
この週には、
スーパーマーケットの経営に関するニュースがふたつありました。ひとつはスーパー大手の
西友が
ディスカウントストアのトライアルホールディングスに買収され、完全子会社になるというニュースです。もうひとつは
セブン&アイ・ホールディングスの経営陣の交代のニュースで、セブン&アイはコンビニエンスストア事業に集中することになり、業績不振が続いていたスーパー大手の
イトーヨーカ堂はセブン&アイの子会社から外されます。
西友もイトーヨーカ堂もひと昔前まで日本を代表する優良な大手スーパーでした。しかし、価格ではディスカウントストアに、品質では専門店や百貨店に、便利さではコンビニにおされ、中途半端な存在になっていました。ただ、スーパーという業態すべてが衰退しているわけではなく、価格が目立って安かったり特定の分野で品質に定評があったりするところは今も繁盛しています。小売りの分野には栄枯盛衰がありますが、長く栄えるには、ほかにはない特色があることが何より重要だと感じます。 (ジャーナリスト・一色清)
(写真・セブン&アイ・ホールディングスの次期社長となるスティーブン・デイカス氏=2025年3月6日/朝日新聞社)
★【政治】告発者特定「違法の可能性」「文書は一定の事実」 兵庫百条委が決定(3/4.Tue)
兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、県議会調査特別委員会(百条委員会)は4日、調査報告書を全会一致で決定した。元西播磨県民局長(故人)に対する「告発者捜し」や懲戒処分を「公益通報者保護法違反の可能性が高い」と結論づけ、内部告発判明後の斎藤知事らの一連の対応を「客観性、公平性を欠き、行政機関の対応としては大きな問題があった」と厳しく批判した。奥谷謙一委員長は「斎藤知事は報告書の内容を重く受け止め、兵庫県の混乱と分断を一刻も早く解消すべく、県民に対する説明責任を果たしてほしい」と述べた。
★【国際】「フランスの核抑止力を欧州に拡大」 マクロン氏が検討開始を表明(3/5.Wed)
フランスのマクロン大統領は5日夜のテレビ演説で、ロシアの脅威を念頭に、フランスの核兵器による「核の傘」で欧州全体を防衛するための協議を関係国と始めると表明した。核保有国が同盟国を守る「核の傘」について、欧州は米国の核戦力に頼ってきた。トランプ政権がロシアと同調する姿勢を強めるなか、安全保障面で米国依存の脱却を促す狙いがある。マクロン氏は演説で、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり「米国が立場を変えてウクライナへの支援を減らし、疑問を生んでいる」と指摘し、「欧州の未来はワシントンにもモスクワにも決められるべきではない」と述べた。
★【経済】西友をトライアルが買収、約3800億円で 関東などの事業強化へ(3/5.Wed)
ディスカウントストア大手のトライアルホールディングス(福岡市)は5日、スーパー大手の西友を買収し、完全子会社化すると発表した。西友は関東や関西を中心に店舗を展開しており、九州を拠点とするトライアルは事業拡大の起点としたい考えだ。発表によると、トライアルは西友の発行済み全株式を、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と米小売り大手のウォルマートから計約3800億円で取得する。株式譲渡日は7月1日となる予定だ。
★【経済】セブン&アイ、新社長にデイカス氏 単独経営へ企業価値向上策も発表(3/6.Thu)
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は6日、井阪隆一社長(67)が5月に退任し、後任に社外取締役のスティーブン・デイカス氏(64)が就く人事を発表した。成長分野の海外コンビニ事業を強化する狙いだ。カナダ企業から買収提案を受けるなか、単独経営の維持に向け、米国子会社を上場させるなどの企業価値向上策も示した。セブンの社長に外国人が就くのは初めて。デイカス氏はユニクロを展開するファーストリテイリングや米小売り大手ウォルマートなどを経て、2011~15年に西友の最高経営責任者(CEO)を務めた。2022年にセブンの社外取締役となり、現在は取締役会議長も務める。日本語も堪能だ。
★【政治】高額療養費の今夏引き上げ、首相が見送り表明 批判の強まりを受け(3/7.Fri)
石破茂首相は7日、医療費の患者負担に月ごとの限度を設ける「高額療養費制度」の見直しをめぐり、今年8月の負担限度額の引き上げを見送る方針を表明した。与野党や患者団体からの批判の強まりを受け、3度目の方針転換で制度見直しをいったん全面的に凍結することを決めた。政府・与党は、参院で審議中の2025年度当初予算案の再修正に向けて調整に入った。首相は今年秋までに見直し内容を改めて検討するとした。
◆朝日新聞デジタルのベーシック会員(月額980円)になれば毎月50本の記事を読むことができ、スマホでも検索できます。スタンダード会員(月1980円)なら記事数無制限、「MYキーワード」登録で関連記事を見逃しません。大事な記事をとっておくスクラップ機能もあります。お申し込みはこちらから。