2014年01月17日

芥川賞、直木賞ってどんな賞?

テーマ:文化

ニュースのポイント

 芥川賞と直木賞が発表されました。今回の両賞は150回の節目ということで、いつも以上に注目されました。国内でもっとも有名な文学賞である芥川賞・直木賞を聞いたことがない人はいないと思いますが、そもそもどんな賞か知っていますか?

 今日取り上げるのは、社会面(38面)の「芥川賞・小山田さん 直木賞・浅井さん・姫野さん」です。
 記事の内容は――第150回芥川賞・直木賞の選考会が開かれ、芥川賞は小山田(おやまだ)浩子さん(30)の「穴」(新潮9月号)に、直木賞は朝井まかてさん(54)の「恋歌(れんか)」(講談社)と姫野カオルコさん(55)の「昭和の犬」(幻冬舎)がそれぞれ選ばれた。前回に続き全員女性だった。副賞は各100万円。贈呈式は2月中旬に開かれる。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

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 1月10日の夕刊1面に載った「芥川・直木賞 脈々150回/作家、生涯の支えに/権威低下の指摘も」などをもとに、両賞について学びます(文中敬称略)。
 文芸春秋を起こした菊池寛が2人の亡き友、芥川龍之介、直木三十五(さんじゅうご)の名を冠する賞を創設したのは1935年。芥川賞は芸術性を重んじる純文学の新人作家に、直木賞は大衆文学の中堅作家に贈られます。戦争中の一時期を除き夏と冬の年2回続き、今回の分を合わせると芥川賞155人、直木賞179人の受賞者を輩出してきました。ほかにも谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、吉川英治文学賞、三島由紀夫賞などがありますが、知名度が高く注目される芥川・直木賞の受賞は作家にとって生涯の支えとなる肩書です。

 芥川賞の主な受賞者には、安部公房、松本清張、遠藤周作、開高健(かいこう・たけし)、大江健三郎、中上健次、村上龍らがいます。1955年度の石原慎太郎「太陽の季節」の受賞が社会現象になり広く知られるようになりました。2003年度には史上最年少の19歳だった綿谷りさと20歳だった金原ひとみの受賞がメディアをにぎわせ、11年度は「もらっといてやる」発言で田中慎弥が話題になりました。
 直木賞の主な受賞者にも、井伏鱒二、山崎豊子、司馬遼太郎、池波正太郎、角田光代、東野圭吾、三浦しをん、池井戸潤ら人気作家が名を連ねます。

 一方で、芥川賞を熱望したのにもらえなかった太宰治に始まり、村上春樹、よしもとばなな、島田雅彦などの著名な作家が受賞していません。直木賞も伊坂幸太郎、横山秀夫に与えていないなど、作家の旬を逃すといった批判もあります。「売りたい本が直木賞で選ばれない」という書店員の不満から2003年に生まれたのが本屋大賞。受賞作の売れ行きでは直木賞を追い抜き、昨年の受賞作、百田尚樹「海賊と呼ばれた男」は上下巻計170万部のベストセラーになりました。

 とはいえ、芥川賞・直木賞は出版界最大の「お祭り」です。今回は150回ということもあり、主催者は候補作の発表を例年より早めたり、直木賞の選考委員に高村薫、東野圭吾という人気作家を加えたり、話題作りに努めました。背景には出版物の売り上げ減少があります。両賞をめぐる話題は、マスコミ志望者にとっては必須の知識ですし、時事問題のテーマになるかもしれません。歴代受賞者の名前は確認しておきましょう。エントリーシートの「趣味」の欄に「読書」と書くだけでなく、こんな話題も語れると面接官との会話が広がりますよ。

 今日の生活面(30面)には「就活する君へ・番外編 昔と違う就職事情、親は理解し応援を」が載っています。私も同じ趣旨のことを「親カツセミナー」で就活生の親向けに話しています。君たちの親御さんが就活に余計な口出しをせず、必要なときには優しくサポートしてくれるよう、右ナビにある「親カツ‼ 親子で乗り切る今の就活」とともに読むことを勧めてみてください。

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