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1950年といえば、第2次世界大戦が終わって5年後です。東アジアでは朝鮮戦争が始まり、日本は物資の供給地として戦後復興の波に乗ろうとしていた時期です。華々しい高度経済成長のまさに入り口でした。世界でも人口爆発が始まり、工業や農業を通じて化石燃料などのエネルギーの消費が急拡大しました。また、大国は盛んに核実験をおこなっていました。そうした人間の活動により、地層には放射性物質、ブラックカーボン(すす)、マイクロプラスチックなどが堆積し、それまでの地層と異なる様相を示しています。
人新世という言葉は、環境学、経済学、社会学、文学などでも使われ始めています。ここ数十年の人間の活動が地層だけでなく、いろいろな分野で大きな変化もたらしているためです。わたしたちは、46億年の歴史の中で特別な時代を生きているのかもしれません。変化のあまりの大きさとスピードの速さに、「このままいくと人類は絶滅するのではないか」という恐怖が頭をかすめます。そんなことにならないよう、「持続可能な世界」を作るのが今の時代を生きているわたしたちの務めだと思います。(ジャーナリスト・一色清)
★【社会】袴田巌さんの再審、検察が有罪立証する方針を決定 (7/10.Mon)
57年前の1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した元従業員・袴田巌さん(87)=釈放=の裁判をやり直す再審公判で、検察側が10日、有罪を立証する方針を決めた。再審公判での無罪判決はほぼ確実とみられるが、検察の有罪立証で審理は長引くことになる。再審開始を決めた3月の東京高裁決定は、確定判決が袴田さんの犯行時の着衣とした「5点の衣類」について、捜査機関が後からみそタンクに入れた捏造(ねつ・ぞう)証拠の可能性が「極めて高い」と指摘した。
★【国際】スウェーデンのNATO加盟、難色のトルコが容認 加盟実現へ(7/10.Mon)
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は10日夜、トルコのエルドアン大統領がスウェーデンのNATO加盟容認に転じ、国内の手続きを進めることで同意したと明らかにした。トルコとともに態度を留保していたハンガリーも承認に動くとみられ、スウェーデンの加盟が実現することになる。ストルテンベルグ氏はエルドアン氏、スウェーデンのクリステション首相と10日、NATO首脳会議が11日から開かれるリトアニアの首都ビリニュスで会談した。ストルテンベルグ氏はその後の記者会見で「歴史的な日だ」と強調。具体的な時期については、「エルドアン氏はできるだけ速やかに(国内の手続きを)実現すると明言した」と述べた。
★【社会】トランスジェンダー経産省職員へのトイレ使用制限、最高裁が違法判決 (7/11.Tue)
戸籍上は男性だが女性として暮らすトランスジェンダーの経済産業省の職員が、省内での女性トイレの使用を不当に制限されたのは違法だと国を訴えた訴訟で、最高裁第三小法廷(今崎幸彦裁判長)は11日、この制限に問題はないとした人事院の判定を違法とする判決を言い渡した。制限を適法とした二審・東京高裁判決を破棄し、職員の逆転勝訴が確定した。裁判官5人全員一致の結論。性的少数者の職場環境をめぐり、最高裁が判断を示したのは初めて。人事院の判定は取り消され、経産省も対応の見直しを迫られる。人事院の判定は「他の職員への配慮を過度に重視する一方、原告が使用制限で受ける日常的な不利益を不当に軽視するもので、著しく妥当性を欠く」と判断した。
★【科学】「人新世」新たな地質年代に提案へ 人類痕跡残る1950年ごろから(7/12.Wed)
46億年の地球の歴史の上で、人類の痕跡が残る時代を区分する――。こんな提案を地質学の専門家たちが国際学会に提案することを決めた。12日発表した。人間の活動が地球を元に戻せないほど変えてしまったとして、新たな地質年代「人新世」(じんしんせい、または、ひとしんせい)を設け、その証拠となる地層がある「国際標準模式地」にカナダの湖を推薦することを決めた。地質年代とは、惑星としての地球の歴史を地層の特徴に応じて区分した呼び方のこと。化石や岩石から環境の変化を読み取って区分されている。現在は新生代第四紀の「完新世」と呼ばれる。氷河時代が終わり温暖になった時期で、1万1700年前から始まり今に続いているとされる。人新世の始まった時期は、1950年ごろを採用する。世界中の地層や氷床から1950年代に急増した米ソの核実験によるプルトニウムが見つかるという。この時期、世界の人口や、プラスチックやコンクリートなどの人工物の生産量も爆発的に増えていることもある。
★【国際】英国のTPP加盟を正式決定 当初参加国以外で初、次の焦点は中国(7/16.Sun)
日本やカナダ、オーストラリアなど環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟する11カ国は16日、ニュージーランドで閣僚会合を開き、英国の加盟を正式に決めた。2018年に発効したTPPに加盟国が増えるのは初めて。これによりTPPは、世界の国内総生産(GDP)の合計の約15%にあたる経済をカバーする貿易協定になる。英国は2020年12月末に欧州連合(EU)からの離脱を完了し、直後の2021年2月にTPPへの加盟を申請した。EU離脱の影響を補うための貿易拡大策の一環だった。
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