ニュースのポイント
日本のコンビニ各社が中国内陸部への進出を競っています。これからは北京、上海といった沿岸部の大都市から、内陸部に主戦場が移っていきそうです。世界の企業が内陸部に工場をつくっています。なぜ内陸部が注目されるのでしょう。
今日取り上げるのは、経済面(8面)の「コンビニ 中国内陸に商機/日系が続々進出/安いコスト 需要増見込む」です。
記事の内容は――最大手のセブン―イレブンは15日、中国内陸部の大都市・重慶で旗艦店を開店。中国の飼料大手・新希望集団や三井物産と共同出資する会社が運営する。ローソンやファミリーマートも重慶や四川省・成都に進出した。日系コンビニ大手は、消費者の購買力が高い沿岸部の大都市を中心に店を増やしてきた。セブンは北京、ローソンとファミマは上海を足がかりにしてきたが、近年は店舗の家賃や人件費などのコスト高騰と、現地資本のコンビニの勢力拡大が逆風に。そこで各社が注目するのがコストが安い内陸部。特に四川省と重慶の人口は合計1億人を超え、都市化も急速に進む。消費意欲も高く、オフィス街や商業施設でのコンビニ需要が有望視されている。成都には2011年にセブン、12年にはファミマも出店。ローソンは10年に重慶に出店し、13年末には77店になった。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
経済面の地図にあるように、これまで中国の大都市といえば、北京、上海、広州など沿岸部に集中しており、日本の企業の進出もこうした地域が中心でした。ただ急成長が続いた分、人件費、不動産などコストが高騰、まだ比較的コストが安い内陸部が注目されています。中でも成都には、米インテル、独シーメンス、台湾・鴻池精密工場など世界中のIT企業の工場が進出し、毎年のように全国平均を上回る成長を続けています。内陸部の都市が成長すると都市住民の購買力も上がるため、商機も広がるわけです。
日中関係は、尖閣諸島や安倍首相の靖国神社参拝をめぐって対立が続いています。2012年に吹き荒れた反日デモや日本製品の不買運動のように、日本企業の経済活動には常にリスクがありますが、中国は13億人の人口を抱える巨大な市場です。各企業は、中国国内の地域ごとの状況にも目を凝らして市場開拓、拡大を狙っているのです。
コンビニ大手3社の中国の店舗数は、セブン約2000店、ローソン約400店、ファミマ約1100店。狭い日本に5万店近いコンビニがひしめいていることを考えれば、中国のコンビニの数は今後何倍にも増える可能性があります。他のさまざまな業界にとっても中国は魅力的な市場であり、内陸部の経済発展は日本の企業にとっても大きな関心事です。中国でビジネス展開をしている日本企業はたくさんあります。志望業界や企業の中国進出度を調べてみてください。
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