ニュースのポイント
日立製作所が情報通信、鉄道分野の司令塔を欧米に移す方針を示しました。日立は、売上高の半分以上を海外で稼ぐ計画を立てており、その一環です。志望企業の最新情報、将来の戦略を知るには、朝日新聞デジタルや大学図書館の「聞蔵Ⅱ」など新聞記事データベースで、過去1年分の記事を集めて読み込むのが一番です。
今日取り上げるのは、経済面(8面)の「日立、司令塔海外へ/社長方針/情報通信・鉄道分野」です。
記事の内容は――日立製作所の中西宏明社長が、国内で担っていた事業戦略づくりの一部を来年以降に海外に移す方針を示した。情報通信はIT事業の拡大を進めている米国、鉄道は車両などの国際企画づくりの中心になっている英国の現地法人などに移すことを検討する。中西社長は朝日新聞などのインタビューで「市場が一番盛り上がるところに司令塔の機能を移したい」と話した。担当役員が現地に駐在し、社員も一部が現地に転じる。日立は海外の売り上げが好調で、今期(2014年3月期)の営業利益見込みは過去最高水準の5000億円。グループ売上高の41%を占める海外売上高を3年後に50%以上に延ばす計画を立てている。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
日本を代表する総合電機メーカー、日立の思い切った新戦略です。日立は、なぜこんなに海外展開に積極的なのでしょうか。過去の記事を読んでみてください。12月5日に「北米の売上高4割増を計画/日立」という記事が出ています。7月19日には「欧州生まれの日の丸車両/日立、英の鉄道866両受注/将来見据え現地拠点」の記事がありました。これらを読むと、日立がいま欧米でどんな事業を展開しているのかや、中長期戦略など今回の方針の背景が見えてきます。
各企業の面接では選考が進むにつれて、自己PRや志望動機といった定番の質問だけでなく、業界やその会社の事業に関する質問が増えてきます。たとえば「当社が競合他社との競争に勝つにはどうすればいいと思いますか?」「他社と比べて当社の強みは何だと思いますか?」「当社の事業展開で興味のある分野は何ですか?」「今後、この業界はどうなっていくと思いますか?」「当社の課題は何だと思いますか?」「当社の新しいサービスを考えてください」といったものです。企業のホームページや会社案内を読み込むのは当然ですが、他の受験者と差が付きません。そんなとき、新聞記事が大いに役に立つのです。今日の日立の記事のように、新聞には会社の事業展開や方針、戦略といった最新情報が載っています。記事を読んだうえで答えると、話に広がりと深みが出ますし、何よりも具体的な事実をもとに話せるので、説得力がぐんと増します。記事を読んでいない受験者と決定的な差が出ます。
志望企業の記事は、読むだけでなく、スクラップしておくことをお勧めします。ノートやスクラップ帳に貼っておくと、いつでも記事を読み返すことができます。大学や公共の図書館には、たいてい朝日新聞記事データベース「聞蔵Ⅱ」が入っていると思います。過去の記事についてはデータベースで調べましょう。このサイトの「教えて!先輩」コーナーに登場する内定者K.T先輩は、面接の事前準備について「面接の前は新聞や過去のデータベースを使って志望動機に盛り込めそうなネタを探していました」と話しています。
朝日新聞デジタルの会員になれば、過去1年分の記事検索ができます。朝日新聞デジタルで「日立製作所」を検索したところ、1456件の記事が出てきました。日立だけでこれだけの記事が読めます。日立の志望者には情報の宝の山です。企業研究に活用してください。
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