にはメーンの担当として甲子園に同行します。スポーツイベントを担当する企画事業本部、広告局、販売局、デジタル本部などでも高校野球関連の仕事に携わることがあります。

 私の知り合いに、東北楽天イーグルスの球団職員から朝日新聞の契約社員を経て、今はプロ野球球団の公式グッズなどをつくる会社で働いている女性がいます。大好きな野球に関わることが、彼女の仕事選びの軸なんですね。あなたも、自分が「好き」なことに関わっている会社を探してみてください。

 ただし、「好き」なだけではダメです。朝日新聞社が開く就活セミナー「朝日学生キャリア塾」で昨日、第1志望のAV機器メーカーに内々定した先輩が体験談を話してくれました。去年の秋のキャリア塾に参加した女子学生で、もともとマニアと言えるほどのオーディオ、ヘッドホン好き。3年生の夏から小さなヘッドホン店でアルバイトし、家電量販店に毎週通い、オーディオの展示会に数十回参加していろんな会社の社員と顔見知りになり、商品知識を深め、売れ筋や値動きを確かめ、自分なりのアイデアも練るなど努力を重ねました。面接では社員がうなるほどだったそうです。

 採用選考には同じような「好き」な人が集まりますから、それだけでは選ばれません。好きを仕事にしたい人は、誰にも負けないよう突き詰めてください。この学生は「就活、楽しかったですよ。もう一度やれって言われたら嫌だけど」と振り返りました。もともと好きだから、苦労も楽しめたんですね。

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