2024年07月17日

説明会で営業職の見方かわり インターンを検討【26卒学生の就活ルポ4】

テーマ:学生の就活ルポ

 夏に向け加速している2026年卒学生の就職活動を適宜、「就活ニュースペーパー」で紹介するこのコーナー。今回は、都内私立大のケイジさんと都内女子大のシュリさんが2回目の登場です。マスコミ志望のシュリさんですが、ある中小企業の説明会を聞いて営業職の見方がかわり、その会社のインターンシップを受けようと検討しています。世の中には知らない企業、知らない職業がたくさんあります。みなさんもできるだけ選択肢を幅広くもって、就活をすすめてください。(編集部・福井洋平)
(写真、イラストはPIXTA)

【都内女子大 文系学部3年 シュリさん】

■就活情報の交換サイトで面接ロールプレイ
 7月上旬に開かれる、全国紙の学生向けイベントに参加できることになりました。模擬取材などを体験できるそうです。そのほかの新聞社インターンシップにも順次エントリーをしています。自己PR、趣味や特技、ゼミで研究していることを書く欄など、他業種に比べて文字数もあり大変です。ある新聞社がオンラインで開催したESの書き方講座では、先輩のESやテンプレートにとらわれず、情景が浮かぶような文章を書きましょうと学びました。インターンシップの倍率は高いですが、キラリと光るESは選ぶと言われていますので、聞かれていることはなるべく細かくちゃんと書こうと思っています。

 マスコミ就活に向けて、大学のキャリアセンターでマスコミ就活生向けの本を読んで選考フローをチェックしたり、「就活会議」などの口コミサイトを見たりしています。自己分析について根掘り葉掘り聞かれたり、ニュースについてつっこまれたり、鋭い質問が多いのかなと考えています。ほかの対策としては就活情報サイトがつけてくれたメンターさんに相談したり、グループディスカッション(GD)の対策やES講座などを情報交換するサイトに登録したりしています。面接のロールプレイもそのサイトを利用してやりました。

■営業職の印象かわる
 マスコミ以外では、大手旅行会社のインターンシップに通過しました。小さなメーカーのインターンも受けようと思っています。スカウトアプリ経由で面接した会社のなかで、その会社だけ気に入りました。営業職でスカウトをもらっていたのですが、プロフィールで見た私の雰囲気がよさそうだと言ってくれて、そういう会社はほかになかったので魅力を感じました。営業職は毎日飛び込みさせられてきついというイメージがあったのですが、そこメーカーさんは顧客フォローが中心で、私の思っていた営業イメージとは違ったのもよかったです。

 いま申し込んでいるインターンシップにもし全部通過したら夏は相当忙しくなりますが、落ちた場合は暇になるかも……と心配しています。先輩からは「そのときはそのとき、気をもまないように」と言われているのですが。仮に通過しなくても、秋冬のインターンには参加しようと思っています。

【都内私立大法学部 3年男性 ケイジさん】

■夏のインターンシップは5社決まる
 7月から9月にかけて、インターンシップが5社決まりました。大手IT企業は2週間の営業のインターンシップに参加し、あとは大手生保が5日間(夏はそのうち3日間)、大手銀行と大手ベンチャーの人材系企業が2日間、金融系シンクタンクが1日間のプログラムです。大手IT企業はいい学生には早期に内定を出すといううわさもXで出回っていますが、疑いながらみています。

 人材系企業の選考は大変でした。エントリーシート(ES)を提出してそのあとグループディスカッション(GD)、適性検査、人事担当者の面接と続き、選考が長くきつかったです。GDのお題は忘れましたが、発言できていない人に話を振る、テーマの定義付けを最初にきちんとする、共通認識を参加者が持てるようにする、といったことに気をくばりました。最後の面接では志望動機は聞かれず、自分がこれまでやってきたことを高校時代からさかのぼってとことん聞かれました。自分の価値をはかられているという緊張感がすごくありましたが、面接の雰囲気はよかったと思います。

 大手生保の選考でもGDがありました。人事担当の方があとで参加者全員にフィードバックをして、よかったところや悪かったところ、改善点を指摘してくれたのは役にたちました。

 大学2年のときに1年間休学して長期のインターンシップに参加したことについては、よく面接でも聞かれます。当時の思いをきちんと話せているので、面接通過率も高くなっているのかな、と感じます。休学したときは就活対策とは全然思っていなかったですが、過去の自分に感謝したいですね。

■「面接はコミュニケーション、笑顔大切に」アドバイスもらう
 面接が終わったあとは、もっとできたことはないか、話すべきことがあったんじゃないかなど、振り返っての感想を言語化して、グーグルのドキュメントにメモしています。

 高校の友人はもう就活を終えている人もいるので、体験談を聞いたりしています。「面接は結局笑顔と愛嬌が大事、人と人とのコミュニケーションだということを忘れないように」というアドバイスをもらいました。アドバイスをしてくれた彼は特別な経験はないんですが、大企業に内定をもらっています。笑顔を大切にしたからだな、と思います。学生時代に何をしたかという結果ではなく、どうやって行動したかという過程のほうが大切なんだな、ということも学びました。

 いまの悩みは日程調整ですね。また、志望動機ももう一度見直そうと思っています。今後インターンシップに参加して、企業の情報を細かく見るようになると、いまの志望業界も変わってくるんじゃないかと感じています。あと、転勤はあまりしたくないと思うようになってきました。将来家族を持って子どもを育てて、ということを考えると、転勤が少ない方が育てやすいですよね。

 就活の気分転換には友人と遊んだり、映画を見たり読書したりしていますが、結局何をしていても頭の片隅から就活は離れないから、いまはとことん就活と向き合ってやりきるのがいいかな、と考えています。

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