2013年12月26日

安倍政権、アベノミクス1年の評価 あなたなら何点?

テーマ:政治

ニュースのポイント

 安倍政権が発足して今日26日で1年が経ちました。看板政策「アベノミクス」で景気は上向いていますが、特定秘密保護法成立で見せた強引な手法に対する反発も強まっています。今日午前には「安倍首相が靖国神社参拝」という大きなニュースが飛び込んできました。中国・韓国が強く反発するのは間違いありません。あなたは安倍政権の1年に何点を付けますか? そして、これから何を期待しますか?

 今日は安倍政権1年を検証する記事3本、①1面の「座標軸/政権1年 民意を畏(おそ)れよ」、②4面の「安倍政権発足1年㊤/長期政権狙い変質」、③経済面(9面)の「検証アベノミクス2013①/企業優遇 潜むリスク」です。
 記事の内容は――①経済再生を最優先に掲げた安倍首相は当初、持論の憲法改正や歴史認識の見直しは封印し、アベノミクスで一応の結果を出した。成長戦略が動き出さないなか浮上した特定秘密保護法案には、「高支持率の政権でなければできない」と官僚が突っ走った。消費増税、原発再稼働、普天間飛行場移設、集団的自衛権、中国・韓国との関係改善などの難題に、多くの国民が納得できない政策を強引に進めるのか、経済再生という喫緊の課題に全力を傾注するのか。大切なのは民意を畏れることだ。
 ②10月の消費増税発表を境に、原発事故対応、コメの減反制度廃止、診療報酬改定など重要案件を菅官房長官が調整する局面が増え、首相は表向き決断から遠のいた。長期政権を視野に入れ、支持率が落ちる政策も進める方針に転換したが、菅氏が矢面に立ち首相が傷つくリスクを小さくする狙いだ。ただ、特定秘密保護法案の国会審議はもくろみ通りに進まず、内閣支持率は初めて50%を割り込んだ。
 ③景気は上向いたのは、アベノミクスで企業重視の政策をしたためだが、賃金アップにつながらなければ好循環は切れてしまう。格差や貧困への目配りは置き去りにされており、高齢者に多い「株を持つ富裕層」には恩恵が大きい一方、雇用の不安定な若者の暮らしは改善していない。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 安倍政権1年の評価は、経済政策と安全保障などその他の政策にわけて考えた方がよさそうです。まずは今年の流行語大賞にもなった「アベノミクス」についておさらいしましょう。日本銀行に大量のお金を市場に流し込ませる「金融緩和」、公共事業などで景気を支える「財政出動」、企業が稼ぎやすい環境をつくる「成長戦略」が、アベノミクスの「3本の矢」。第2の矢までは順調で、25日の日経平均株価は6年ぶりの1万6000円台に上昇、企業の業績も好調です。ただ、持続的成長につなげる第3の矢「成長戦略」が力不足で庶民の暮らしにはまだ恩恵が届いていませんし、来年4月の消費増税もあり今後が見通せない状況です。規制緩和など思い切った構造改革を打ち出せるかどうかに注目です。

 一方で、特定秘密保護法を強引に成立させたのを機に支持率は急落しました。憲法改正、集団的自衛権行使容認などの安保政策で、「総選挙が当分ない今しか実現できない」として、民意が慎重な政策を強引に推し進めるのかが2年目の注目点です。26日午前の靖国神社参拝は、現職の首相としては小泉氏以来7年ぶり。今でも「最悪の状態」と言われる中韓両国との関係がさらに悪くなるのは必至です。両国との経済関係、企業の活動にも大きな影響を与えることになるでしょう。

 今日は社会面(38面)にも「安倍流1年 喜怒哀楽」が載っています。高級品が売れる一方で、庶民の懐は温まらず、評価は二分されています。経済評論家の山崎元さんは経済政策を中心に「70点」と合格点を付け、学習院大教授(憲法)の青木未帆さんは特定秘密保護法を強引に通したことなど安全保障政策を中心に「0点」を付けました。安倍政権やアベノミクスへの評価は、面接でも話題になるかもしれません。今日の記事などから政策を知ったうえで、あなたも点数を付けてみてください。

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