2025年03月13日

新卒エージェントの強引な仕事に困る【26卒学生の就活ルポ27】

テーマ:学生の就活ルポ

 2026年卒学生の就職活動を適宜、「就活ニュースペーパー」で紹介するこのコーナー。 今回は、デザイン系の仕事を探す女子大生のアスカさんが登場します。昨年12月に希望していたベンチャー企業の最終面接に落ちたアスカさんでしたが、1月に入り大手メーカーから内定をもらうことができました。大企業で、現場での仕事も多く自分の志望する仕事につけるかは未知数ですが、多様な人材をかかえている大企業のよさも感じるようになり、入社に気持ちがかたむきつつあるといいます。一方、年明けに何社か新卒エージェントにも登録しましたが、強引に志望度の低い企業をすすめてくるエージェントも多く、困ったといいます。(編集部・福井洋平)
(写真はiStock)

【地方女子大 デザイン系学部 アスカさん】

■最終面接の日に内定通知書をもらう
 1月下旬に大手メーカーから内々定をいただきました。夏からインターンシップに参加していて早期選考のルートに乗り、1月下旬に最終面接があってその日に内定通知書をいただきました。2月いっぱいに返事をする必要があるそうです。

 最終面接は大阪の本部で、人事部の男性社員と1対1の面接でした。私の経歴の話や仕事関連の雑談など話が結構盛り上がって、1時間弱くらいになりました。ほかにもデザイン系の仕事ができる会社はあるのになぜうちの会社なのかという質問には、そのメーカーのメイン商材が日用品なので、普段つかうものにフォーカスして仕事がしたいということを伝えました。「働く目的は何ですか、それはこの会社で実現できますか」という質問も必ず聞かれるのですが、私はすべての人がいまより少しでも豊かになってほしい、と答えました。若いうちは店舗に配属されるのですが、いずれは商品開発や品質改善などにかかわる部署に行きたい、それ以外にも幅広い業務に興味がある、ということも伝えました。

■大企業にはいろいろな種類の人たちがいる
 面接官の方に「働く目的は何ですか」という逆質問をしたところ、入社したときと今とは目的が変わったというお話をしてくださいました。仕事に行き詰まって体調を崩したことがきっかけで、今はたくさんの弱っている人を支えたいという目的に変わったんだそうです。私はそれまでこの会社はとにかく仕事重視でテンションが高い人ばっかりだと思っていたのですが、そうではないという人も目の当たりにして、すごく印象的でした。大企業で自分はやっていけるのだろうかと前は思っていましたが、大企業には思った以上にいろいろな種類の人たちがいて、それでも会社が成り立っている。幅広くいろいろな専門性が伸ばせる環境もありそうで、そこにおもしろさを感じましたね。今は、入社の方向にかなりかたむいているところです。

 前に内定をいただいていたベンチャー企業には、そこを紹介してきた就活サービスサイトを通じて内定辞退の定型文を送ったらあっさりOKが出ました。一度会社の方と会ったときにその人の態度が悪くて私もついカチンときてしまい、あまりお互いに好印象を持っていなかったと思うので、ちょうどよかったです。

■新卒採用エージェント、あまり質のいいところがない
 年末に本命の企業に落ちてから何社か新卒採用のエージェントに登録したのですが、あまりよくないところも多いと思いました。あるエージェントでは企業に勝手に私の個人情報を渡していて、選考に進みたくないとエージェント側に伝えていたのに無視されて「なぜ選考に参加していないのか」とエージェントから怒りのメッセージが来たりしました。辞退したはずですが、と伝えたのですが、「なぜ辞退したのか」と聞かれるばかりで、これまで謝罪もありません。

 ほかのエージェントでも、オファーしてくる企業の選考を受けないとかありえない、という圧力をかけてくるところがあったりして、学生のことをすごく下に見ていると感じていやな気分になりました。大手メーカーの内定をとったとたん、それまで適当な対応だったのがいきなり優しい対応になったエージェントもいて、結局人じゃなくて経歴しか見ていないのかと腹が立ちましたね。「あなたが最終面接に選ばれました」とか「好待遇です」とかの釣り文句でオファーしてくるメールも本当に多いです。話を聞いてみたこともありますが、本当に好待遇だった案件はありません。就活弱者を狙った詐欺みたいな商売が多くて困りますね。

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