(写真・京都・清水寺へ続く坂道を歩く観光客ら=2023年7月7日)
- トップ >
- 就職最新情報を知る >
- 就活イチ押しニュース >
- 記事一覧 >
- 記事詳細
(写真・京都・清水寺へ続く坂道を歩く観光客ら=2023年7月7日)
インバウンドの数が復活
国内客も増えています。旅行大手JTBによると、夏休みに国内旅行をする人は前年比16.9%増の7250万人となり、コロナ前の2019年並みになる見通しだといいます。
バス乗り場に130人の行列
朝日新聞の記事は、7月のある週末のJR嵯峨野線の混雑ぶりを伝えています。JR京都駅から、人気の観光地の嵐山まではわずか15分ですが、地元の利用客に加えて、スーツケースを持ち込んだ外国人観光客らが乗り込みごった返します。降車時には、ホームから出口まで行列のようになり、通常なら1分で着く近くの烏丸中央口まで約5分もかかるそうで、地元の利用客からは苦情の声も出ています。
同じ日、京都駅から清水寺や祇園に向かうバス乗り場でも130人ほどが列をなしていました。最近は大人数の外国人観光客が大きな荷物をもって乗り込むため、「バスに乗りづらい」との声も聞かれるといいます。もちろんそれだけの観光客が来れば京都の経済は活性化されますが、地元住民の生活が相当不便になることも否定できません。
混雑に拍車をかけているのが人手不足です。箱根では、運転手が足りず、バスの便数を増やせない状況で、バス乗り場には長い行列ができています。タクシーも同じ状況で、運転手を募集しても集まらないため、台数を増やせないそうです。
(写真・JR京都駅のタクシー乗り場には、多くの外国人観光客らが並ぶ=2023年7月15日)
観光客を集中させない取り組み
公共交通機関も、コロナ禍による乗客減を受けて、減便を行ってきました。さきほどの嵯峨野線も2022年に減便していますが、観光客が戻ってきた2023年に入っても元には戻しておらず、臨時列車を出すなどしてなんとか対応している状態です。交通問題に関しては、コロナ禍を経たことで、オーバーツーリズムが拡大したともいえます。
混雑を解消するひとつの方法が、混雑状況をリアルタイムで知らせ、観光客に分散をうながすことです。京都市観光協会のウェブサイト「京都観光快適度マップ」では、人気観光スポット周辺の時間帯別の観光快適度の予測やライブカメラ映像、日中でも比較的空いている魅力的な観光スポットの情報を提供し、観光客の集中をふせごうとしています。
(写真・JR京都駅新幹線構内に設置された特設観光ブースで駅前の混雑状況を確認する観光客=2022年11月)
観光客に税金も
オーバーツーリズムが問題になってきた背景のひとつには、かつてのように名所旧跡だけではなく、地域の文化や日常生活そのものも観光の対象となってきたこともあげられています。SNSによってそういった情報がすぐに広がるようになり、観光客が日常の風景に踏み込むことがこれまで以上に簡単になってきているのです。
(写真=神奈川県内を走る江ノ島電鉄)
観光客も地元も喜ぶ方策をさぐる
せっかく観光しにきたのに、地元住民がいろいろ優先されたり、割高な運賃や税金を払わされたりする――。それが、当たり前になる時代がすぐそこに来ています。「せっかく観光に来たのになんだよー」とただ愚痴るのではなく、観光をめぐって起きているさまざまな問題を理解してみるようにしましょう。また、観光客がただ来なくなるというのも困ります。テクノロジーなのか制度づくりなのか、観光客も地元住民も喜べるような打ち手を考えることができれば、新しいビジネスの芽が見えてくるかもしれません。
(写真・あるアニメに登場する階段)
◆朝日新聞デジタルのベーシック会員(月額980円)になれば毎月50本の記事を読むことができ、スマホでも検索できます。スタンダード会員(月1980円)なら記事数無制限、「MYキーワード」登録で関連記事を見逃しません。大事な記事をとっておくスクラップ機能もあります。お申し込みはこちらから。
2025/04/02 更新
- 「何の仕事をしていたのか」不振の日産、社外取締役が全員留任に波紋(08:00)
- 子ども服「ミキハウス」が入社式 10年前から半数が海外にルーツ(08:00)
- リモート勤務、転勤… 新入社員の思いは? 9社の入社式で聞くと…(07:00)
- ラピダス、命運かけた「試作」段階へ 顧客と資金の調達も左右(06:00)
- トランプ氏、相互関税を3日早朝発表へ 米国GDP2.5%減試算も(06:00)
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
就職最新情報を知る
企業と業界を知る
ニュースで就活力を高める
-
1
就活イチ押しニュース米アマゾンが在宅勤務を廃止へ 「脱・テレワーク」日本でも広がるか?【就活イ...
-
2
就活イチ押しニュース就活「解禁」でエントリー再開、会社は絞り込む【26卒学生の就活ルポ28】
-
3
就活イチ押しニュース初任給アップ、そのお金はどこから出ている?「原資」という言葉を知ろう【就活...
-
4
就活イチ押しニュース日本郵政、強まる官僚色 20年前の盛り上がりは何だったのか【週間ニュースま...
-
5
就活イチ押しニュース商品券問題、インフレ進行……時代の変わり目感じ取るようにしよう【週間ニュー...
-
6
就活イチ押しニュース新卒エージェントの強引な仕事に困る【26卒学生の就活ルポ27】
-
7
就活イチ押しニュース春闘好調、人への投資意欲明らかに でも先行きは?【週間ニュースまとめ3月1...
-
8
就活イチ押しニューススーパーの経営関連ニュース続く 長く栄える小売り業の条件とは【週間ニュース...
-
9
就活イチ押しニュース3月就活「解禁」 内々定率過半数も焦りは禁物、自分らしいキャリアの実現を【...
-
10
就活イチ押しニュース金利上昇、今後も続く予感 お金にまつわる動きにも注意を【週間ニュースまとめ...