2023年07月24日

車体に傷つけ保険金不正請求 背景には企業風土?【週間ニュースまとめ7月18日~23日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 全国で約300店舗を展開している大手中古車販売会社、ビッグモーターの保険金不正請求問題が大きなニュースになっています。損害保険会社から支払われる保険金を水増しするため、わざと車体に傷をつけたり不要な部品交換をしたりしていたというのです。こどもでもわかる「やってはいけない行為」を長年にわたってやっていたということに驚きます。ビッグモーターの現社員や元社員の証言が連日テレビや新聞などで報道されており、社員へのノルマが厳しく、達成できないとすぐに降格処分となり、上司の命令は絶対という企業風土が確立していたことがわかってきました。社員は、降格や叱責の恐怖から命令に従っていたと思われます。

 ここまで強烈かどうかは別としても、似たような「上意下達信賞必罰」の企業風土を持っている会社はあると思われます。こうした会社は短期的な成長はしても、企業風土を変えないかぎり、どこかでつまずく可能性が大きいでしょう。会社選びの際には、企業風土を調べることが重要です。先輩訪問やネットの情報などで気になることがあれば、会社訪問の際にきちんと質問をするようにしてください。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・ビッグモーターの店舗=東京都内)

【社会】ビッグモーター、保険金の不正請求1千件超 報告書公表、調査継続へ (7/18.Tue)

 中古車販売大手のビッグモーター(東京都港区)が自動車保険の保険金を水増し請求していた問題で、同社は18日、少なくとも1275件で不正が見つかったと認めた。これまで伏せてきた、外部の弁護士らによる特別調査委員会の報告書も初めて公表した。兼重宏行社長ら経営陣は報酬の自主返上を決めた。同社は事故車を修理する際、わざと車体に傷をつけたり、不要な部品交換をしたりして、損害保険会社に保険金を水増し請求していた。調査委は、不正請求の原因として、不合理な目標設定やコンプライアンス(法令や社会規範の順守)意識の低さなどを挙げた。不正は全国の工場で見つかり、従業員へのアンケートでは不正に関与した理由として「上司からの指示」が6割近くを占めた。不正が組織的だった疑いが濃い。

【社会】万博、撤退する国「あるでしょうね。仕方ない」建設遅れで関経連会長(7/18.Tue)

 2025年の大阪・関西万博に参加する国・地域が建てるパビリオンの建設申請が遅れている問題で、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は18日、個人的な意見として「(参加国の中には)今ごろ設計もない、何のレスポンス(反応)もない、そういう国が56カ国の中にある」とし、「(撤退する国が)あるでしょうね。仕方ない」との考えを示した。2025年4月の開幕の延期には、「絶対にやめてください。とにかくやろうと、やれるようにスケジュールを組み替えていったらいい」と述べ、強く反対した。

【社会】6月インバウンド客、3年5カ月ぶりに200万人超 中国以外が回復(7/19.Wed)

 日本政府観光局(JNTO)は19日、6月の訪日外国人客(インバウンド)が207万3300人だったと発表した。新型コロナの感染拡大前の2019年同月比で72%まで戻った。夏の観光シーズンを迎えるなか、国内旅行客も増加。人気の観光地は混雑が激しくなり、オーバーツーリズム(観光公害)の問題も出始めている。昨年10月に新型コロナの水際対策が緩和されてから回復が続いており、1カ月の訪日客が200万人を超えたのは2020年1月以来3年5カ月ぶりだ。国・地域別では、韓国が最多で約55万人。台湾が約39万人、米国が約23万人と続いた。コロナ前の2019年に訪日客の3割(959万人)を占めていた中国は、約21万人だった。

【経済】6月の貿易収支、23カ月ぶり黒字 資源価格落ち着き輸入が大幅減 (7/20.Thu)

 財務省が20日発表した6月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は430億円の黒字だった。黒字は2021年7月以来23カ月ぶり。輸出は前年同月比1.5%増の8兆7441億円。輸入は12.9%減の8兆7010億円と大きく減った。輸出は6月としては過去最高だった。米国向けの大型車などが好調だった自動車が49.7%増と1.5倍の伸びとなった。半導体不足が和らぎ、生産が回復している。パワーショベルなどの建設用・鉱山用機械も45.8%増だった。輸入は、原油、石炭、液化天然ガスがいずれも3割以上減った。世界的に資源価格が落ち着いているほか、数量も減っている。

【経済】6月の消費者物価、3.3%上昇 電気代値上げで前月より上げ幅拡大(7/21.Fri)

 6月の消費者物価指数(2020年=100)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞいた総合指数が105.0で、前年同月より3.3%上がった。電気代の値上げで上昇率は2カ月ぶりに拡大。食品の値上がりも止まらず、上昇は22カ月連続となった。総務省が21日発表した。品目別では、生鮮食品をのぞく食料が9.2%上がり、高水準の上昇が続いている。とくにタマゴの値段が高止まりしており、35.7%アップした。国産の豚肉も9.4%、食用油も16.5%上がるなど、食卓への影響は厳しさを増す。政府は今年度の消費者物価の上昇率を、生鮮食品を含む総合指数で2.6%と見込む。この数値は、1月に4.3%を記録して以降は3%台で推移し、6月は3.3%。3.0%まで鈍化している米国を8年ぶりに上回った。

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