2013年12月11日

就活にどう使う?「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」

テーマ:メディア

ニュースのポイント

 「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)を読んだことがありますか? 毎週、特集テーマを掲げており、商社、金融、マスコミなどみなさんがめざす業界や企業を特集することも多い経済誌です。昨日は新聞記事を使った企業研究について書きました。メディアにはそれぞれ特徴があります。週刊誌でも、新聞とは違う角度から業界・企業研究ができますよ。

 今日取り上げるのは、オピニオン面(17面)の「リレーおぴにおん/老舗の流儀③週刊東洋経済編集長・長谷川隆さん/問題掘り起こし世に問う」です。この連載は、各界の老舗(しにせ)を担う人にインタビューして、受け継いでいる伝統や新たな時代への対応をうかがっています。
 記事の内容は――週刊東洋経済は1895(明治28)年創刊(当時は「東洋経済新報」)で、現存の週刊誌では日本最古だ。東洋経済を象徴する人物は石橋湛山(たんざん)=のちに首相も。編集責任者の主幹に就任した1924年から敗戦まで一貫して自由主義や植民地の放棄を主張して軍部から目の敵にされたが動じず、記事差し止めなどの処分を受けながらも発行を続けた。湛山は「会社四季報」を創刊し経営も支えた。現在、雑誌はスマホ全盛で厳しい時代を迎えており、グローバル化を意識し、企業人、生活人の視点を盛り込んだ誌面構成を心がけている。「経済を軸にして社会を見る」視点は不変で、3月の「ユニクロ 疲弊する職場」の特集はサービス残業の実態を報じて反響を呼んだ。新聞など巨大メディアが取り上げにくい問題を掘り起こして報じるところに雑誌の存在意義がある。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 週刊東洋経済は今年、ゼネコン、物流、エアライン&ホテル、電機、自動車などの特集号を出しました。2月には「日立に学べ」と題し、昨日この欄で取り上げた日立製作所を徹底特集しています。バックナンバーは、大きな書店に置いてありますし、在庫があればネット書店で注文できます。週刊誌は新聞が取り上げた企業ニュースを深く掘り下げたり、一つの業界を数十ページ展開して多面的に報じたりします。「いい話」だけでなく問題を抱えて苦境にある企業を取り上げることが多いのも特徴です。裏話が豊富で貴重な情報を得られることがあります。ただ、マスコミ特集で朝日新聞が取り上げられた際には「見方が一面的で大げさだなあ」と感じたことがあります。書かれていることを、そのままうのみにしないことも大切です。

 業界特集を載せる経済誌は、ほかにも「週刊ダイヤモンド」「エコノミスト」「日経ビジネス」などがあります。ダイヤモンドの今週号は「激烈 流通最終決戦」という派手な見出しが躍っています。朝日新聞出版が発行している週刊誌「アエラ」や「週刊朝日」にも業界や企業の記事が出ます。こうした週刊誌の多くは朝日新聞に毎週広告を出しています。広告の見出しを見て、興味のある業界が特集されていたら、手にとってみてください。

 一方、「会社四季報」は、データ中心の資料集ですから、客観的な企業情報を集めたいときに頼りになります。就活生向けの「就職四季報」も出ています。さらに、多くの出版社が発行している「業界地図」も業界研究にお勧めです。就活ニュースペーパーの「業界MAP」も活用してください。

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