ニュースのポイント
年末年始、会社説明会もほとんどなく就活はひと休みですね。ESに取り組む、徹底的に企業研究をする、WEBテスト対策を終わらせる、あるいは就活は忘れてリラックスして心を整える……それぞれのやり方で力を蓄えてください。この間「今日の朝刊」はお休みします。年明けは1月6日再開の予定です。良いお年を!
今日取り上げるのは生活面(35面)の「就活する君へ④/分析に縛られずに自分の良さを確認」。精神科医の香山リカさんが就活で苦しい状況に陥ったときの心の持ち方について語っています。
香山さんのアドバイスは――多くの学生が就活に対して「漠然とした不安」を持っている。不安に思う項目を一つひとつ具体的に紙に書き出してみると、何が大学の相談窓口で解決できる悩みで、何が割り切って考えなければいけないことかがわかり不安を小さくできる。自己分析で得た「私らしい仕事」に縛られる人もいるが、プライベートを含めてトータルで私らしい人生であればいいと考えるべきだ。面接でうまくいかなかったり不採用になったりしても、運がなかったと気持ちを切り替えよう。人格が否定されたと落ち込む必要はない。面接官は偏った判断をすることも何となく決めてしまうこともある。心が折れそうになったら、読みたい本を読む、趣味のあう友達と遊ぶ。就活と関係ないことで自分のよさを再確認しよう。自分のよさを見抜いてくれる企業といつかは出会える。就活をあきらめないで。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
就活に不安を抱えているのは、あなただけではありません。今の採用選考は就活生に多くの負担を強いるシステムですから、みな少なからずストレスを抱え、不安を感じています。でも、だからこそ就活では気の持ちよう、気持ちの切り替えがとても大切です。香山さんが言うように、採用選考で落とされたからといって、あなたに「ダメ」の烙印(らくいん)が押されるわけではありません。「人事のホンネ」で朝日新聞社の岡本峰子採用担当部長は「落ちたのはたまたま面接官が合わなかったのかもしれません。内定者には『面接ブースが一つ違えば不合格だったかもしれないよ』と言います」と語っています。面接は人と人との出会いですから、相性も大きいのです。
かつて私自身が就活の際に心がけていた方法を一つ伝授します。面接の前には「俺を採らずに誰を採る」くらいに過剰に気持ちを盛り上げて、自信をもって臨みます。しかし面接を終えたら、どんなにうまくいった面接でも結果を出すのは相手ですから、「残念ながらここはダメだったかも」と割り切ります。次の企業の面接に気持ちを切り替えて、また自信満々で臨みます。先の企業から面接通過の連絡があれば、「ラッキー!」と人一倍喜んで次に進めます。
さて年末年始。採用選考本番までの最後のまとまった自由時間です。たとえば、親や兄弟に自分の小さいころからのエピソードを話してもらう、親や親戚に普段聞けない仕事の具体的な内容について聞く、志望度の高い企業のESを書き始める、志望企業についてホームページのIR(投資家)情報を見る、朝日新聞デジタルで過去1年分の記事を検索して読む、SPIなどのWEBテスト対策を済ます……など、時間に余裕があるときにしかできないことに取り組んでみてはどうでしょう。これからの就活が不安で仕方がないという人は、香山さんのアドバイスに従い、不安を一つひとつ具体的に書き出してみましょう。これまで会社説明会に連日参加してクタクタの人、就活漬けで疲れてしまった人は、この間は就活のことはきっぱり忘れて、家族や友達と過ごす、好きなことや趣味に徹する過ごし方もいいかもしれません。ただ、お正月はだらだら過ごしがちです。「1月○日からは再開するぞ」と決めておきましょう。私たち就活ニュースペーパー編集部もリフレッシュして、1月6日が仕事始めです。
スランプの脱し方については、「なおこの就活道場」第5回「就活は『やった感!』年末年始でテスト対策を終わらせよ」でも書いています。読んでみてください。充実した時間を過ごしてくださいね!
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